枯荷病葉為風摧　　　　　枯荷病葉　風の為に摧かれ
痩菊飄零盡作埃　　　　　痩菊飄零　盡く埃と作る
雲影冬隣庭樹老　　　　　雲影冬隣りて　庭樹老い　
秋情孤雁一聲来　　　　　秋情孤雁　一聲来る
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空江日隠暮山昏　　　　　空江日隠れ　暮山昏く
麦隴天寒水巡村　　　　　麦隴天寒く　水村を巡る
枯樹敲窓風落葉　　　　　枯樹窓を敲いて　風は葉を落し　
新霜凍壁月侵門　　　　　新霜壁を凍らせ　月は門を侵す
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天寒瓶水半成氷　　　　　天寒く瓶水　半ば氷と成り
夕刻昏冥已上燈　　　　　夕刻昏冥　已に燈を上す
窮巷巻塵沽酒客　　　　　窮巷塵を巻き　酒を沽う客　
坊城打石洗衣僧　　　　　坊城石を打ち　衣を洗う僧
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悠悠野鴨漾江流　　　　　悠悠と野鴨は　江流に漾い
颯颯枯桐黄落秋　　　　　颯颯と枯桐は　黄落の秋
老骨痩衰方止酒　　　　　老骨痩衰し　方に酒を止め　
連行騒客亦登楼　　　　　騒客を連行き　亦楼に登る
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晩艶殷紅暮色昏　　　　　晩艶殷紅　暮色昏く
窮秋残菊満寒垣　　　　　窮秋の残菊　寒垣に満つ
北風将落誰家柿　　　　　北風将に落す　誰家の柿
東岸君知何處村　　　　　東岸君知るや　何處の村
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痩骨西山楓錦残　　　　　痩骨の西山に　楓錦残り
空江日落夜偏寒　　　　　空江日落ち　夜偏に寒し
千林葉盡秋塘白　　　　　千林葉盡き　秋塘白く
橘柚霜威実半丹　　　　　橘柚霜威　実半ば丹し
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鏡面長江雁影横　　　　　鏡面の長江に　雁影横り
天寒永夜乱秋聲　　　　　天寒く永夜に　秋聲乱る
葉紅舞散風初切　　　　　葉紅舞い散り　風初て切に
露白弦黄月正明　　　　　露白く弦黄に　月正に明なり
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老樹風生暮色催　　　　　老樹風生じ　暮色催し
空江日落断猿哀　　　　　空江日落ちて　断猿哀し
不開鬱屈関門臥　　　　　鬱屈開かず　門を関じて臥し　
載酒友人蕩漿来　　　　　酒を載せ友人　漿を蕩かして来る
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新霜衰鬢夜窓虚　　　　　新霜の衰鬢　夜窓虚しく
古里帰心附雁魚　　　　　古里帰心　雁魚に附す
悉黒江天三更雨　　　　　悉黒の江天に　三更の雨　
昏藍煙浦一蕭疎　　　　　昏藍の煙浦　一に蕭疎
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居官已了半生勤　　　　　居官已に了る　半生の勤
国器行装一盞醺　　　　　国器行装　一盞の醺
此夕扁舟須暫往　　　　　此夕扁舟　須く暫し往まん　
難期再開惜離群　　　　　再開期し難く　離群を惜しむ
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萬木新霜紅葉稀　　　　　萬木新霜　紅葉稀に
欲帰故国解朝衣　　　　　故国に帰らんと欲して　朝衣を解く
江楼別宴水東逝　　　　　江楼の別宴　水は東に逝き　
長路行装雁北飛　　　　　長路行装　雁は北に飛ぶ
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秋江遷客葡萄卮　　　　　秋江に遷客　葡萄の卮
莫欲留君折柳時　　　　　君を留めんと欲す莫れ　柳を折る時
萬里遠洋尋到處　　　　　萬里遠洋　到る處を尋ね　
双親傷別問帰期　　　　　双親別を傷んで　帰期を問う
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白雲生處思悠悠　　　　　白雲生ずる處　思悠悠たり
冷気斜陽已暮秋　　　　　冷気斜陽　已に暮秋
一帯煙光紅葉裡　　　　　一帯煙光　紅葉の裡　
丹楓如染乱山幽　　　　　丹楓染むるが如く　乱山幽なり
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高雄仙境又登臨　　　　　高雄の仙境　又登臨す
神護城鐘物外心　　　　　神護城の鐘　物外の心
石磴蒼谿高岸錦　　　　　石磴蒼谿　高岸の錦　
院前黄菊一籬金　　　　　院前黄菊　一籬の金
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深院捲幔満山秋　　　　　深院幔を捲けば　満山の秋
如染煙花紅葉稠　　　　　煙花染むるが如く　紅葉稠し
渓径丁丁聞伐木　　　　　渓径に丁丁と　伐木を聞き　
林梢切切対猿愁　　　　　林梢に切切と　猿愁に対す
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遠上寒山風颯然　　　　　遠く寒山に登れば　風颯然たり
白雲流散素秋天　　　　　白雲流散す　素秋の秋
翠微香靄凋紅幄　　　　　翠微香靄　紅幄を凋し　
一帯楓林漲綵銭　　　　　一帯の楓林　綵銭を漲す
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郊外渓橋犢背童　　　　　郊外の渓橋　犢背の童
禅堂何処問村翁　　　　　禅堂何処と　村翁に問う
蟠松處處秋猶碧　　　　　蟠松處處に　秋猶を碧に　
錦繍斑斑晩更紅　　　　　錦繍斑斑と　晩更に紅なり
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香城浄閣白雲間　　　　　香城浄閣　白雲の間
翠壁野林猿護関　　　　　翠壁野林　猿関を護る
紅葉蔦鬘低半樹　　　　　紅葉の蔦鬘　半樹に低れ　
雁聲韻韻響空山　　　　　雁聲韻韻と　空山に響く
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空山獨夜断猿聲　　　　　空山獨夜　断猿の聲
露下天高秋気清　　　　　露下天高く　秋気清なり
銀漢遥応雲盡散　　　　　銀漢遥に応じ　雲盡く散じ　
客懐無慰月徐行　　　　　客懐無慰　月徐に行く
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疏燈自照露華新　　　　　疏燈自照　露華新に
月度残更夜復晨　　　　　月残更を度り　夜復た晨
性懶酒狂身易老　　　　　性懶にして酒狂　身老い易く　
無名詩痩素清貧　　　　　無名にして詩痩せ　素より清貧
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夕刻砧聲處處聞　　　　　夕刻砧聲　處處に聞こえ
燈前胡蝶已粉粉　　　　　燈前の胡蝶　已に粉粉たり
天空皎皎蔵明月　　　　　天空皎皎と　明月を蔵し　
黛色山端鎖暮雲　　　　　黛色の山端　暮雲を鎖す
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江山清絶月如霜　　　　　江山清絶　月霜の如く
露下秋光野景荒　　　　　露下秋光　野景荒る
獨夜相思郷最遠　　　　　獨夜相思えば　郷最も遠く　
挙頭浩浩夜偏長　　　　　頭を挙げれば浩浩と　夜偏に長し
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叢生黄菊勝桃花　　　　　叢生の黄菊　桃花に勝り
颯颯冒霜両鬢華　　　　　颯颯と霜を冒す　両鬢の華
風急飛巾看白髪　　　　　風急に巾を飛して　白髪を看て　
凄涼徹袂整烏紗　　　　　凄涼袂を徹て　烏紗を整う
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江邊日落走村童　　　　　江邊日落ち　村童走り
隴畝寒風木葉空　　　　　隴畝寒風　木葉空し
山骨痩容秋月白　　　　　山骨痩容　秋月白く　
樹身残影暮霞紅　　　　　樹身残影　暮霞紅なり
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無主空居細菊繁　　　　　主無き空居に　細菊繁し
毎逢佳節涙雙痕　　　　　佳節に逢う毎　涙雙痕
獨登山上難成酔　　　　　獨り山上に登れば　酔を成し難く　
寂寂松聲易断魂　　　　　寂寂たり松聲　魂を断ち易し
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重陽籬菊著花微　　　　　重陽籬菊　花を著る微に
佳節金茎帯夕暉　　　　　佳節金茎　夕暉を帯びる
兄弟登台那復在　　　　　兄弟台に登る　那ぞ復た在るや　
一同痛飲自応稀　　　　　一同痛飲　自ら応に稀なるべし
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黄昏江上日方舂　　　　　黄昏江上に　日方に舂き
風急天寒霜気衝　　　　　風急に天寒く　霜気衝く
寂漠東園荒徑菊　　　　　寂漠たる東園　荒徑の菊　
高秋渺渺遠山松　　　　　高秋渺渺たり　遠山の松
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萬里悲秋把酒卮　　　　　萬里悲秋　酒卮を把り
黄花清浮酔東籬　　　　　黄花清浮　東籬に酔う
一枝玉露明丹棗　　　　　一枝玉露　丹棗明に　
三逕金風潤紫梨　　　　　三逕金風　紫梨潤う
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