窮秋尋寺問村翁 窮秋寺を尋ね 村翁に問う
犬吠荒田牛背童 犬吠え荒田に 牛背の童
塵外晩楓紅黯淡 塵外の晩楓 紅黯淡
階前橘柚翠玲瓏 階前の橘柚 翠玲瓏たり
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一庭残菊月光寒 一庭残菊に 月光寒く
石路山楓霜葉丹 石路山楓 霜葉丹し
清夜杪秋煙欲瞑 清夜杪秋 煙瞑せんと欲し
涼天冷意露初薄 涼天冷意 露初薄たり
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際晩江村野色昏 際晩の江村 野色昏く
風霜落葉月侵門 風霜葉を落して 月は門を侵す
孤愁雲影難成酔 孤愁雲影 酔を成し難く
清夢秋情易断魂 清夢秋情 魂を断じ易し
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老樹梧桐落葉稠 老樹梧桐 落葉稠し
江村蕎実帯霜収 江村蕎実 霜を帯びて収む
東籬白露寒饒柿 東籬白露 寒は柿を饒し
北岸黄楓入晩秋 北岸黄楓 晩秋に入る
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夜来蕭蕭宿雨収 夜来蕭蕭 宿雨収まり
哀蛩切切雁南游 哀蛩切切 雁南游す
柳衰露白楼前暁 柳衰え露白く 楼前の暁
菊老楓紅酒裏秋 菊老い楓紅く 酒裏の秋
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江城冷雨夜燈寒 江城冷雨 夜燈寒く
際晩凄風獨自嘆 際晩凄風 獨り自から嘆ず
対岸林疎煙欲瞑 対岸林疎 煙瞑せんと欲し
空山靄靄暮鐘残 空山靄靄 暮鐘残す
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林疎衰柳露華凝 林疎の衰柳に 露華凝り
水落池荷冷欲氷 水落ち池荷 冷氷らんと欲す
北岸秋霜迷白草 北岸の秋霜に 白草迷い
波心夕照爛紅菱 波心の夕照に 紅菱爛たり
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蒼天欺鏡碧山隈 蒼天鏡を欺く 碧山の隈
老樹風生紅葉堆 老樹風生じ 紅葉堆し
時序中年蓬鬢改 時序中年 蓬鬢改り
孤愁月白菊花開 孤愁月白く 菊花開く
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空江日落暮山昏 空江日落ちて 暮山昏く
郁郁果香橘柚園 郁郁と果香る 橘柚の園
切切候虫何處去 切切たり候虫 何處に去り
蕭蕭残月過寒村 蕭蕭たり残月 寒村を過ぐ
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寂漠林梢夜雨聲 寂漠たる林梢に 夜雨の聲
蕭條石徑白沙明 蕭條たる石徑に 白沙明なり
天風掃盡葉辞樹 天風掃き盡して 葉は樹を辞し
山晩秋江霜満城 山晩れ秋江 霜城に満つ
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莫道今世一枯栄 道う莫れ今世 一枯の栄えと
豈知火宅奈斯情 豈に知らんや火宅 斯の情を奈せん
何如離恨三年隔 何如せん離恨 三年隔り
借問征衣萬里行 借問す征衣 萬里行くを
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数聲秋雁夜窓空 数聲秋雁 夜窓空しく
耽酒離憂不読書 酒に耽り離憂 書を読まず
一片仙雲郷使到 一片の仙雲 郷使到り
菊花時節旧交疎 菊花の時節 旧交疎なり
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三秋君始贈詩文 三秋君始めて 詩文を贈る
一代功名海内聞 一代の功名 海内に聞ゆ
霜信西山低短日 霜信西山に 短日低く
雁聲此夕惨寒雲 雁聲此夕 寒雲惨たり
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富貴功名果是非 富貴功名 果して是か非か
清闊､画解朝衣 清濶謔愛し 朝衣を解く
生涯反骨貧中畢 生涯反骨 貧中に畢り
得意含杯酔裡帰 得意杯を含んで 酔裡に帰る
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迢迢分袂不勝悲 迢迢袂を分け 悲しみに勝えず
子能求官何処之 子能く官を求て 何処にか之く
傷別空留吾欲老 別を傷んで空く留む 吾老んと欲す
橋頭折柳問帰期 橋頭柳を折って 帰期を問う
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高雄神護又登臨 高雄神護に 又登臨す
一帯群林満地金 一帯の群林 満地金なり
石磴嵯峨紅葉老 石磴嵯峨にして 紅葉老い
青山丹嶂白雲深 青山丹嶂 白雲深し
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禅宮何処問樵翁 禅宮何れの処かと 樵翁に問う
指示深山古寺楓 指示する深山 古寺の楓
紅葉欺春秋色裡 紅葉春を欺く 秋色の裡
香雲染出夕陽中 香雲染め出す 夕陽の中
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一段西山落葉稠 一段と西山 落葉稠し
丹楓如染夕陽収 丹楓染めるが如く 夕陽収まる
長天千里黄雲暮 長天千里 黄雲の暮
煙浦霜余白樹秋 煙浦霜余 白樹の秋
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白雲落處吐青煙 白雲落る處 青煙を吐き
黒水流時夜寂然 黒水流る時 夜寂然たり
霜信江村梧葉雨 霜信の江村 梧葉の雨
雁聲断腸菊花天 雁聲断腸 菊花の天
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斜陽照眼竹橋東 斜陽眼を照す 竹橋の東
敗葉侵階落日中 敗葉階を侵す 落日の中
萬壑似雲紅爛漫 萬壑雲に似て 紅爛漫
露荷如水碧玲瓏 露荷水の如く 碧玲瓏
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千枝染出洗愁顔 千枝染出で 愁顔を洗い
月影蕭條照遠山 月影蕭條と 遠山を照らす
古寺松聲風浩浩 古寺松聲 風浩浩
谷深翠壁水潺潺 谷深く翠壁に 水潺潺
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秋風葉落対残霞 秋風葉落ち 残霞に対す
万里悲愁両鬢華 万里悲愁 両鬢の華
孤獨老懐消濁酒 孤獨老懐 濁酒に消し
高吟痛飲見黄菊 高吟痛飲し 黄菊を見る
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異郷獨在夕陽舂 異郷獨在りて 夕陽舂く
旧故今宵逆旅逢 旧故今宵 逆旅に逢う
離別何年重九日 離別何の年か 重九の日
共看白髪涕沾胸 共に白髪を看て 涕胸を沾す
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秋社蜻蜒歡歡飛 秋社蜻蜒 歡歡と飛び
闍曙g酒叩柴扉 闍庶を携え 柴扉を叩く
千茎馥郁多黄菊 千茎馥郁と 黄菊多く
晩節無為望白衣 晩節無為 白衣を望む
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霜信収蕎紅葉村 霜信蕎を収む 紅葉の村
寒林疎雨脱塵煩 寒林疎雨 塵煩を脱す
荒籬菊老三間屋 荒籬菊老ゆ 三間の屋
野逕荷枯一畝園 野逕荷枯る 一畝の園
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晩節長江日易移 晩節の長江 日移り易く
白衣遊子酔東籬 白衣の遊子 東籬に酔う
一庭黄菊寒花発 一庭の黄菊 寒花発し
蟋蟀啾啾秋草萎 蟋蟀啾啾と 秋草萎む
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秋風飛葉暮煙封 秋風葉を飛して 暮煙封じ
江上蒼蒼紫翠重 江上に蒼蒼と 紫翠重る
吟酔垂翁傷半白 吟酔の垂翁 半白を傷み
荒籬郁郁菊香濃 荒籬に郁郁と 菊香濃なり
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翠微山径北風吹 翠微山径に 北風吹き
紅錦林梢日影移 紅錦林梢に 日影移る
白露草衰秋水逝 白露草衰えて 秋水逝き
黄昏夕景夜燈知 黄昏夕景 夜燈知る
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風吹波浪釣船帰 風吹いて波浪 釣船帰り
橘柚連枝秋正肥 橘柚枝に連り 秋正に肥える
堤畔寒林黄葉満 堤畔の寒林に 黄葉満ち
長江碧水白雲飛 長江の碧水に 白雲飛ぶ
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塵外微微何処鐘 塵外微微と 何処の鐘
斜陽淡淡入雲峰 斜陽淡淡と 雲峰に入る
只疑白髪幾時変 只だ疑う白髪 幾時か変ず
借問丹心安可従 借問す丹心 安にか従う可き
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