雨過江村緑四圍 雨江村を過ぎ 緑四圍
惜春滴血夢魂飛 惜春血を滴して 夢魂飛ぶ
一聲腸断愁難盡 一聲腸断ち 愁い盡き難く
永遂悲風望不帰 永く悲風を遂って 望めど帰らず
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野水濺濺翠欲流 野水濺濺 翠流れんと欲し
農忙田叟叱耕牛 農忙田叟 耕牛を叱る
噪蛙帯雨梅初熟 噪蛙雨を帯び 梅初めて熟し
迷燕啼雲麦已秋 迷燕雲に啼いて 麦已に秋なり
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江天漠漠望迢迢 江天漠漠 望迢迢
柳渚游魚抜波驕 柳渚游魚 波を抜いて驕る
槐夏老鶯依緑水 槐夏老鶯 緑水に依り
麦秋雲雀上青霄 麦秋雲雀 青霄に上がる
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浮雲夕照海濤翻 浮雲夕照 海濤翻り
撫頬潮風春有痕 頬を撫る潮風 春痕有り
沈没波間消白日 波間に沈没し 白日消え
双鴎聲遠送黄昏 双鴎聲遠く 黄昏を送る
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江潭五月雨餘天 江潭五月 雨餘の天
如灼深紅榴火燃 灼くが如く深紅 榴火燃え
門外橘花春寂寂 門外橘花 春寂寂
樹陰滴翠草千千 樹陰滴翠 草千千
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江村五月燕泥喃 江村五月 燕泥喃たり
雨後幽篁竹筍甘 雨後幽篁に 竹筍甘し
緑樹紫峰晴照黛 緑樹紫峰 晴黛を照し
薫風野水暁澄藍 薫風野水 暁藍を澄ます
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田頭新緑稲粱肥 田頭新緑 稲粱肥え
水殿闥熬ｷ蕨薇 水殿闥焉@蕨薇長ず
乳燕飄飄雲漠漠 乳燕飄飄と 雲漠漠
啼蛙閣閣雨霏霏 啼蛙閣閣と 雨霏霏
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江澤五月麦雲秋 江澤五月 麦雲の秋
頃刻陰晴喚雨鳩 頃刻陰晴 雨を喚ぶ鳩
竹裡脩脩新翠滴 竹裡脩脩と 新翠滴り
橋西一望水悠悠 橋西より一望すれば 水悠悠たり
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樹暗草深榴火焼 樹暗く草深く 榴火焼け
残紅落盡太無聊 残紅落ち盡して 太だ無聊
梅黄爛熟春光去 梅黄爛熟 春光去り
夕照蕭蕭夢已消 夕照蕭蕭 夢已に消ゆ
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五月江澤翠接天 五月江澤 翠天に接し
水田渺渺漲前川 水田渺渺 前川漲る
老鶯聲遠随鴎去 老鶯聲遠く 鴎に随って去り
清昼蕭然被酒眠 清昼蕭然 酒を被って眠る
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絹水春過暑気微 絹水春過ぎ 暑気微なり
南風乳燕掠軒飛 南風乳燕 軒を掠めて飛ぶ
窓前高架藤花落 窓前高架 藤花落ち
雨後幽篁早筍肥 雨後幽篁 早筍肥ゆ
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首夏槐陰座水軒 首夏槐陰 水軒に座す
田翁茶味食龍孫 田翁茶味 龍孫を食う
渚汀喚雨蛙争衆 渚汀雨を喚んで 蛙争って衆り
路上黄昏雀自喧 路上黄昏に 雀自ら喧し
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春深古道午風軽 春深く古道に 午風軽く
為惜荒城遊子情 為に惜む荒城 遊子の情
砕紫藤枝繊有影 砕紫の藤枝 繊として影有り
空思懶鳥寂無聲 空しく思う懶鳥 寂として聲無し
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将暮残春不少留 将に暮れんとす残春 少しも留らず
浮英流去水悠悠 英を浮べて流去る 水悠悠
花衰紅薬駐香艶 花衰え紅薬 香を駐めて艶に
鶯老緑陰綻雨稠 鶯老い緑陰 雨を綻びて稠し
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緑水疎林花乱飛 緑水疎林 花乱れ飛び
清渓寂寂惜春帰 清渓寂寂 春の帰るを惜しむ
牽愁落日依峯盡 愁を牽いて落日 峯に依って盡き
結恨鶯聲隔澗微 恨を結ぶ 鶯聲澗を隔てて微なり
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江村路上掃花僮 江村の路上に 花を掃く僮
愁態午陰春欲空 愁態の午陰 春空からんと欲す
知也緑桑開為雨 知也緑桑 開くは雨の為なり
窓前紅薬落因風 窓前の紅薬 落るは風に因る
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留春夕照暮雲収 春を留めて夕照 暮雲収まり
池苑城樓秉燭遊 池苑城樓 燭を秉って遊ぶ
恨満枝枝難結夢 恨は枝枝に満ち 夢結び難く
眼随片片却牽愁 眼片片に随って 却って愁いを牽く
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繚乱為誰花満城 繚乱誰が為に 花城に満つ
南薫首夏麦宣晴 南薫首夏 麦晴れに宣し
紅垂庭薬無風落 紅垂れ庭薬 風無くして落ち
緑暗田蛙欲雨鳴 緑暗く田蛙 雨を欲して鳴く
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五月長江水拍堤 五月長江 水堤を拍ち
乱飛燕子啄春泥 乱飛す燕子 春泥を啄む
清香千紫惟藤架 清香千紫 惟だ藤架
冷艶嬌紅是薬畦 冷艶嬌紅 是れ薬畦
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将暮残陽映晩霞 将に暮んとして残陽 晩霞に映ず
営巣飛燕乱如麻 巣を営す飛燕 乱れて麻の如し
緑深黄蝶迷芳草 緑深く黄蝶 芳草に迷い
古寺朱欄怨落花 古寺朱欄 落花を怨む
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暮春愁態鳥聲中 暮春愁態 鳥聲の中
蝶恨花王舞乱風 蝶は恨む花王 乱風に舞う
麦秀江山千黛翠 麦秀で江山 千黛翠に
緑深夢裡萬枝紅 緑深まり夢裡 萬枝紅なり
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江城寂寂午風微 江城寂寂 午風微なり
春昼花衰緑正肥 春昼花衰え 緑正に肥ゆ
紅散蜂児無限恨 紅散じ蜂児 無限の恨
啣泥燕子掠簷飛 泥を啣んで燕子 簷を掠めて飛ぶ
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