斗米嚢空何處求　　　　　斗米嚢空く　何の處にか求めん
寒風侵骨木綿裘　　　　　寒風骨を侵す　木綿の裘
無由辛苦非難料　　　　　由無しや辛苦　料り難きに非ず
不菅歓娯本自浮　　　　　菅せず歓娯　本自ら浮なり
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萬事貧窮歳已闌　　　　　萬事貧窮　歳已に闌なり
老残慙愧酒瓶乾　　　　　老残慙愧　酒瓶乾く
村西絹水黄雲過　　　　　村西絹水　黄雲過ぎ
陌北連山白雪寒　　　　　陌北連山　白雪寒し
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年中窮迫食無魚　　　　　年中窮迫　食に魚なく　
四時繙書感有餘　　　　　四時書を繙き　感餘り有り
暮去朝来支枕久　　　　　暮去り朝来りて　枕を支ふる久しく
寒侵老骨下堂疎　　　　　寒は老骨を侵し　堂を下る疎なり　
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霜風烈烈任東西　　　　　霜風烈烈　東西に任し　
国破支離獨転蓬　　　　　国破れ支離　獨り転蓬
旅館寒燈如夢裡　　　　　旅館寒燈　夢裡の如く　
故郷千里歳将終　　　　　故郷千里　歳将に終らんとす　
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霜風千里度江新　　　　　霜風千里　江を度て新に　
至日乗�闕s酒頻　　　　　至日�閧ﾉ乗じて　酒を行る頻なり
陰伏病身恒避蝋　　　　　陰伏し病身　恒に蝋を避け　
陽回蕪碧暗生春　　　　　陽回り蕪碧　暗に春を生ず　
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蝋月塵埃自笑忙　　　　　蝋月塵埃　自ら忙を笑い
訪僧慙愧坐��房　　　　　僧を訪ね慙愧　�阮[に坐す
空門一逕霜威薄　　　　　空門一逕　霜威薄く
敲句三觚酒力強　　　　　句を敲いて三觚　酒力強し
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歳暮偸�關g未摧　　　　　歳暮�閧�偸み　身未だ摧けず
掃煤舂餅気佳哉　　　　　煤を掃い餅を舂く　気佳き哉
陰雲下凍天花舞　　　　　陰雲凍を下して　天花舞い
知己遠方携酒来　　　　　知己遠方より　酒を携えて来る
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日暮蒼山送夕暉　　　　　日暮れ蒼山に　夕暉を送り
天寒疎影晩依稀　　　　　天寒く疎影　晩に依稀たり
東村白屋飢鴉起　　　　　東村の白屋に　飢鴉起り
南至黄昏孤雁飛　　　　　南至黄昏に　孤雁飛ぶ
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早蕾告春梅一枝　　　　　早蕾春を告ぐ　梅一枝
偶逢知己酒三卮　　　　　偶知己に逢い　酒三卮
陽回負暖何妨酔　　　　　陽回り暖を負い　何ぞ酔うを妨げん
禅室愉�闡ｦ有期　　　　　禅室�閧�愉み　即ち期有り
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一陽来復五更風　　　　　一陽来復　五更の風　
身老怯寒方寸中　　　　　身老い寒に怯え　方寸の中
狂酔不知消日具　　　　　狂酔知らず　消日の具　
肥冬動處意何窮　　　　　肥冬動く處　意何ぞ窮らん　
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早朝老叟向郊汀　　　　　早朝老叟　郊汀に向う　
霧霽陽高山更青　　　　　霧霽れ陽高く　山更に青し
使役小鋤開薬圃　　　　　小鋤を使役して　薬圃を開き　
刈収葮葦製茅亭　　　　　葮葦を刈り収め　茅亭を製す　
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数年七十住村荘　　　　　年七十を数え　村荘に住み　
下麦三冬農務忙　　　　　麦を下して三冬に　農務忙し
短日影斜寒水碧　　　　　短日影斜に　寒水碧に　
夕陽已落淡雲黄　　　　　夕陽已に落ち　淡雲黄なり　
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圃園黛色暮山昏　　　　　圃園黛色　暮山昏く　
橘緑橙黄一小村　　　　　橘緑橙黄　一小村
月照繁霜惟有白　　　　　月は繁霜を照し　惟だ白有るのみ　
抱懐火閣可能温　　　　　懐に火閣を抱き　能く温まる可し　
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枯林悴色帯栖鴉　　　　　枯林悴色　栖鴉を帯び　
落日融融竹影斜　　　　　落日融融　竹影斜めなり
北戸空庭猶有橘　　　　　北戸空庭に　猶橘有り　
南窓寒樹欲抽芽　　　　　南窓の寒樹　芽を抽せんと欲す　
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病怯厳冬寒透衣　　　　　病は厳冬に怯え　寒は衣を透し
風聲凛凛錦楓飛　　　　　風聲凛凛　錦楓飛ぶ
晩来霜気生空霧　　　　　晩来霜気　空霧を生じ
樹上飢鴉背落輝　　　　　樹上の飢鴉　落輝に背く
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農家緑橘傲霜枝　　　　　農家の緑橘　霜に傲る枝　
田畝寒風捲地吹　　　　　田畝に寒風　地を捲いて吹く
山北凍雲方動處　　　　　山北に凍雲　方に動く處　
江南玄律始生時　　　　　江南に玄律　始めて生ずる時　
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陰雲凝冷雨冥冥　　　　　陰雲冷を凝らせ　雨冥冥　
寒雁南翔落遠汀　　　　　寒雁南に翔り　遠汀に落つ
窓外摘蔬衣褐重　　　　　窓外蔬を摘み　衣褐重く　
爐前熾火片時寧　　　　　爐前火を熾して　片時寧し
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新冬橘柚帯繁霜　　　　　新冬橘柚　繁霜を帯び　
師走初寒籬菊荒　　　　　師走初寒　籬菊荒れる
急景玄鴉窺浄緑　　　　　急景玄鴉　浄緑を窺い　
無為白髪立昏黄　　　　　無為白髪　昏黄に立つ
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寒雲紅照到田家　　　　　寒雲紅に照し　田家に到り　
野市黄昏噪暮鴉　　　　　野市黄昏　暮鴉噪ぐ
地凍玄冥哀痩月　　　　　地凍り玄冥　痩月を哀れみ　
木凋青女媚残花　　　　　木凋み青女　残花に媚ぶ
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紅楓已盡小春喧　　　　　紅楓已に盡き　小春喧し　
正是橙黄橘柚園　　　　　正に是れ橙黄　橘柚の園
飛鳥川堤知過寺　　　　　飛鳥川堤に　寺を過るを知り　
甘樫丘麓喜逢村　　　　　甘樫丘麓に　村に逢うを喜ぶ
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新寒縮身歩遅遅　　　　　新寒身を縮め　歩遅遅たり　
緑橘黄柑事事宣　　　　　緑橘黄柑　事事に宣し
下麦霜田秋盡後　　　　　麦を霜田に下す　秋盡くる後　
漏春禿木一陽時　　　　　春を禿木に洩らす　一陽の時
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村落荒涼風払扉　　　　　村落荒涼　風は扉を払い
煖房微弱嘆無衣　　　　　煖房微弱　無衣を嘆ず
空庭枯樹満寒雨　　　　　空庭枯樹に　寒雨満ち
地被新霜収夕霏　　　　　地は新霜を被りて　夕霏収まる
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