ごまめの歯ぎしり  050408

    

・・ 北海道で17頭目のBSE牛asahi.com4月8日報道・・
さて日本では何頭のBSE牛が発見されるだろうか

 

つぎのような報道が4月8日に報じられた。最近BSEに関してはマスコミの興味も薄れたのかあまりセンセーショナルな報道をしなくなった。リスク自体は何も変わらないのに、何が変わったのか、人の興味の中心が変わったということだ。もう一度BSEのリスクをおさらいしてみよう。

北海道で17頭目のBSE牛2005年04月08日11時03 asahi.comより
「農水省は8日、北海道音更町の酪農家が飼育していた雌の乳牛が、牛海綿状脳症(BSE)だったと発表した。国内でBSEの牛が確認されたのは3月下旬以来17頭目。
農水省によると、00年9月生まれで54カ月齢の牛。体がふるえ、立てなくなるといった症状が出ていた。4日に処分後、1次検査で陽性の疑いが出たため、2次検査をした結果、陽性と確認。同省プリオン病小委員会がBSEと結論づけた。肉は焼却されるため、食用として流通することはない。」

この朝日新聞社報道では17頭目のBSE牛が発見されたということであるが、今後はさらに増え続けるのだろうか。それを予測するのがリスク論である。本ホームページの環境問題書評コーナーでかって池田正行 著 「食のリスクを問い直す−BSEパニックの真実」 ちくま新書(2002年8月初版)の書評を行った。日本での牛海綿状脳症(BSE)と変異クロイツフェルトヤコブ病(vCJD)のリスクを以下のように纏めた。

日本での牛海綿状脳症(BSE),変異クロイツフェルトヤコブ病(vCJD)のリスク

「BSE,vCJDの発生件数各国統計とBSEに関する行政対応から、日本での発生件数点推定を計算する。人口7500万人の英国でこれまで18万頭のBSEが発生し、英国での患者数(死亡者数)は117人である。東大吉川教授は日本のBSE発生予測値を20〜26頭とした。日本の人口は12700万人であるので、潜伏期間を10年とした最悪のシナリオでは2.8人のvCJD発生が予測される。
10×(12700/7500)×(117×26)/180000=2.8人
しかし機械的回収肉(MRM)と呼ばれる脳脊髄混入の危険性が高い処理法が英国で採用されていた事実を考えると、英国在住経験のない日本人にBSEを原因とするvCJDが発生する確率は実質的にゼロに等しい。ハイリスク群は1990年代前半英国在住経験者のみである。」

英国での牛頭数と人口の比例関係から求め、骨粉飼料を使用していた年度までをリスク期間とするものである。つまり日本を英国の一地方と考えた単純計算である。その結果では日本での発生頭数は20頭〜26頭という予測が出た。発生実数は17頭であるからまあこの辺で頭打ちかなとい感じである。変異クロイツフェルトヤコブ病(vCJD)のリスクは2.8人と予測されるが、これまで疑わしい人の実数は一人である。もう一人ぐらいは出そうである。ハイリスク群は1990年代前半英国在住経験者のみであるとされるので、政府は1990年代前に一日でも英国に滞在したことのある人からの献血を禁止した。私も数週間英国に滞在したので当然献血はできない(年齢からしてもできないのではあるが)。


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