ごまめの歯ぎしり  04.08.29

    

「今の子供が切れやすい」というのは嘘だ! 
少年凶悪犯罪4種統計データから見て、切れやすいのは誰だ

 

8月28日の朝日新聞の1面に「小学生校内暴力1600件、昨年度27%増」と大見出しで始まる記事があった。データをまとめると27日の文部科学省発表による過去3年間暴力行為件数調査結果は、「小中高校での校内暴力は3年ぶりに増加し6.2%増の31278件、うち小学校では27%増の1600件。学校外での暴力は中学高校は減少し4.6%減の4114件、小学生は26%増の177件であった。小学校では児童の忍耐力や抑制が出来ず感情を爆発させてしまうという報告がある。」という記事内容であった。さあて皆さんどう考えますか。結論から言いますと私は以下のことが直感的に感じ取れます。そして朝日新聞はいったい何に加担しょうとするのだろうか。

  1. 微小な変化だけを捉えて云々しても、統計的には意味がないこと。少なくとも校内・校外暴力の定義を一定にした集計で、過去20年以上のデータをグラフ化して示せ。いじめ、校内暴力をひたすら隠そうとする学校が正確な数値を上げているとは到底思えない。(件数自体が怪しまれる。統計母集団が果たして信用できるか。偏った捏造はないか。)
  2. 先生や教育委員会が生徒を凶暴犯罪者に仕立てて、弁解がてら自分の無能力を隠そうとしている匂いがふんぷんとしてくる。また文部省は指導を強めるというコメントを出しているが、国歌斉唱強制と同じく先生を攻撃して教育の官僚統制をさらに強めたい意向がありありとする。

そこでパオロ・マッツァリーノ著「反社会学講座」に面白い少年犯罪のデータがあったので、この問題を考える上での参考になる少年凶悪犯罪4種統計データをのグラフを示す。

少年凶悪犯罪平成統計.......少年凶悪犯罪戦後統計
少年凶悪犯罪平成統計      少年凶悪犯罪戦後統計

まず凶悪犯罪数とは殺人、強盗、放火、強姦検挙人数です。左の少年凶悪犯罪平成統計では平成8年度より少年犯罪が増加するのが読み取れます。次に右の少年凶悪犯罪戦後統計を見ましょう。強姦・強盗といった凶悪犯罪が昭和32年から42年の間驚異的な高さを示しており平成12年度に比べて約3.5倍あります。戦後の混乱期と売春防止法成立によると見られますが、この時期中学生だった現在の大人はさて今何歳でしょうか.答えはざっと49歳から62歳ですね。いわゆる団塊の世代が中心です。一番凶悪だったもしくは切れやすい世代は現在の少年ではなく今の中高年から熟年の世代です。高度経済成長を支え現在の日本の繁栄の時代を築いた人間が少年時代最も凶悪だったことが統計上明白です。そしてこの世代が大学紛争やウチゲバ殺人、浅間山荘事件、ヨド号ハイジャック事件、赤軍派などを引き起こしたのです。それにくらべれば現在の少年は実におとなしくなりました。大人が自分の凶悪さを隠しておとなしい少年を攻撃するのはまさに弱いものいじめでしょう。いまだに大人の身勝手、凶悪さが直っていないのです。今環境問題でも世代間の平等が叫ばれてすみやすい環境を次の世代に残そうという運動があります。しかしこの少年凶悪犯罪世代の現在の大人が、少年世代を保護するどころか、就職問題、年金問題、富の独占で少年を窮地に追いやっています。現在の子供が幸せになれるのはこのき凶悪犯罪世代が死に絶えてしまってからでしょう。それとも現在の少年世代が再び元気になって凶悪性を発揮して、今の大人に(善良な大人ではなく、官僚や政治家企業家といった凶悪詐欺師/犯罪者のこと)反乱を起こすことでしか救われないのでしょうか。最後に「ごまめの歯ぎしり」こと千田孝之めもこの凶悪少年世代の走りであります。たしかに当時は中学に不良グループだ多数存在して今のやくざの抗争ばりに覇を競っており、恐喝、万引き、暴力、桃色遊戯、強姦など日常茶番事でした。そんなたくましく野蛮な弱肉強食の時代でした。幸い私はがり勉の世界に逃れて不良グループとは離れた存在で無事でした。そう考えると現在の少年に悪になれとは言えませんが多少の覇気は必要で、少年の暴力はだめといって牙を抜くのはいかがですかね。「今の少年が切れやすい」なんてことを言うのは、我々の中学時代から見ればぜんぜんおとなしすぎるので、嘘だ。切れやすいのは我々の世代だ。


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