蝶影低昴春草馨 蝶影低昴し 春草馨し
鶯聲強弱夢魂醒 鶯聲強弱し 夢魂醒む
梨園淡白沈沈静 梨園淡白 沈沈と静に
満樹濃深的的青 満樹濃深 的的青なり
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江坊夜色萬重烟 江坊夜色 萬重の烟
春月朦朧白皎然 春月朦朧 白皎然たり
酔客高樓紅杏肆 酔客高樓に 紅杏の肆
佳人朱欄翠楊船 佳人朱欄に 翠楊の船
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江村新水満春田 江村新水 春田に満ち
片片桜雲白皎然 片片たる桜雲 白皎然たり
妖艶花王紅灼灼 妖艶なる花王 紅灼灼
夭夭草木翠娟娟 夭夭たる草木 翠娟娟
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秀色牡丹花欲燃 秀色なる牡丹 花燃えんと欲し
春城満地草如煙 春城満地 草煙の如し
紅塵麦隴風千片 紅塵麦隴 風千片
支日西郊浪一川 日を支え西郊に 浪一川
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紅樹青山帯彩霞 紅樹青山 彩霞を帯び
水亭千紫競相誇 水亭の千紫 競いて相い誇る
清香湖畔春将半 清香湖畔 春将に半ならんとし
微酔園中踏落花 微酔し園中 落花を踏む
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東皇陽斜照梨花 東皇陽斜に 梨花を照らし
極目江天流水涯 極目江天 流水の涯
四月突如翻暖雪 四月突如 暖雪翻り
寒煙漠漠簇紅霞 寒煙漠漠 紅霞簇る
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青山新緑萬如燃 青山新緑 萬て燃えるが如く
紅落春陰帯晩煙 紅落ちて春陰 晩煙を帯びる
千紫藤花芳樹下 千紫藤花 芳樹の下
一枝撫頬艶陽天 一枝頬を撫でる 艶陽の天
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黄昏不覚酔流霞 黄昏覚えず 流霞に酔い
遊歩欄前日已斜 欄前を遊歩すれば 日已に斜めなり
漠漠夢魂香靄靄 漠漠たる夢魂 香靄靄
春宵淡月照残花 春宵淡月 残花を照らす
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妖艶花王紅欲浮 妖艶な花王 紅浮ばんと欲し
可憐躑躅満山稠 可憐な躑躅 満山に満つ
麦風携酒村村酔 麦風酒を携えて 村村に酔い
杏下訪芳寺寺留 杏下芳を訪ねて 寺寺に留る
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桃杏嬌紅江上村 桃杏嬌紅 江上の村
梨花淡白綻春喧 梨花淡白 春喧に綻ぶ
午風気暖飄衣袂 午風気暖に 衣袂を飄し
夕刻光斜照酒樽 夕刻光斜に 酒樽を照らす
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水暖春江一小亭 水暖み春江に 一小亭
長堤艶杏十分馨 長堤の艶杏 十分に馨し
麦風村落沈沈静 麦風の村落 沈沈と静かに
花下仙園的的青 花下の仙園 的的と青し
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橋畔春陰昼寂然 橋畔春陰 昼寂然と
長江流翠與雲連 長江翠を流して 雲と連る
遊蜂瑟瑟花心雨 遊蜂瑟瑟 花心の雨
林樹濛濛柳外煙 林樹濛濛 柳外の煙
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如矢春光破暁眠 矢の如き春光 暁眠を破り
千枝紅雨萬重烟 千枝紅雨 萬重の烟
池頭楊柳條條翠 池頭の楊柳は 條條と翠に
簾外桜花片片燃 簾外の桜花 片片と燃ゆ
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煙霞麦隴野人家 煙霞の麦隴に 野人の家
佰傍前庭躑躅花 佰傍の前庭に 躑躅の花
南畝馬嘶牛歩緩 南畝に馬嘶き 牛歩緩かに
犬眠人酔酒旗斜 犬眠り人酔い 酒旗斜めなり
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青山如黛曳軽煙 青山黛の如く 軽煙を曳き
紅散長江翠接天 紅散じ長江 翠天に接す
黄鳥無聲春寂寂 黄鳥聲無く 春寂寂として
緑羅麦隴色妍妍 緑羅の麦隴 色妍妍たり
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東風吹雨起春眠 東風雨を吹いて 春眠を起こし
満地新泥流一川 満地新泥 一川に流す
争艶桜桃花落盡 艶を争う桜桃は 花落ち盡し
夭夭柿葉緑嬋妍 夭夭たる柿葉 緑嬋妍たり
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春霞奄奄古祠頭 春霞奄奄たり 古祠の頭
桜弁翩翩花底遊 桜弁翩翩たり 花底に遊ぶ
鶯鳥喧喧無吠犬 鶯鳥喧喧と 吠犬無く
田園處處有牛 田園處處に 闍漉Lり
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恣風吹暖百花燃 恣風暖を吹いて 百花燃え
千樹映霞春可憐 千樹霞を映じて 春憐れむ可し
玉白夭桃香脈脈 玉白の夭桃 香は脈脈
淡紅艶杏色娟娟 淡紅の艶杏 色は娟娟
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墨堤渺渺酔流霞 墨堤渺渺と 流霞に酔い
黄菜冥冥日已斜 黄菜冥冥と 日已に斜めなり
皎月清明人未寝 皎月清明 人未だ寝ず
紅燈妖艶照残花 紅燈妖艶と 残花を照らす
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尋芳水畔上旗亭 芳を尋ね水畔 旗亭に上がる
桜片飛時春満城 桜片飛ぶ時 春城に満つ
村落梨花方淡白 村落の梨花 方に淡白
仙園柳影已深青 仙園の柳影 已に深青
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澄江如練水悠悠 澄江練るが如く 水悠悠たり
橋畔桃花紅欲流 橋畔に桃花 紅流れんと欲す
山郭青天新翠滴 山郭青天 新翠滴り
懶鶯聲乱撲春愁 懶鶯聲乱れて 春愁を撲つ
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紅錦江東十里霞 紅錦の江東 十里の霞
緑羅墨水戀京華 緑羅の墨水 京華を戀う
祠頭一路但聞語 祠頭一路 但だ語を聞き
国艶千株都著花 国艶千株 都て花を著く
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休息山中売酒家 休息す山中 売酒の家
遊人酔眼望烟霞 遊人酔眼にて 烟霞を望む
夭夭百緑皆春草 夭夭たる百緑 皆春草
爛漫千紅是李花 爛漫たる千紅 是れ李花
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騒客尋花載酒行 騒客花を尋ね 酒を載せて行く
佳人歌舞艶衣軽 佳人歌舞し 艶衣軽やかなり
飄飄戯蝶香風暖 戯蝶は飄飄 香風暖かに
八重雲桜錦浪生 八重雲なる桜 錦浪生ず
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春風暖暖入簾来 春風暖暖と 簾に入りて来り
花外青天自蕩駘 花外は青天 自ら蕩駘なり
東畔緑園荒薺合 東畔の緑園に 荒薺合し
庭前紅白海棠開 庭前に紅白の 海棠開く
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春陂一面菜花田 春陂一面 菜花の田
山麓煙霞景物妍 山麓は煙霞 景物妍なり
野杏欲燃紅映日 野杏燃えんと欲して 紅日に映じ
長江流下碧連天 長江流れ下って 碧天に連る
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水村山郭暮鴉飛 水村山郭 暮鴉飛び
紅樹青山月照扉 紅樹青山 月は扉を照らす
誘趣遊人餐後出 趣に誘われ遊人 餐後にで出
踏花伴犬夜深帰 花を踏み犬を伴って 夜深に帰る
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春霞青黛萬重烟 春霞は青黛 萬重の烟
夕暮弥生三月天 夕暮弥生 三月の天
桜樹千枝花爛漫 桜樹千枝 花は爛漫
満目仰見月嬋娟 満目仰ぎ見れば 月は嬋娟
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極目江天映白沙 極目江天 白沙に映じ
寒煙漠漠日西斜 寒煙漠漠と 日西に斜めなり
黄鶯柳影但聞語 黄鶯は柳影に 但語を聞き
桃李橋東都著花 桃李は橋東に 都て花を著く
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