2006年11月の自作漢詩


暮秋

雨後西風已暮     雨後の西風 已に暮秋 
窓前落葉使人     窓前の落葉 人をして愁えしむ
蕭蕭永夜空懐旧     蕭蕭と永夜 空しく懐旧 
燈下繙書酔即     燈下書を繙き 酔えば即休む

(赤い字は韻:十一尤   七言絶句仄起式)


残秋

山色残秋落葉     山色は残秋 落葉繁し 
風声鬼哭涙雙     風声鬼哭 涙雙痕
幽人清夜親燈火     幽人清夜 燈火親しむ 
剪燭繙書避世     燭を剪り書を繙き 世喧を避く

(赤い字は韻:十三元   七言絶句仄起式)


高台寺看楓

古寺晩秋錦繍     古寺の晩秋 錦繍の林 
紅雲照処夜沈     紅雲照らす処 夜沈沈
東山座聴清鐘響     東山座して聴く 清鐘の響 
樹下遊人共酔     樹下の遊人 共に酔吟す

(赤い字は韻:十二侵   七言絶句仄起式)


高尾看楓

高峰浄閣満山     高峰の浄閣 満山紅なり 
楓樹錦堆曲径     楓樹錦堆し 曲径通ず
霜葉織成粉可掃     霜葉織り成し 粉として掃う可し 
黄昏颯颯舞秋     黄昏颯颯と 秋風舞う

(赤い字は韻:一東   七言絶句平起式)



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