夕景蒼茫月上岑　　　　　夕景蒼茫　月岑に上り
厳霜漏凍夜寒侵　　　　　厳霜漏凍り　夜寒侵す
帯風市井砧聲急　　　　　風を帯び市井　砧聲急に
皎皎冬天雁影深　　　　　皎皎たる冬天　雁影深し
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乱雲蓋盡夕鐘催　　　　　乱雲蓋い盡し　夕鐘催し
寒気稜稜僧未来　　　　　寒気稜稜　僧未だ来らず
独酌傾樽空寂莫　　　　　独酌樽を傾け　空しく寂莫　
尋香曳杖又徘徊　　　　　香を尋ね杖を曳き　又徘徊す
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檐鈴不動夜深時　　　　　檐鈴動かず　夜深き時
一穂青燈寒裂肌　　　　　一穂青燈　寒肌を裂く
凍月皚皚窓外雪　　　　　凍月皚皚たり　窓外の雪　
重衣呵手読書帷　　　　　衣を重ね手を呵す　読書の帷
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残燈燭盡夢魂驚　　　　　残燈燭盡き　夢魂驚き
雲淡煙流月五更　　　　　雲淡く煙流れ　五更の月
天色戴紅蟠木影　　　　　天色紅を戴き　木影蟠り　
裏庭侵暁起鶏聲　　　　　裏庭暁を侵して　鶏聲起る
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半夜凝陰上下同　　　　　半夜凝陰　上下同じに
一鴻凍殺任東西　　　　　一鴻凍殺　東西に任ず
疎疎氷雨山難白　　　　　疎疎たり氷雨　山白なり難く
暁角残燈火失紅　　　　　暁角の残燈　火紅を失す
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長江暗碧臥蒼龍　　　　　長江暗碧　蒼龍臥し
天色陰陰雪意濃　　　　　天色陰陰　雪意濃なり
山駅蹇驢迷旧径　　　　　山駅の蹇驢　旧径に迷い　
水村凍雀失新蹤　　　　　水村の凍雀　新蹤を失す
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禁城神社卜豊年　　　　　禁城神社に　豊年を卜し
白沙紅氈弄管弦　　　　　白沙紅氈に　管弦を弄ぶ
堂上有神籠瑞気　　　　　堂上神有り　瑞気籠り　
階前無鬼簇祥煙　　　　　階前鬼無く　祥煙簇る
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東風料峭動寒香　　　　　東風料峭　寒香動き
白雪堆堆帯夕陽　　　　　白雪堆堆　夕陽を帯ぶ
駭目枝垂梅影痩　　　　　目を駭し枝垂れ　梅影痩せ　
驚心断腸雁聲長　　　　　心を驚し断腸　雁聲長し
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暖気雲紅夕日西　　　　　暖気雲紅に　夕日西
和風烟紫月高低　　　　　和風烟紫に　月高低
詩人試筆聊樽酒　　　　　詩人筆を試み　聊か樽酒
吟友含杯且杖黎　　　　　吟友杯を含んで　且つ黎を杖す
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今宵雪中賦春寒　　　　　今宵雪中に　春寒を賦し
雅友親盟佳節歓　　　　　雅友親盟す　佳節の歓
享楽人生長不老　　　　　享楽人生　長く老いず　
忘憂共祝忽相看　　　　　忘憂共に祝い　忽ち相い看る
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江汀人影釣濃藍　　　　　江汀の人影　濃藍を釣り
氷鏡投光照水庵　　　　　氷鏡光を投げ　水庵を照らす
禽鳥枯枝休翠羽　　　　　禽鳥は枯枝に　翠羽を休め　
農翁門外摘黄柑　　　　　農翁門外で　黄柑を摘む
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詩名積学本来無　　　　　詩名積学　本来無く
白髪高歌半似愚　　　　　白髪高歌　半ば愚に似たり
古稀健康多慶賀　　　　　古稀にして健康　多く慶賀し　
清樽微酔共歓娯　　　　　清樽微酔　共に歓娯す
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敲窓凍雀似親朋　　　　　窓を敲く凍雀　親朋に似て
銀界稜稜寒気増　　　　　銀界稜稜と　寒気増す
月下詩吟誰共興　　　　　月下詩吟　誰と共に興せん　
燈前飲酒老猶能　　　　　燈前飲酒　老て猶を能くす
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長流蘆岸暮舟休　　　　　長流の蘆岸に　暮て舟休し
回棹上頭凍月浮　　　　　棹を回し頭を上れば　凍月浮かぶ
四面凄凄三尺雪　　　　　四面凄凄たり　三尺の雪　
双翅銀色一沙鴎　　　　　双翅銀色　一沙鴎
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白雪紛紛宿鷺驚　　　　　白雪紛紛　宿鷺驚き
凍雲漠漠大江横　　　　　凍雲漠漠　大江横る
疎林枯樹平沙影　　　　　疎林枯樹　平沙の影
飢餓哀猿断岸聲　　　　　飢餓哀猿　断岸の聲
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長河寂漠渺寒波　　　　　長河寂漠　寒波に渺たり
凍浦冥蒙雪満坡　　　　　凍浦冥蒙　雪は坡に満つ
風浪孤舟終遠去　　　　　風浪に孤舟　終に遠く去り　
天涯帰雁一相過　　　　　天涯に帰雁　一び相過ぐ
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江心宿鷺遂波飄　　　　　江心に宿鷺　波を遂て飄り
天際扁舟乱眼消　　　　　天際に扁舟　眼を乱して消える
凍浦漫漫風雪霽　　　　　凍浦漫漫と　風雪霽れ　
寒沙漠漠漸蕭條　　　　　寒沙漠漠と　漸く蕭條
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銀界狂風勢轉厳　　　　　銀界狂風　勢い轉た厳に
紫峯黯淡有雙尖　　　　　紫峯黯淡と　雙尖有り
今朝凍雀敲氷柱　　　　　今朝凍雀は　氷柱を敲き
夕暮飢鴉就雪簾　　　　　夕暮飢鴉は　雪簾に就く
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麦隴塵埃飛満天　　　　　麦隴の塵埃　飛で天に満ち
紛紛枯葉勿飄然　　　　　紛紛と枯葉　勿ち飄然たり
籬前橘柚含風落　　　　　籬前の橘柚　風を含んで落ち
門外寒椿映日鮮　　　　　門外の寒椿　日に映じて鮮なり
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遠樹糢糊路一條　　　　　遠樹糢糊として　路一條
近隣竹梢響蕭蕭　　　　　近隣の竹梢　響蕭蕭
沙洲迷鷺参差下　　　　　沙洲に迷鷺　参差として下り
白屋飢鴉自在飄　　　　　白屋に飢鴉　自在に飄る
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稜稜徹骨厳寒春　　　　　稜稜と骨に徹す　厳寒の春
寂寂空江不見人　　　　　寂寂たる空江に　人を見ず
載雪紫峯横薄暮　　　　　雪を載いて紫峯は　薄暮に横り　　
無聲凍雁度長津　　　　　聲なく凍雁は　長津を度る
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白屋簾窓月影残　　　　　白屋の簾窓　月影残り
重裘通冷欲眠難　　　　　重裘冷を通し　眠らんと欲して難し
夜闌墨水遅応凍　　　　　夜闌に墨水　遅して応に凍らんとし
油断頭灯滅為寒　　　　　油断ち頭灯　滅して為に寒なり
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裂地飢鴉侵暁来　　　　　地を裂き飢鴉　暁を侵して来たり
開窓銀界絶塵埃　　　　　窓を開れば銀界　塵埃を絶す
簾寒徹骨階前雪　　　　　簾寒く骨に徹す　階前の雪　
凍結曲枝江上梅　　　　　凍結し枝を曲る　江上の梅
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今朝爆竹満春城　　　　　今朝爆竹　春城に満ち
送旧不還無一成　　　　　旧を送って還らず　一成無し
兀座晏如知歳楽　　　　　兀座し晏如　歳の楽きを知り　　
欣然佳気喜時平　　　　　欣然と佳気　時の平なるを喜ぶ
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白頭開暦又逢春　　　　　白頭開暦に　又春に逢い
青眼欣然賽土神　　　　　青眼欣然と　土神に賽す
緑意鶯遷寒色去　　　　　緑意鶯遷り　寒色去り　
紅情梅笑暁光新　　　　　紅情梅笑い　暁光新なり
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一朶春痕在目前　　　　　一朶春痕　目前に在り
三元暖意又晏然　　　　　三元暖意　又晏然たり
捲簾磨墨梅風入　　　　　簾を捲て墨を磨れば　梅風入り
献寿称觴椒酒伝　　　　　寿を献じ觴を称れば　椒酒伝る
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律転鴻鈞風欠威　　　　　律は鴻鈞を転じ　風は威を欠き
千門萬戸媚晴暉　　　　　千門萬戸　晴暉を媚ぶ
鶯遷四始寒猶在　　　　　鶯は四始に遷り　寒猶を在り
梅笑三元春已帰　　　　　梅は三元に笑い　春已に帰る
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今朝餞旧綺窓開　　　　　今朝旧を餞し　綺窓開き
淑気迎新暖又催　　　　　淑気新を迎え　暖又催す
爆竹聲中驚臘盡　　　　　爆竹聲中　臘の盡るに驚き　
東風一朶喜春回　　　　　東風一朶　春の回るを喜ぶ
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千門萬戸五雲中　　　　　千門萬戸　五雲の中
瑞色新年四海同　　　　　瑞色新年　四海同じ
白鬢人生長客夢　　　　　白鬢人生　長く客夢　
朱顔晨賀更春風　　　　　朱顔晨賀　更に春風
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朔旦祥光淑景移　　　　　朔旦祥光　淑景移り
東君開暦見朝曦　　　　　東君暦を開き　朝曦を見る
白頭餞旧痛春色　　　　　白頭旧を餞し　春色を痛み
青眼迎新寄所思　　　　　青眼新を迎へ　所思を寄す
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