老樹風生錦繍堆 老樹風生じ 錦繍堆し
空江寒至草紅摧 空江寒至り 草紅に摧く
黄花陽月秋霜早 黄花の陽月 秋霜早く
丹葉立冬気候催 丹葉の立冬 気候催す
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江村西岸夕陽収 江村の西岸に 夕陽納まり
時序速遷逢暮秋 時序速遷 暮秋に遭う
黄葉悲風慵貰酒 黄葉悲風 酒を貰るに慵く
白頭惆悵倦登樓 白頭惆悵 樓に登るに倦く
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疎疎残菊凛如氷 疎疎たる残菊 凛として氷の如く
秋杪空留露欲凝 秋杪空く留む 露は凝らんと欲す
烈烈霜威迷白草 烈烈たる霜威 白草迷い
凄凄夜雨打寒燈 凄凄たる夜雨 寒燈を打つ
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老樹風生暮景寒 老樹風生じ 暮景寒し
空江日落帯愁看 空江日落ち 愁を帯びて看る
孤城林影枝枝痩 孤城の林影 枝枝痩せ
一幅秋光葉葉丹 一幅の秋光 葉葉丹し
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水碧東籬落葉繁 水碧東籬に 落葉繁し
林疎北岸夕陽村 林疎北岸 夕陽の村
柑枝黄玉秋風動 柑枝黄玉に 秋風動き
柿樹丹垂鳥雀喧 柿樹丹垂れ 鳥雀喧なり
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窓外窮秋紅葉堆 窓外は窮秋 紅葉堆し
寒風吹入委塵埃 寒風吹入れ 塵埃に委す
冷雲氷雨滴還歇 冷雲氷雨 滴て還た歇み
霜圃黄花捲復開 霜圃の黄花 捲て復た開く
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銀杏寒風葉已疎 銀杏に寒風 葉已に疎
碧空孤樹轉凄如 碧空に孤樹 轉た凄如
雁聲傷別一壺酒 雁聲別を傷み 一壺の酒
霜露燭光千卷書 霜露燭光 千卷の書
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錦繍江邊遠送君 錦繍の江邊 遠く君を送る
晩紅吹盡思紛紛 晩紅吹き盡し 思紛紛たり
孤高如骨秋天樹 孤高骨の如き 秋天の樹
白髪黄昏日暮雲 白髪に黄昏 日暮の雲
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莫道秋江不忍離 道う莫れ 秋江離るるに忍びずと
今宵更盡葡萄卮 今宵更に盡せ 葡萄の卮
壮心憂時倶耽酒 壮心時を憂て 倶に酒に耽り
白髪看書共愛詩 白髪書を看て 共に詩を愛す
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翠水秋深紅葉飛 翠水秋深く 紅葉飛び
学成業遂送君帰 学成り業遂げ 君が帰るを送る
生来怠惰功名薄 生来怠惰 功名薄く
多恨何時心事違 多恨何の時か 心事違う
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一帯紅雲錦繍林 一帯紅雲 錦繍の林
丹楓如染夕陽沈 丹楓染まるが如く 夕陽沈む
江邊皎月兼天湧 江邊に皎月 天と兼に湧き
秋水沙禽接地陰 秋水の沙禽 地に接して陰る
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獨看橘柚雨聲酸 獨り橘柚を看 雨聲酸たり
郷思無聊立夜蘭 郷思無聊 夜蘭に立つ
霜葉臙脂連竹暗 霜葉臙脂 竹に連て暗く
秋霖滴滴洒燈寒 秋霖滴滴 燈に洒で寒し
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白雲流処思悠悠 白雲流る処 思悠悠
黄葉疎林已暮秋 黄葉の疎林 已に暮秋
翠壁嵯峨山骨痩 翠壁嵯峨とし 山骨痩せ
蒼苔露染水痕収 蒼苔露に染り 水痕収る
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浄閣晩鐘墟裡烟 浄閣晩鐘 墟裡の烟
松風颯颯菊花天 松風颯颯 菊花の天
黄昏墜葉清霜後 黄昏墜葉 清霜の後
塔影紅楓落照前 塔影紅楓 落照の前
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霜月粧成錦繍楓 霜月粧成る 錦繍の楓
欺春染出満山紅 春を欺いて染め出し 満山紅なり
晩鐘斜雁秋雲外 晩鐘斜雁 秋雲の外
翠壁長江暮靄中 翠壁長江 暮靄の中
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丹楓如染晩紅山 丹楓染むるが如き 晩紅の山
遠上禅堂午院 遠く禅堂に上れば 午院閧ﾈり
唯聴松風人寂寂 唯松風を聴き 人寂寂
谷深啄実鳥関関 谷深く実を啄み 鳥関関
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江邊氷雨打残荷 江邊氷雨 残荷を打つ
方是晩秋愁緒多 方に是れ晩秋 愁緒多し
一日西風吹故葉 一日西風 故葉を吹き
疎燈浙瀝浄寒沙 疎燈浙瀝 寒沙浄し
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悲秋晩景割愁腸 悲秋晩景 愁腸を割く
遍挿金英入酔郷 遍に金英を挿し 酔郷に入る
林葉紅黄人易老 林葉紅黄 人老い易く
雁書不至恨空長 雁書至らず 恨空く長し
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赤糸蜻蛉欣欣飛 赤糸の蜻蛉 欣欣と飛び
残秋散策露沽衣 残秋散策すれば 露衣を沽す
新霜菊老迎寒色 新霜菊老い 寒色を迎え
敗葉桐枯暗落暉 敗葉桐枯れ 落暉暗し
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毎逢佳節涙雙垂 佳節に逢う毎に 涙雙垂れ
獨在他郷老大悲 獨り他郷に在るを 老大悲しむ
黄色菊花盃酒用 黄色の菊花は 盃酒の用
白霜更置鬢毛知 白霜更に置くを 鬢毛知る
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孤雲紅染夕陽斜 孤雲紅に染り 夕陽斜めなり
幽菊清香秋気加 幽菊清香 秋気加わる
明月照沙欺白髪 明月沙を照して 白髪を欺き
疏燈寂漠負黄花 疏燈寂漠として 黄花に負く
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天高雁落白雲峰 天高く雁落る 白雲の峰
東圃秋香黄菊濃 東圃秋香 黄菊濃なり
月出水寒流敗葉 月出で水寒く 敗葉を流し
庭燈相競集鳴蛩 庭燈に相競て 鳴蛩集まる
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晩秋旧府暮鐘微 晩秋の旧府 暮鐘微なり
馥郁菊花香入衣 馥郁たる菊花 香衣に入る
遊行西山依盡酔 西山に遊行し 依て酔を盡し
丹楓如染共忘帰 丹楓染むるが如く 共に帰るを忘る
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高楼眼下幾村村 高楼眼下に 幾村村
隴畝秋郊細菊繁 隴畝秋郊 細菊繁し
渺渺長江横紫翠 渺渺たる長江 紫翠横え
痩林飢鳥破黄昏 痩林の飢鳥 黄昏を破る
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黄菊疎疎傍竹籬 黄菊疎疎と 竹籬に傍い
紅楓樹下草離離 紅楓樹下 草離離たり
百年多病驚衰髭 百年多病 衰髭に驚き
一句吟情入小詩 一句吟情 小詩に入る
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梧桐葉落帯秋容 梧桐葉落ち 秋容を帯ぶ
雲白天高開鬱胸 雲白く天高く 鬱胸を開く
冷露荷枯常寂漠 冷露荷枯れ 常に寂漠
荒籬菊老暮煙濃 荒籬菊老い 暮煙濃なり
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鱗雲紅染夕陽斜 鱗雲紅に染り 夕陽斜めなり
白雪如欺蕎麦花 白雪欺くが如き 蕎麦の花
吐月晩林千葉散 月を吐く晩林 千葉散り
江邊一枝立飢鴉 江邊一枝に 飢鴉立つ
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霜月江村露菊香 霜月江村 露菊香り
天高秋野暮雲長 天高く秋野に 暮雲長し
翁帰煙圃寒蕪白 翁帰り煙圃に 寒蕪白く
柿熟柴門落照黄 柿熟し柴門に 落照黄なり
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