随筆  050405

母の介護日記(2)

 デイケアー参観(その2) 2005年1月・3月
 

こうして介護の一日が経過する

私の母は現在91歳で京都で一人住まいである。ホームヘルパーさんの週1回の掃除介護サービスと週4回のある病院でのデイケアー施設に通うことと兄弟による食事・洗濯などの世話によって生活している。昨年11月に私は1ヶ月帰京し母と生活を共にして、いわゆる介護を行った。その時のことは介護日記(1)に書いた。今年の冬は1月から3月まで京都で母と生活を共にした。寒い時は特に注意して介護する必要を感じたからである。昔の人は暖房などはもったいないと考えているようで頑固に暖房をしない。生命線でもある体温を維持するためには母本人の意見は無視してでも部屋の暖房と暖かい食事を供給する必要がある。
簡単に一日の介護を述べる。朝7時に起きると、母の部屋に電気をつけてエアコンに電気を入れる。自分自身の朝食をとり(パンとコーヒー)、そして母の部屋にある夜専用のおまるをトイレで流して洗う。便座のカバーを点検して濡れていたら交換する。洗濯は最低一日1回行う。洗濯物を2階の物干し台で干す。デイケアーのある日は朝8時に母に起きるように促す(命令口調ではなくあくまで時間をかけて促す)。お茶とパンを焼いて母に朝食を出す。朝8時40分ごろにデイケアーセンターより迎えの時刻の電話が入るので、母に持ち物の点検(連絡帳と着替え一式)を促す。9時に表の道路に母の手を引いて出て車の到来を待ち、介護士さんの手を借りてバスに乗せる。これで朝の送りが終了であるが、毎週火曜日と金曜日はごみの日なので前日に用意したごみを所定の場所に持ち出す。また月2回の水曜日はガラスリサイクル、木曜日はプラスチック・アルミのリサイクルなので忘れずに搬出する。
母をデイケア-に送り出せば一応何もすることはない。母の部屋とトイレ・風呂・台所の掃除は毎週火曜日にヘルパーさんがやってくれるのできれいに保たれている。とはいえ台所トイレは私も使用するので毎日掃除ははやっている。私の生活する2階の部屋は必要応じて掃除機をかけている。自分と母の布団の天日干しは月に2回やった。
母を送りだした後何もすることがないので、わたしは防寒完全武装して自転車に乗って30分くらいのところへスケッチに出かける。雨や雪の日は私は読書で一日過すことになる。今年の冬の3ヶ月で12冊の本を読むことが出来た。まさに晴耕雨読の生活である。昼にはスケッチから戻って午後3時半にデイケアーから帰ってくる母を迎えに表に出る。車から降りてくる母を連れて家に戻る。
祝祭日を除いて週に4回はデイケア-に行くが、3日は(日曜日、火曜日、木曜日)は母は一日家に居る。デイケアーのない日の朝は特に時間を決めて母を起こさないが、うまく猫とテレビを使って起こしにかかる。9時から10時には母は起きてくるので朝食を用意する。母の居る日は私はスケッチには行かず一日母とテレビを見たり面向かってお話し相手になる。日曜日はテレビ番組でマラソンや相撲などのスポーツがあるときは比較的ご機嫌なのであるが、ろくなテレビ番組がないときは私自身も時間をもてあます。私が本を読み出すと、話し相手が居なくなった母はベットに潜り込むので気をつけなくてはならない。
母の足腰はすっかり弱くなっているので外へ買い物や散歩は出来ない。部屋の中で用を足す時に歩くのみである。在宅介護センターの紹介で、外出用に月500円(もちろん本人負担は10%に過ぎない)で押し車をレンタルで借りた。今のところ押し車には母は抵抗しているようだがいずれ厄介になることは間違いない。
食事などの買い物には週2回ほど近くのスーパーに自転車で出かける。月当たり2人の食事などの生活費は(水道光熱電話新聞税金などを除く)やく2万円ほどかかる。夕食の準備は午後6時から行い、主に野菜の煮付けなどが母用に、自分には肉野菜類を別途作る。姉妹からのおかずの届けがあるのでそれを入れて母には3点から5点のおかずを提供する。6時半には食事は終了し、食器洗いと台所清掃を行う。そして湯を沸かして湯たんぽを作り母のベットの中へ潜り込ませる。母の入浴は月曜日、水曜日にデイケアーでやってくれるので、金曜日に自宅の風呂を沸かして母を入浴させる。自分で入浴と着替えはできる。週3回は入浴できている。
午後8時までは母とテレビを見て、私は8時で2階の自室へ戻る。9時に降りてきてエアコン・コタツの電気をきり、母の就寝を確認して電灯を消して一日が終了する。
母は当然オムツ(尿漏れパンツ)をはいているが、それでも下着類の汚れがあるときには適時着替えと洗濯は欠かせない。

つぎに私が在京して生活した1月から3月の間、デイケアーの催し行事に参加したときの写真を下に掲載して記録する。

家族参加デイケアーの催し行事
1月23日ホットケーキ作り、3月19日西本願寺下部スカウト交流会

あるデイケアー施設での催し風景
写真1) ホットケーキ作り(1)
ケーキ生地焼き 
写真2) ホットケーキ作り(2)
あんをのせて出来上がり
写真3) 下部スカウト交流会(1)
器楽演奏会
写真4) 下部スカウト交流会(2)
子供の奇術披露
写真5) 下部スカウト交流会(3)
一緒に折り紙作り
写真6) 下部スカウト交流会(4)
おばあちゃんと記念撮影


写真1と2は1月23日のデイケア-催し物でホットケーキ作りの模様である。ホットケーキを自分達で作って3時のおやつにするところである。写真3,4,5,6は3月19日に行われた西本願寺所属下部スカウト(ボーイスカウトの下部組織で小学校中・高学生で構成される)との交流会の模様である。少年少女が歌や楽器演奏・奇術を披露したり、老人と一緒に折り紙をつくって交流する会であった。いずれも良く考えられた催しであった。特に少年少女との交流は地域の組織の協力で成り立つ会でまことに有意義な交流であったと思う。デイケアースタッフの皆様に感謝するしだいである。


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