玉露凋傷霜葉丹 玉露凋傷 霜葉丹なり
江間波浪竹叢寒 江間波浪 竹叢寒し
晴空碧水荷初盡 晴空碧水 荷初て盡き
小径荒籬菊半残 小径の荒籬 菊半ば残す
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漠漠江城垂柳邊 漠漠たり江城 垂柳の邊
人煙寒柚夕陽天 人煙柚寒く 夕陽の天
霜林紅葉酔秋色 霜林紅葉 秋色に酔い
明月白雲鳴夜絃 明月白雲 夜絃を鳴す
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江邊終日雨凄凄 江邊終日 雨凄凄
烟霧疎林宿雁啼 烟霧疎林に 宿雁啼く
夜冷不知寒傍水 夜冷知らず 寒水に傍い
暮雲淅瀝晩成泥 暮雲淅瀝 晩泥を成す
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秋霖此夕打窓寒 秋霖此夕 窓を打って寒し
病葉菊花香亡残 病葉の菊花 香亡に残す
燈下吟詩吹管楽 燈下詩を吟じ 管楽を吹く
老親遥想厭杯盤 老親遥に想て 杯盤を厭う
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江邊葉落暮雨過 江邊葉落ち 暮雨過ぎ
積潦蕭然奈老何 積潦蕭然と 老いを何せんや
骨肉無音愁共結 骨肉音無く 愁共に結び
平生孤枕涙同多 平生孤枕 涙同く多し
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沿階滴滴雨聲悲 階に沿て滴滴 雨聲悲し
江上陰雲一葉衰 江上陰雲 一葉衰う
夜来寒侵驚歳暮 夜来寒侵し 歳の暮るるに驚き
無衣抱枕恨明遅 無衣枕を抱て 明の遅きを恨む
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雁聲響月更凄涼 雁聲月に響き 更に凄涼
郷夢綿綿両鬢霜 郷夢綿綿たり 両鬢の霜
虫韻秋風侵病骨 虫韻秋風 病骨を侵し
寒燈夜雨咽愁腸 寒燈夜雨 愁腸に咽ぶ
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空林紅染暮迢迢 空林紅く染り 暮迢迢
碧宇天高北斗遥 碧宇天高く 北斗遥なり
吐月遠山還耿耿 月を吐て遠山 還た耿耿
闥露下已蕭蕭 闥露下 已に蕭蕭
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江山清絶月華新 江山清絶 月華新に
漏屋貧窮無一塵 漏屋貧窮 一塵無し
夜永看書吾獨老 夜永書を看て 吾獨り老い
燈前寒几自相親 燈前寒几 自ら相い親む
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猿聲響月不堪聞 猿聲月に響いて 聞くに堪えず
回顧丹心半世勤 回顧す丹心 半世の勤め
別恨深沈応識我 別恨深沈 応に我を識る
帰期展転始憐君 帰期展転 始て君を憐む
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寂寂空山落葉聲 寂寂たる空山 落葉の聲
疎林宿鳥響丁丁 疎林宿鳥 響丁丁
孤吟憂時丹心苦 孤吟時を憂いて 丹心苦み
多病思郷白髪明 多病郷を思いて 白髪明なり
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無官酒薄泣窮途 無官酒薄く 窮途に泣き
性惰貧交恨莫倶 性惰に貧交 倶の莫きを恨む
夢繞漂遊雙倦脚 夢繞り漂遊す 雙倦脚
鬢絲垂地一痩儒 鬢絲地に垂る 一痩儒
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江邊深夜雨聲寒 江邊深夜 雨聲寒く
郷思不堪愁更酸 郷思堪えず 愁更に酸たり
孤寂吟詩無皓魄 孤寂詩を吟ずるも 皓魄無く
残燈罷酒減清歓 残燈酒を罷め 清歓を減ず
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零露昏昏葉葉凋 零露昏昏 葉葉凋し
江村夜雨響蕭蕭 江村夜雨 響蕭蕭
庭叢蟋蟀聲悲壮 庭叢の蟋蟀 聲悲壮
階下疎燈影動揺 階下の疎燈 影動揺す
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露下天高秋気清 露下天高く 秋気清く
空山獨夜寂無聲 空山獨夜 寂として聲無し
疎林颯颯葉辞樹 疎林颯颯として 葉は樹を辞し
新月凄涼霜満城 新月凄涼として 霜は城に満つ
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霜草蒼蒼野景荒 霜草蒼蒼 野景荒れ
蟲聲切切断人腸 蟲聲切切 人腸を断つ
空庭皎皎孤秋月 空庭皎皎たり 孤秋の月
帰夢綿綿両鬢霜 帰夢綿綿たり 両鬢の霜
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一天冷朧月蒼蒼 一天冷朧 月蒼蒼
四面空庭霜葉黄 四面空庭 霜葉黄なり
白露銀光千樹細 白露は銀光 千樹細り
木犀金実十分香 木犀金実り 十分香し
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霜野江光露菊香 霜野江光り 露菊香る
寒衣散策更凄涼 寒衣散策 更に凄涼
梧桐廃葉無時下 梧桐の廃葉 時無くして下り
空外秋聲盡意長 空外秋聲 意を盡して長し
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満目蕎花萬象秋 満目蕎花 萬象秋なり
孤舟垂釣大江流 孤舟釣を垂れ 大江流る
晴空一鶴叫寒水 晴空一鶴 寒水に叫ぶ
叢菊両開生遠愁 叢菊両開 遠愁を生ず
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両岸叢枯水接空 両岸叢枯れ 水は空に接す
梧桐落葉正秋中 梧桐葉落ち 正に秋中
飢鴉孤月林巒出 飢鴉孤月 林巒を出で
皎皎江村禾稲空 皎皎たる江村 禾稲空し
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夕陽沈沈至昏鴉 夕陽沈沈 昏鴉に至る
紫岳紅染隔暮霞 紫岳紅に染り 暮霞を隔つ
農叟収蕎嘆白髪 農叟蕎を収め 白髪を嘆き
老婆刈稲負黄花 老婆稲を刈り 黄花に負く
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玉露凋傷雨後峰 玉露凋傷 雨後の峰
江間波浪濁流重 江間波浪 濁流重る
白雲碧水秋光淡 白雲碧水 秋光淡く
気爽清貧老更濃 気爽に清貧 老て更に濃なり
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江上陰雲雨露滋 江上陰雲 雨露滋し
為誰切切草虫悲 誰が為に切切と 草虫悲しむ
夢魂惆悵花萎日 夢魂惆悵す 花の萎む日
郷思浮沈葉砕時 郷思浮沈す 葉の砕くる時
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日落長沙秋暮天 日落ち長沙 秋暮の天
寂寥深夜思蕭然 寂寥深夜 思蕭然たり
寒風吹葉空欹枕 寒風葉を吹き 空しく枕を欹て
秋雨侵階徒自憐 秋雨階を侵し 徒に自ら憐む
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橘柚放香秋未深 橘柚香を放ち 秋未だ深からず
碧空紅焼夕沈沈 碧空紅に焼け 夕沈沈たり
薄衣白髪悲年老 薄衣の白髪 年老を悲しみ
万感黄昏獨自斟 万感黄昏に 獨り自ら斟む
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暮雨千家寂漠中 暮雨千家 寂漠の中
秋風万里路西東 秋風万里 路西東
雲迷満地吹稠葉 雲迷い満地 稠葉を吹く
月泣空天落断鴻 月泣き空天に 断鴻落つ
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梨圃江村未剪禾 梨圃の江村 未だ禾を剪らず
蕭然小雨打残荷 蕭然と小雨 残荷を打つ
秋叢蟋蟀催寒近 秋叢の蟋蟀 寒を催して近く
紅糸蜻蛉向晩多 紅糸の蜻蛉 晩に向いて多し
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秋色深深暮雨過 秋色深深と 暮雨過ぎ
寒燈漠漠夜愁多 寒燈漠漠と 夜愁多し
長年病体郷心砕 長年病体 郷心砕け
短髪愚生奈老何 短髪愚生 老いを何せん
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江城飛雁菊花天 江城飛雁 菊花の天
日落長沙落葉前 日落ち長沙 落葉の前
不倦読書能累月 倦まず書を読み 能く月を累ね
辞官自適已多年 官を辞し自適 已に多年
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雁書未届意無聊 雁書未だ届かず 意は無聊
客夢思君愁不消 客夢君を思て 愁消ず
淅淅葉飄風力横 淅淅と葉飄て 風力横り
蕭蕭寂夜雨聲驕 蕭蕭と寂夜 雨聲驕る
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江山清絶帯愁看 江山清絶 愁を帯て看る
橘柚黄蘭香亡残 橘柚黄蘭 香亡に残す
千樹紅斑秋色好 千樹紅斑に 秋色好く
桐飛切切雨聲寒 桐飛び切切と 雨聲寒し
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