黄鳥香迎頻弄聲 黄鳥香を迎え 頻に聲を弄し
夕陽影落薄寒生 夕陽影を落して 薄寒生ず
江頭千樹疎還冷 江頭千樹 疎還た冷かに
籬畔南枝斜又横 籬畔南枝 斜又た横
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冬去煙中梅吐芳 冬去り煙中に 梅は芳を吐き
春回風暖入新陽 春回り風暖に 新陽に入る
酔顔水畔半牀夢 酔顔は水畔に 半牀の夢
吟屋蕭疎一帳香 吟屋蕭疎 一帳の香
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墨巷黄昏欲暮鴉 墨巷黄昏 暮鴉ならんと欲し
葦原萬樹影横斜 葦原の萬樹 影横斜なり
三囲社上東南月 三囲の社上に 東南の月
亀戸疎枝一両花 亀戸の疎枝に 一両の花
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浪砕常州東海濱 浪砕ける常州 東海の濱
尋香水戸阜園春 香を尋ぬ水戸 阜園の春
騒人偕楽梅千樹 騒人偕楽しむ 梅千樹
湖上波心月半輪 湖上の波心に 月半輪
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雨霽青峰月一痕 雨霽れ青峰に 月一痕
筑波山腹暗香繁 筑波山腹 暗香繁し
如流翠黛残霞去 翠黛流すが如く 残霞去り
欲染紅雲返照翻 紅雲染らんと欲して 返照翻る
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絶勝雨霽小渓隈 絶勝雨霽れる 小渓の隈
朶朶雪融春色回 朶朶雪融け 春色回る
寒去和風吹面過 寒去り和風 面を吹いて過ぎ
陽来香骨背人開 陽来り香骨 人に背いて開く
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萬樹凌寒春一枝 萬樹寒を凌ぐ 春一枝
香聞流水最清奇 香聞流水 最も清奇なり
騒人先酌花前酒 騒人先ず酌む 花前の酒
薄暮難成月下詩 薄暮成り難し 月下の詩
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春雪繽紛舞晩風 春雪繽紛と 晩風に舞い
今朝日出即消融 今朝日出て 即消融す
柳條初放江堤雨 柳條初めて放つ 江堤の雨
催暖新陽煙霧通 暖を催す新陽 煙霧通ず
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陰雲降雪峭寒侵 陰雲は雪を降し 峭寒侵し
萬樹粧銀下凍禽 萬樹銀を粧い 凍禽を下す
香骨花遅風淅淅 香骨花遅く 風は淅淅
痩姿柳困影沈沈 痩姿の柳困しみ 影は沈沈たり
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陰雲万里木蕭蕭 陰雲万里 木は蕭蕭
春雨濛濛雪未消 春雨濛濛 雪未だ消えず
柳暗曲窓常寂寂 柳暗の曲窓 常に寂寂と
江南幽閣亦寥寥 江南の幽閣 亦た寥寥たり
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江東山紫淡煙遮 江東の山紫 淡煙遮り
日暮留寒冷気加 日暮寒を留めて 冷気加わる
春雨斜斜花未綻 春雨は斜斜 花未だ綻ろばず
前庭樹下動萌芽 前庭の樹下に 萌芽動く
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鶯出新陽緑向東 鶯出でて新陽 緑は東に向い
梅凌残雪待春融 梅凌いで残雪 春を待って融く
氷花含雨山難白 氷花雨を含んで 山白なり難く
炉閣成灰火失紅 炉閣灰と成って 火紅を失う
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闘草懶伸春未回 闘草伸るを懶って 春未だ回らず
江村二月峭寒催 江村二月 峭寒催す
啼鶯無奈微聞雁 啼鶯奈んとする無く 雁を聞くこと微く
雪岸南枝始破梅 雪岸の南枝 始めて梅を破る
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江村暮色薄寒生 江村暮色 薄寒生じ
梅樹横枝月影清 梅樹の横枝 月影清し
浸浸前園霜気重 浸浸と前園に 霜気重く
紛紛窓外雪花軽 紛紛と窓外に 雪花軽し
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林下凍禽凌雪霜 林下の凍禽 雪霜を凌ぎ
江村二月入新陽 江村二月 新陽に入る
繊繊緑柳含情装 繊繊たる緑柳 情を含んで装い
郁郁紅梅帯笑迎 郁郁たる紅梅 笑みを帯びて迎う
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雪裡鶏聲疎影村 雪裡鶏聲 疎影の村
煙中人語到君門 煙中人語す 君が門に到る
探来超俗三間家 探り来り超俗す 三間の家
玉骨横斜一畝園 玉骨横斜す 一畝の園
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長江紫岳被雲遮 長江紫岳 雲に遮られ
白雪紛紛与水涯 白雪紛紛と 水涯を与にす
蕭寺風来香寂莫 蕭寺風来りて 香寂莫と
北枝鳥動影横斜 北枝鳥動いて 影横斜
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薄暮春寒寂四隣 薄暮春寒く 四隣寂たり
南枝忍凍北風頻 南枝凍を忍んで 北風頻なり
雲闔ﾞ酒難従俗 雲閧ｩに酒を酌んで 俗に従い難く
月伴吟詩亦絶塵 月伴い詩を吟じて 亦た塵を絶す
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横枝雪下獨徘徊 横枝は雪下に 獨り徘徊するも
黄鳥不来春未回 黄鳥来たらず 春未だ回らず
凍鷺沙洲寒照水 凍鷺は沙洲に 寒は水を照らし
芳香微動暗通梅 芳香微に動いて 暗に梅に通ず
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春風料峭薄寒生 春風料峭として 薄寒生じ
数樹南枝梅雪争 数樹の南枝に 梅雪争う
岸柳横斜繊有影 岸柳は横斜 繊として影有り
江波清浅寂無聲 江波は清浅 寂として聲無し
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耐寒二月好風吹 寒に耐える二月 好風吹いて
疎影前園啼鳥窺 疎影の前園に 啼鳥窺う
破蕾三枝含雪妬 破蕾の三枝 雪を含んで妬み
江邊一水有春知 江邊の一水 春を知る有り
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疎林樹影浸寒光 疎林の樹影は 寒水に浸り
鮮麗氷肌雪有香 鮮麗なる氷肌 雪香を有す
遭遇故人霜夜夢 故人に遭遇す 霜夜の夢
孤燈愁絶月前腸 孤燈に愁絶す 月前の腸
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江家一樹出簷斜 江家の一樹 簷を出て斜めに
痩影春寒空嘆嗟 痩影春寒く 空く嘆嗟す
料峭北風含霰雪 料峭たる北風は 霰雪を含み
暖回何日動萌芽 暖回り何れの日ぞ 萌芽動く
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煙中人語入仙源 煙中人語 仙源に入る
占盡風情麗日喧 風情を占盡して 麗日喧なり
欺雪花魁渓水碧 雪を欺く花魁 渓水碧に
横斜落影月黄昏 横斜に影を落して 月黄昏なり
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南枝雪骨百花魁 南枝に雪骨 百花の魁
郁郁氷身紅白開 郁郁と氷身 紅白開く
鶯囀寒梢残蝋去 寒梢に鶯囀り 残蝋去り
蠅蘇暖気早春来 蠅蘇り気暖って 早春来る
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節分江畔訪梅人 節分江畔に 梅を訪れる人
草緑空蒼物候新 草緑に空蒼く 物候新なり
紅蕾耐寒残雪裡 紅蕾寒に耐へる 残雪の裡
白銀野景浄無塵 白銀の野景 浄くして塵無し
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有雪無梅二月時 雪有り梅無く 二月の時
北園痩影傲霜枝 北園の痩影 霜に傲る枝
西風料峭寒威逼 西風料峭と 寒威逼り
禽鳥不啼春信遅 禽鳥啼ず 春信遅し
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句句経書玄又玄 句句の経書 玄又玄
篇篇史籍豈無伝 篇篇の史籍 豈に伝うる無からんや
清時白首猶憂国 清時に白首 猶を国を憂え
酣飲紅顔只楽天 酣飲の紅顔 只だ天を楽しむ
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