眼前一水鳥聲寒 眼前一水 鳥聲寒く
凍影梅花袖手観 凍影梅花 手を袖にして観る
残夜空窓天皎皎 残夜空窓 天は皎皎と
誰憐寂漠雪漫漫 誰か寂漠を憐み 雪漫漫たり
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江村淅淅雪風吹 江村に淅淅と 雪風吹き
山上瀟瀟松柏悲 山上に瀟瀟と 松柏悲しむ
慙愧空門千古恨 慙愧す空門 千古の恨
潜潜涕涙哭君時 潜潜と涕涙す 君を哭する時
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向北人群待渡頭 北に向う人の群 渡頭に待ち
抗流回棹雪中舟 流に抗し棹を回す 雪中の舟
成糸氷雨侵衰鬢 氷雨糸を成して 衰鬢を侵し
砕玉寒流到敝裘 寒流玉を砕いて 敝裘に到る
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江岸銀沙一望平 江岸の銀沙 一望平に
長流砕玉雪花清 長流玉を砕いて 雪花清し
門前遊戯児童色 門前遊戯す 児童の色
茅屋呼名父老聲 茅屋名を呼ぶ 父老の聲
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風雪瀟瀟夜気凝 風雪瀟瀟 夜気凝り
寒威凛凛半成氷 寒威凛凛 半ば氷と成る
酒家漠漠薪添火 酒家漠漠 薪火に添え
煙裡漫漫燭助燈 煙裡漫漫 燭燈を助く
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厳風衣褐正揺揺 厳風衣褐は 正に揺揺と
一月黄昏日易消 一月の黄昏 日消え易し
茅屋傾樽眠自久 茅屋樽を傾けて 眠自ずと久しく
翌晨銀界視還遥 翌晨銀界 視る還た遥かなり
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眼前碧水渺寒波 眼前の碧水 寒波渺たり
枯葉孤舟一釣蓑 枯葉の孤舟 一釣の蓑
流墨冥蒙天暗合 墨を流して冥蒙 天暗に合し
洲汀宿鷺雪相和 洲汀の宿鷺 雪相い和す
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霜夜陰凝風雪飄 霜夜陰凝り 風雪飄り
寒林江冷響蕭蕭 寒林江冷にして 響蕭蕭たり
捲簾裂膚瓶花醒 簾を捲けば膚を裂き 瓶花醒め
書裡烹茶鼎薬潮 書裡茶を烹る 鼎薬潮す
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短日繊繊雨到簷 短日繊繊と 雨簷に到り
重雲暗暗北山尖 重雲暗暗と 北山尖る
衰翁温酒敲氷煮 衰翁酒を温んと 氷を敲て煮て
新鬼孤墳漉水添 新鬼孤墳に 水を漉して添える
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凍枕重綿寒夜眠 凍枕綿を重ね 寒夜に眠る
三更爐火冷無烟 三更に爐火 冷にして烟無し
霜風破壁蓬窓夢 霜風壁を破る 蓬窓の夢
月白晨星欲暁天 月白く晨星 暁んと欲する天
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月到皚皚夜既闌 月到り皚皚と 夜既に闌なり
霜侵灯下襲衰残 霜は灯下を侵し 衰残を襲う
肌膚徹骨岩岩痩 肌膚骨に徹し 岩岩として痩せ
飛絮穿窓瑟瑟寒 飛絮は窓を穿て 瑟瑟として寒し
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銀界皚皚雪圧梅 銀界皚皚と 雪は梅を圧し
江村四望絶塵埃 江村四望すれば 塵埃絶す
回風冽冽寒威切 回風冽冽と 寒威切に
火閤凄凄火已灰 火閤凄凄と 火は已に灰なり
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脈脈山陰不見人 脈脈たる山陰に 人を見ず
紛紛薄雪総如銀 紛紛たる薄雪 総て銀の如し
南枝饑雀翩翻集 南枝に饑雀 翩翻と集り
破蕾縦香次第春 蕾を破り香を縦ち 次第に春なり
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残夜空窓霜気清 残夜空窓 霜気清く
一庭月冷報暁聲 一庭月冷かに 暁を報じる聲
悄然孤坐眠難就 悄然孤坐すれば 眠就き難く
風死雲収天欲明 風死に雲収って 天は明けんと欲す
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尺雪枯林寒色深 尺雪の枯林 寒色深く
松涛惨凄夜沈沈 松涛惨凄 夜沈沈たり
誰憐寂漠四隣静 誰か寂漠を憐み 四隣静かに
月白山頭聴梵音 月は山頭に白く 梵音を聴く
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雲収東白月華窺 雲収り東白み 月華窺う
天曙稜稜寒裂肌 天曙稜稜と 寒肌を裂く
百読啓蒙凡眼識 百読啓蒙は 凡眼の識
余生幾莫自心知 余生幾莫ぞ 自心知る
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凍影梅花千里堤 凍影梅花 千里の堤
江村曙色報晨鶏 江村曙色 晨を報じる鶏
無才遁世丹心破 才無く世を遁れ 丹心破れ
貧賤沈淪皓首啼 貧賤沈淪 皓首啼く
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戸内寒侵落燼重 戸内寒侵し 落燼重なり
若人失職厳寒冬 若人職を失う 厳寒の冬
無能宰相幾時変 無能な宰相 幾時か変わり
狡吏官辞安可従 狡吏官辞 安んぞ従う可き
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大寒凍殺古江東 大寒凍殺す 古江の東
皎皎長空月中弓 皎皎たる長空に 月中弓なり
沸沸鼎啼茶乳白 沸沸と鼎は啼き 茶乳白く
置薪宿火地爐紅 薪を宿火に置いて 地爐紅なり
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帝都神杜動寒香 帝都の神杜に 寒香動き
集会湖堂両鬢霜 湖堂に集会す 両鬢の霜
共祝健康空美酒 共に健康を祝い 美酒空しくし
長存言笑薦嘉魴 長存言笑 嘉魴を薦む
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美酒
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痩骨新年特地寒 痩骨新年 特地に寒く
塵紛終歳遇時難 塵紛の終歳 時に遇うは難し
駆回窮鬼頗多事 駆け回る窮鬼 頗る事多く
自笑老懐殊少歓 自笑し老懐 殊に歓少し
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一月奇寒春峭然 一月奇寒 春峭然
闍癆酔枕書眠 闍癆酔し 書を枕に眠る
水仙今夜香和月 水仙今夜 香月に和し
橘柚酣黄色帯煙 橘柚酣黄 色煙を帯ぶ
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地裂天寒緑未斉 地裂け天寒く 緑未だ斉ならず
隆冬夜永凍禽啼 隆冬夜永 凍禽啼く
沈沈燭盡残燈暗 沈沈と燭盡き 残燈暗く
回首銀花酔眼迷 首を回せば銀花 酔眼迷う
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一月春辰翰墨娯 一月春辰 翰墨の娯み
新年嘉会命也夫 新年嘉会 命なるかな
傾觴共飲新釀酒 觴を傾け共に飲む 新釀酒
談笑相親小火爐 談笑相い親しむ 小火爐
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江村開暦喜時平 江村開暦 時の平なるを喜び
晨賀屠蘇懶入城 晨賀屠蘇 城に入るに懶し
微暖黄鶯回凍舌 微暖黄鶯 凍舌を回し
臘梅枝上作春聲 臘梅枝上 春の聲を作す
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蒼霊餞旧歳時遷 蒼霊旧を餞し 歳時遷り
紫嶽迎新生凍烟 紫嶽新を迎へ 凍烟生ず
老骨白頭無冗食 老骨白頭 冗食無く
泰平青眼革荒年 泰平青眼 荒年を革む
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千門萬戸帝城春 千門萬戸 帝城の春
爆竹聲中気候新 爆竹聲中 気候新なり
九陌東君催節物 九陌東君 節物を催し
黄鶯梅柳助精神 黄鶯梅柳 精神を助く
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春風送暖気佳哉 春風暖を送って 気佳き哉
白髪欣然戴酒来 白髪欣然と 酒を戴せ来る
笑語清談無棄物 笑語清談 棄物無く
平時老過用非才 平時老過ぎ 非才を用う
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律転鴻均春正帰 律鴻均を転じ 春正に帰り
鶏聲凍雀媚晴暉 鶏聲凍雀 晴暉に媚ぶ
生涯微禄心無累 生涯微禄 心に累無く
不遂時流世有機 時流を遂ず 世に機有り
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千門祝賀立春時 千門祝賀 立春の時
宿酔今朝両鬢知 宿酔今朝 両鬢知る
村家梅花如有待 村家の梅花 待つ有る如く
東君淑気更無私 東君の淑気 更に私無し
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千里春風四海同 千里春風 四海同じ
一朝暁色五雲中 一朝暁色 五雲の中
三元送暖祥光合 三元暖を送りて 祥光合し
萬戸昇平瑞気通 萬戸昇平 瑞気通ず
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