帰鴉亞亞破寒煙　　　　　帰鴉亞亞と　寒煙を破り
遠雁蕭然落野川　　　　　遠雁蕭然と　野川に落つ
淅瀝江邊梧葉雨　　　　　淅瀝と江邊に　梧葉の雨　
暁秋入夢故郷天　　　　　暁秋夢に入る　故郷の天
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遠景空林松影横　　　　　遠景の空林に　松影横り
暮鐘風韻満江城　　　　　暮鐘風韻　江城に満つ
秋霖寂寂崇朝潤　　　　　秋霖寂寂と　崇朝潤ひ
梟鳥丁丁徹夜聲　　　　　梟鳥丁丁と　徹夜の聲
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遠近連峰帯夕薫　　　　　遠近の連峰　夕薫を帯び
彩霞不見暮鐘聞　　　　　彩霞に見えず　暮鐘を聞く
山中翠壁有丹葉　　　　　山中の翠壁に　丹葉有り
月影空虚多茜雲　　　　　月影空虚に　茜雲多し
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洲翁柳岸繋漁舟　　　　　洲翁は柳岸に　漁舟を繋ぎ
煙蔽長橋墨色鮮　　　　　煙は長橋を蔽い　墨色鮮なり
寂漠蒼山横落日　　　　　寂漠たる蒼山に　落日横わり　
蕭然孤雁度平川　　　　　蕭然と孤雁は　平川を度る
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吾家草木更無花　　　　　吾家の草木　更に花無く
江岸芒蘆湿露華　　　　　江岸の芒蘆　露華に湿う
西野疎林千葉落　　　　　西野の疎林　千葉落ち　
北風吹雨萬條斜　　　　　北風雨を吹き　萬條斜めなり
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白似青蛾霜月寒　　　　　白きこと青蛾に似て　霜月寒く
酔為丹瞼笛聲残　　　　　酔うて丹瞼と為り　笛聲残る
泛江遊艇両三隻　　　　　江に泛ぶ遊艇　両三隻
映水竹林千萬竿　　　　　水に映ず竹林　千萬竿
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遂捕平家獨占魁　　　　　平家を遂捕し　獨り魁を占め
牙旗落馬疾如雷　　　　　牙旗馬を落し　疾きこと雷の如し
洲邊一戦投鞭渡　　　　　洲邊の一戦　鞭を投じて渡り　
海上千軍撃棹回　　　　　海上の千軍　棹を撃って回る
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屋裏双梟先夜鳴　　　　　屋裏の双梟　夜に先じて鳴き
寒山黄変月朧明　　　　　寒山黄変　月朧明なり
荒煙惆悵葉辞樹　　　　　荒煙惆悵　葉は樹を辞し　
衰柳蕭條霜満城　　　　　衰柳蕭條　霜城に満つ
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花娘有縁結親姻　　　　　花娘縁有りて　親姻を結び
香水盆中産鳳麟　　　　　香水盆中に　鳳麟を産す
微笑孩児朱綬帯　　　　　微笑む孩児は　朱綬帯　
抱孫爺老白綸巾　　　　　孫を抱く爺老は　白綸巾
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�濶ﾔ狼藉涙空稠　　　　　�濶ﾔ狼藉　涙空しく稠し
哭雨侵階葉落秋　　　　　哭雨は階を侵す　葉落の秋
双燕梁間流水恨　　　　　双燕梁間より　流水恨み　
何堪遺跡夕陽愁　　　　　何ぞ堪へん遺跡は　夕陽に愁う
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湖西故戦少人来　　　　　湖西の故戦　人の来る少なく
義仲首墳安在哉　　　　　義仲の首墳　安くに在るや
功業英雄休嘆息　　　　　功業の英雄　嘆息を休めよ　
盛衰一夢亦塵埃　　　　　盛衰は一夢　亦た塵埃
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便宜第一恤人言　　　　　便宜第一　人の言を恤れ
操作安全法令煩　　　　　操作安全　法令煩し
修復無能多改変　　　　　無能の修復　改変多く　
発生事故幾興亡　　　　　事故発生すれば　幾興亡
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老樹風生向晩寒　　　　　老樹風生じ　晩に向て寒く
傷神狂鬼入脾肝　　　　　傷神狂鬼　脾肝に入る
年来病骨晨炊薬　　　　　年来病骨　晨に薬を炊き　
垂臥蒼顔夜治丹　　　　　垂臥し蒼顔　夜に丹を治す
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遠林祇樹翠交陰　　　　　遠林の祇樹　翠陰を交え
鐘韻空腸物外心　　　　　鐘韻空腸　物外の心
老後摘茶唯種黍　　　　　老後茶を摘み　唯黍を種え　
琴樽耽溺不留金　　　　　琴樽を耽溺し　金を留めず
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西風切切入秋衣　　　　　西風切切と　秋衣に入り
空院凄涼獨掩扉　　　　　空院凄涼　獨り扉を掩う
樹下東籬黄葉満　　　　　樹下東籬に　黄葉満ち　
遠山高閣白雲飛　　　　　遠山高閣に　白雲飛ぶ
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羨哉棲鳥不知哀　　　　　羨しき哉棲鳥は　哀を知らず
如競蛩聲夜色催　　　　　競うが如き蛩聲　夜色催す
短髪深沈愁枕夢　　　　　短髪深沈と　愁枕夢み　
長宵展転一樽開　　　　　長宵展転　一樽開く
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不抗風吹捲釣絲　　　　　風吹くに抗わず　釣糸を捲き
悠然帰路落陽遅　　　　　悠然と帰路　落陽遅し
紅灯酒旗牛羊避　　　　　紅灯の酒旗を　牛羊避け　
黄橘農家鳥雀窺　　　　　黄橘の農家を　鳥雀窺がう
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東山香域夕煙濃　　　　　東山の香域に　夕煙濃く
浄閣伽藍錦繍重　　　　　浄閣伽藍　錦繍重なる
僧宅柴門無客到　　　　　僧宅の柴門　客の到る無く　
晩紅紫岳有雲従　　　　　晩紅の紫岳　雲の従う有り
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西城朝雨水空波　　　　　西城朝雨　水空しく波だち
紫岳溟濛寒雁過　　　　　紫岳溟濛　寒雁過ぐ
積学孜孜春日少　　　　　積学孜孜と　春日少く　
功名汲汲苦人多　　　　　功名汲汲と　苦しむ人多し
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連天漫漫水東流　　　　　天に連って漫漫と　水東流し
柳渚難留一葉舟　　　　　柳渚留め難し　一葉の舟
獨夜凄涼難入夢　　　　　獨夜凄涼　夢に入り難く　
壁蛩喞喞易驚秋　　　　　壁蛩喞喞　秋に驚き易し
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豈知過雁幾時還　　　　　豈ぞ知らん過雁　幾時か還る
辞職三年髯已班　　　　　職を辞して三年　髯已に班なり
志業功名都化夢　　　　　志業功名　都て夢と化し　
採蕨老骨買得��　　　　　蕨を採る老骨　�閧�買い得たり
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由村百里赴都篇　　　　　村由り百里　都に赴く篇
送別桜莚不忍邊　　　　　送別の桜莚　不忍の邊
八重伽藍黄葉寺　　　　　八重の伽藍　黄葉の寺　
一波碧水白鴎天　　　　　一波碧水　白鴎の天
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漂泊三年水漫流　　　　　漂泊三年　水漫に流れ
去郷千里問何洲　　　　　郷を去り千里　何の洲か問う
金風吹恨江山老　　　　　金風恨を吹いて　江山老い　
玉露呼情草樹愁　　　　　玉露情を呼んで　草樹愁う
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孤雁一聲愁殺人　　　　　孤雁一聲　人を愁殺し
秋宵蕭瑟酒行頻　　　　　秋宵蕭瑟　酒行頻なり
西窓庭樹黄昏迫　　　　　西窓の庭樹に　黄昏迫り　
東際氷輪白髪新　　　　　東際に氷輪　白髪新なり
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雲物凄涼看夕陽　　　　　雲物凄涼　夕陽を看れば
明星数点一天霜　　　　　明星数点　一天の霜
紅衣落盡西風起　　　　　紅衣落ち盡くし　西風起こり　
紫艶半開秋意長　　　　　紫艶半ば開いて　秋意長し
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不堪漂泊更舟行　　　　　堪えず漂泊　更に舟行
赤壁山猿一両聲　　　　　赤壁の山猿　一両の聲
黄葉蕭條秋骨痩　　　　　黄葉蕭條　秋骨痩せ　
大江皎皎月光明　　　　　大江皎皎と　月光明なり
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数聲秋雁入空山　　　　　数聲秋雁　空山に入り
馬上傷心遊子顔　　　　　馬上傷心　遊子の顔
樹下臨風枯葉散　　　　　樹下風に臨んで　枯葉散じ　
城頭拝月断雲間　　　　　城頭月を拝す　断雲の間
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午来雨水漲残沙　　　　　午来の雨水　残沙に漲り
雲物凄涼日欲斜　　　　　雲物凄涼と　日は斜めならんと欲す
月下上頭看過雁　　　　　月下頭を上れば　過雁を看て　
燈前回首落帰鴉　　　　　燈前首を回せば　帰鴉落つ
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蘆荻繁霜旅髯斑　　　　　蘆荻繁霜　旅髯斑に
故山毛線望郷関　　　　　故山毛線　郷関を望む
迷行万里愁為客　　　　　迷行万里　客と為るを愁い　
異域三年笑未還　　　　　異域三年　未だ還らざるを笑う
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十月秋容天色高　　　　　十月秋容　天色高く
葡萄觴酌酔芳醪　　　　　葡萄の觴酌　芳醪に酔う
一痕玉兎凝霜雪　　　　　一痕の玉兎　霜雪を凝し　
千里北風吹髯毛　　　　　千里北風　髯毛を吹く
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江洲万里月朦朦　　　　　江洲万里　月は朦朦
提畔千風一葉桐　　　　　提畔千風　桐は一葉
星漢良宵秋水碧　　　　　星漢良宵　秋水碧に　
疎林夕照晩霞紅　　　　　疎林夕照　晩霞紅なり
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