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村重直子著 「さらば厚労省」 

 講談社 (2010年8月)

自分の命を守るため、いまこそ厚労省支配からの独立を

まず最初から多少刺激的な言葉で始めよう。村重直子氏はそもそも厚労省はという論から始める。「明治政府以来、旧厚労省はもともと徴兵のために生まれた組織といっていい。国民を健康にし、皆兵制をしいて国民を総動員し、戦争に狩り出すために存在した時代があった。厚労省の役人には、人を支配したいという欲望から抜け出せていないような気がする。医師の計画配置、研修医制度などは戦前の赤紙の発想がむき出しで、新型インフルエンザ騒動で感染の疑われる旅行客の強制隔離は未だハンセン氏病の人権無視思想を反省していないようだ。」 また東京大学医科学研究所の上昌広氏は厚労省は旧日本軍の亡霊が支配しているとまでいう。「厚労省直轄の国立病院の殆どはかって陸・海軍の病院であった。かつ戦後は旧陸軍の帰国事業、戦争傷病兵、戦没者慰霊事業(靖国神社問題)はそのまま厚労省に組み込まれた。かくして厚労省は旧陸軍勢力が残存する場所であった。したがって厚労省の精神には陸軍の亡霊が棲み付いている」という。明治大正時代の森鴎外という文豪は、陸軍総監という軍隊内の医師の最高位を上り詰めた軍医であった。彼の行なったことは軍隊内での兵士の稼働率を阻害していた脚気という病気や伝染病の撲滅管理であった。そういった軍医の伝統は最後まで行き詰めて考えると獣医の思想と同じである。兵士が健康でないのは天皇の兵隊を預かる国として申し訳ない。鉄砲と同じく働かせために兵士の健康を管理するのである。軍医の視点は兵隊の効能であって、人間の生命の尊重ではない。そういう視点で厚労省の医務技官の政策プロセスを見て行くと、軍医=医務技官の図式があてはまる。さらに悪いことに厚労省の医務技官は医師免許を持っているが、医療実務経験なしペーパードライバーであって、そういう人たちが医療行政を牛耳って医療に介入してくるのだから始末が悪い。医療の素人官僚が認可、補助金、規制、届け出、通達行政で医師をあごで支配しようとしてくる。正に医療崩壊は厚労省の責任である。いまこそ医療関係者、患者、国民は厚労省の桎梏から脱しなければならないという思いで本書が書かれた。

まず村重直子氏のプロフィールを本書末尾から紹介する。1998年東京大学医学部卒業。内科医として横須賀アメリカ海軍病院、アメリカのベス・イスラエル・メディカルセンター、国立がんセンター造血幹細胞移植科などで7年間の臨床経験を積んだ後、2005年に厚生労働省へ医系技官の課長補佐として入省。舛添要一大臣(当時)の抜擢により、2008年3月より大臣直属の「厚労省改革準備室」(7月から改革推進室)の政策官を務めた。2009年7月に大臣政務官となり舛添大臣の「安心と希望の医療確保ビジョン」会議を推進した。政権交代後は内閣府特命担当大臣(行政刷新担当)付となったが、2010年3月に退職。現在はクリニック勤務のかたわら、執筆活動等で医系技官制度の廃止等を訴えている。本書は厚労省全般を問う本ではない。なかでも医療関係を司る2局である医政局、健康局に関する事を扱っている。なお参考までに厚労省の局組織は、上の2局のほかに、大臣官房、医薬品食品局、労働基準局、職業安定局、職業能力開発局、雇用均等・児童家庭局、社会・援護局、老健局、保険局、年金局があり、大臣のもとに14の審議会・審査会・協議会と8つの研究所・検疫所などを抱えている。2003年ごろより、地方病院の赤字化や廃止という内容で「医療崩壊」という報道が出るようになった。そして昨今ではメディアの報道は健康保険制度を含む医療体制全体の崩壊という意味が強くなっている。「医療崩壊」という現象には色々な側面があり、「医療事故」からくる「医療不信」、臓器移植・インフォームドコンセントなどの「医療倫理」、「医師の絶対不足」、「産科・小児科から医師が逃げる」問題、「救急患者のたらいまわし」など医療側と患者の関係、そして行き着く先には「健康保険料値上げ・医療保険点数切り下げ・薬価切り下げ」などの厚生労働省政策などが密接に絡んでいる。

本書は当然そうした「医療崩壊」に直面して書かれたものだが、著書は「医療崩壊」の最大原因を1980年代からの厚生省の「医療費抑制政策」にあるという。すべてのシステムは金という潤滑剤が回らないと「じり貧」からきしみという悲鳴を上げ始めるのである。著者は医学部卒業後,すぐに米国の病院で働き内科医としての3年のキャリアーを積んで帰国し、2002年国立ガンセンター中央病院の血液内科で非常勤医師についた。ここでアメリカと日本の医療システムの差異に驚いた。なかでも信じがたいほどの厚労省の医療への介入とその悪影響が大きいことに気がついた。アメリカでは仕える治療薬が厚労省が認可していないために保険支払いが認められないとか、混合診療は禁止されているとか厚労省の規制が、医療の裁量を大きく侵している。日本では厚労省が認めた治療法しか選択の余地はなく、患者の先進的治療を受ける権利が大きく侵害されている。全国一律ルールで動く厚労省の規制はもはや医療の進歩の障害物となった。また厚労省の長年の医療費抑制政策は医療スタッフ数の減少と負担の増大により、医療現場は疲弊し、限界を超えた負担と責任は現場から医師の逃亡となり、産科・小児科・緊急診療科・麻酔科などでは医師不足から医局閉鎖に追い込まれた。著者はこの現実を見て、医療に介入し続ける役人の意思決定プロセスの問題点を具体的に知るため、2005年厚労省に医系技官として入省した。医系技官とは医師免許さえあれば上級国家公務員試験を受けずとも、面接だけで入省できる特別枠採用が可能なのである。健康局生活習慣病対策室でガンを担当する課長補佐に1年、医政局医事課での2年で、医系技官の行動の現実を知ったという。そして元の医療現場に戻るべく退職手続きをしているときに、従来の官僚のいうことと反対の事をいう医系技官として舛添厚労大臣に注目され、2008年3月大臣直属の「改革準備室」のスタッフに懇願されたという。いわば大臣の政治任用であり官僚組織の命令系統から外れており、役人とは別のルートから独自に集めた情報を直接大臣や室長に報告する役割であった。薬害肝炎、「妊婦たらい回し」、医師不足問題、新型インフルエンザ問題について舛添大臣の耳となった。役人は「結論ありき」で会議をお膳立てし、審議会では補助金でいう事を聞かせている御用学者を使って、役所に有利な結論に誘導するのである。役人が示す「方針」の浦には権限拡大の目論見がちらついており、現場とは乖離した論理と、都合の悪い情報は隠し偏った情報のみで大臣を洗脳するテクニックで、問題発生を最大のチャンスとばかり権限を拡大する自己増殖のがん細胞群が官僚組織である。舛添大臣が政権交代でやめた2009年9月、新政権の仙谷行政刷新担当大臣に請われて、国立ガンセンターの組織改革にたずさわり、2010年3月ついに退職できたという。厚労省に3年、内閣に2年いたことになる。今はクリニックの医師に復帰した著者の視点は面白い。現場の医者の目線で厚労省の政策を批判する。

本書の内容を見ると、1:新型インフルエンザ対策(2008年4月ー2008年秋)、2:インフルエンザワクチン騒動(2008年秋)、3:米国型医療と日本医療 4:事故調査委員会、5:医療再生の道筋 となっている。私は2008年3月よりJMM(ジャパン・メール・メディア:村上龍が編集発行)のメールマガジンより上 昌広(東京大学医科学研究所 探索医療ヒューマンネットワークシステム部門:客員准教授)が主宰する「絶望の中の希望〜現場からの医療改革レポート 」 を受信して、その概要を読書ノート「現場からの医療改革レポート」に掲載してきた。村重直子著 「さらば厚労省」 で語られている「医療崩壊」から「新型インフルエンザ騒動」、「医療再生への道」については、実はこの「現場からの医療改革レポート」の中でもアップデートに識者によりさんざん論じられたきた内容であり、それ以上でもそれ以下でもない。そこで本書の内容を吟味する前に、2年半追い続けてきたテーマである「医療改革の諸問題」のレビューをしておきたい。著者の村重直子氏もこのメールマガジンをよく読んでおられる様子で、そこでの識者の発言を数多く本書で採録されている。同じような問題意識の仲間の世界であったようだ。「MRICby医療ガバナンス学会」「ロハスメディカル」や米国の医療事情を紹介する日経新聞編集の「黒船ネット」も同様なメディア媒体である。

「現場からの医療改革レポート」Japan Mail Media記事一覧(2008年3月ー2010年10月)
2008年
・第1回(2008年3月26日)  「現場からの医療改革を目指して」 東京大学医科学研究所 上昌広
・第2回(2008年4月9日)  「マスメディアの名義貸し報道から地域医療の崩壊が始まった」 東京大学医科学研究所 上昌広
・第3回(2008年4月23日)  「医療と司法をめぐる騒動:医療事故調査法案騒動から見えてくる医療立法プロセスの変化」 東京大学医科学研究所 上昌広
・第4回(2008年5月7日)  「病院で働くコメディカルが足りない」 東京大学医科学研究所 上昌広
・第5回(2008年5月21日)  「日本の医師不足 第1回 医師養成の歴史」 東京大学医科学研究所 上昌広
・第6回(2008年6月4日)  「新生児の生命と日本医療の未来ー周産期医療の崩壊から見た医療再建の道」 構想日本 田口空一郎
・特別配信号(2008年6月11日)  「今、医療者は何を考えどうすべきか:思いを綴った二冊の本」 獨協医科大学神経内科 小鷹昌明
・第7回(2008年6月18日)  「日本の医師不足 第2回 一県一医大構想と医師誘発需要論」 東京大学医科学研究所 上昌広
・第8回(2008年7月2日)  「日本の医師不足 第3回 大学医学部定員削減の閣議決定撤回の裏側」 東京大学医科学研究所 上昌広
・第9回(2008年7月16日)  「日本の医師不足 第4回 医師不足への処方箋 医学部定員50%増員の提案」 東京大学医科学研究所 上昌広
・特別配信号(2008年7月22日)  「社会システム・デザイン・アプローチによる医療システム・デザイン」 横山禎徳
・特別配信号(2008年7月26日-30日)  「日本心血管インターベンション学会:変革期を迎える医療安全への対応 パネルディスカッションより」報告 川口恭 ロハス・メディカル
・特別配信号(2008年8月6日)  「特養ストレッチャー転落事件と医師法21条」 中澤堅次 済生会宇都宮病院院長
・第11回(2008年8月13日)  「日本の医師偏在 第2回 埼玉、千葉、茨城の場合」 東京大学医科学研究所 上昌広
・特別配信号(2008年8月23日)  「福島県立大野病院事件 8月20日地裁判決傍聴記ー控訴させるかどうかー」 川口恭 ロハス・メディカル
・第12回(2008年8月27日)  「看護師不足」 東京大学医科学研究所 上昌広
・第13回(2008年9月10日)  「福島県立大野病院事件判決を考える」 東京大学医科学研究所 上昌広
・特別配信号(2008年9月16日)  「日本医師会三分の計」 虎ノ門病院泌尿器科 小松秀樹
・特別配信号(2008年9月18日)  「医療再生のための工程表」 虎ノ門病院泌尿器科 小松秀樹
・第14回(2008年9月24日)  「医師による遺族への募金活動」 東京大学医科学研究所 上昌広
・特別配信号(2008年9月25日)  「分娩施設の集約化ー有床産科診療所の明日」 兵庫県尼崎医療生協病院 衣笠万里
・特別配信号(2008年10月3日)  「医療事故調 対立の概要と展望」 虎ノ門病院泌尿器科 小松秀樹
・第15回(2008年10月9日)  「高度成長型から急速な高齢化社会での医療専門職養成システムへ」 東京大学医科学研究所 上昌広
・第16回(2008年10月22日)  「読売新聞社提言"医師を全国に計画配置"を考える」 東京大学医科学研究所 上昌広
・特別配信号(2008年10月26日)  「結果回避義務についてー医療事故と交通事故の違いー福島大野事件判決解説1」 医療・法律研究者 大岩睦美
・特別配信号(2008年11月02日)  「医療水準論についてー福島大野事件判決解説2」 医療・法律研究者 大岩睦美
・特別配信号(2008年11月02日)  「医療における当たり前感を駆遂するために」 自民党参議院議員 橋本岳
・第17回(2008年11月05日)  「メデァが報道しない都立墨東病院事件の背景」 第1回 「東京都23区の医師偏在について」 東京大学医科学研究所 上昌広
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2008年11月11日)  「医療現場と国会が直結して、役人主導の医療行政を変えましょう」 民主党参議院議員 鈴木寛
・読者投稿欄:周産期医療について(2008年11月16日)  産業医科大学 八幡勝也 ほか 
・第18回(2008年11月19日)  「メデァが報道しない都立墨東病院事件の背景」 第2回 「国立病院に生き続ける陸海軍の亡霊」 東京大学医科学研究所 上昌広
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2008年11月23日)  「医療と司法の齟齬を克えろー真相究明とは何か」 医療メディエーラー 竹内 治
・第19回(2008年12月3日)  「メデァが報道しない都立墨東病院事件の背景」 第3回 「国家統制が生み出した東京の医療過疎」 東京大学医科学研究所 上昌広
・第20回(2008年12月17日)  「メデァが報道しない都立墨東病院事件の背景」 第4回 「妊婦と産科医の不安がl解消されなければ、たらい回しはなくならない」 東京大学医科学研究所 上昌広
・第21回(2008年12月31日)  「国立がんセンター中央病院手術室再建プロジェクト」 帝京大学医療情報システム研究センター客員准教授 大獄浩司
2009年
・第22回(2009年1月14日)  「メデァが報道しない都立墨東病院事件の背景」 第5回 「医療崩壊のシナリオ:医賠責保険の破綻」 東京大学医科学研究所 上昌広
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年1月22日)  「メディカルツーリズムの勃興:日本の医療は競争力を有する」 少児科医 江原 郎
・第23回(2009年1月28日)  「迷走する医療行政ー骨髄移植フィルター騒動からみえるもの」  東京大学医科学研究所 上昌広
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年1月29日)  「公立病院はなぜ赤字か」 千葉ガンセンター長 竜 崇正
・第24回(2009年2月11日)  「メデァが報道しない都立墨東病院事件の背景」 第6回 「医療再生への特効薬は、メディエーションと対話型ADR」 東京大学医科学研究所 上昌広
・第25回(2009年2月25日)  「医師臨床研修制度」  東京大学医科学研究所 上昌広 
・第26回(2009年3月11日)  「諸悪の根源は医療亡国論」  東京大学医科学研究所 上昌広
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年3月12日)  「開業医から勤務医の先生方へ」 おその整形外科院長 於曽能正博
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年3月22日)  「医療のIT化を考えるー電子カルテの問題点」 久美愛厚生病院産婦人科 野村麻実
・第28回(2009年4月08日)「医療費削減政策を考える:第1回正規雇用されない医師たち」  東京大学医科学研究所 上昌広  ・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年4月12日)  「東京女子医大人工心肺事故 第2審無罪判決」 済生会宇都宮病院 NPO法人医療制度研究会 中澤堅次
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年4月19日)  「レセプト電子化にまつわる幻想」 ただともひろ胃腸科肛門科 多田智裕
・第29回(2009年4月23日)  「医療費削減政策を考える:第2回:危険にさらされる患者たち」  東京大学医科学研究所 上昌広
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年4月29日)  「パンドラの箱を開けるのは今ー宿直問題は入り口に過ぎない」 参議院議員 梅村 聡
・第30回(2009年5月6日)  「新型インフルエンザ対策を考えるー検疫よりも国内体制整備を」  東京大学医科学研究所 上昌広
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年5月12日)  「保険適用を決めるのは役所ではなく国民である」 参議院議員 鈴木 寛
・第31回(2009年5月20日)  「新型インフルエンザ対策を考えるー検疫礼賛で何が見過ぎされたのか」  東京大学医科学研究所 上昌広
・第32回(2009年6月3日)  「新型インフルエンザ騒動の舞台裏」  東京大学医科学研究所 上昌広
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年6月10日)  「新型インフルエンザに厚労省が上手く対応できないわけ」 虎ノ門病院泌尿器科 小松秀樹
・第33回(2009年6月17日)  「新型インフルエンザ対策の争点:検疫と人権」  東京大学医科学研究所 上昌広
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年6月25日)  「現場の意見をマスコミに」 T&Iメディカル・ソリューション 木村 知
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年7月5日)  「今からできる!現場でのインフルエンザ対策」 T&Iメディカル・ソリューション 木村 知
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年7月7日)  「マサチュセッツの州民皆保険」 ハーバード大学公衆衛生大学院 細田満和子
・第35回(2009年7月15日)  「お金がなくてがん治療が受けられないークルベック自己負担金制度を考える(上)」  東京大学医科学研究所 上昌広
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年8月4日)  「新型インフルエンザ対策として今、必要なもの」 東北大学大学院 感染制御・検査診断学分野 森兼啓太
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年8月6日)  「がん患者の提訴した混合診療裁判の本質」 清郷伸人
・第37回(2009年8月12日)  「新型インフルエンザワクチンで薬害が起きた場合の対策を」  東京大学医科学研究所 上昌広
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年8月18日)  「インフルンザ臨床情報を出せない厚生労働省はもういらない」 ナビタスクリニック立川 久住英二
・第38回(2009年8月26日)「ドラックラグの本当の理由:日本の薬価」  東京大学医科学研究所 上昌広 ・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年9月1日)  「インフルンザワクチン輸入をめぐる混乱」 東北大学医学部 森兼啓太
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年9月3日)  「インフルンザワクチン副作用の補償と訴訟の選択を考える」 厚生労働省政策官 村重直子
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年9月4日)  「ニューヨーク2泊3日の医療費について」 EASTON 国際税務職 肥和野桂子
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年9月6日)  「タミフル耐性菌」 T&Iメディカル・ソリューション 木村 知
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年9月7日)  「平成の大本営 医系技官問題を考える」 厚生労働省 木村盛世
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年9月8日)  「インフルエンザ簡易検査キットが手に入らない」 和田内科クリニック院長  和田真紀夫
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年9月9日)  「米国における新型インフルエンザと糖尿病」 ベイラー研究所  松本慎一
・第39回(2009年9月9日)  「民主党政権で医療はどうなるか?」  東京大学医科学研究所 上昌広
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年9月10日)  「簡単に発熱外来というけれど」 長尾クリニック(尼崎市)  長尾和宏
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年9月11日)  「新型インフルエンザ対策が爆発的流行を引き起こす」 T&Jメディカルソリューションズ 木村知
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年9月12日)  「産業保健における新型インフルエンザ対応への提言」 長尾クリニック(尼崎市)  長尾和宏 ・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年9月17日)  「新型インフルエンザワクチン接種の優先順位、決められますか」 T&Jメディカルソリューションズ 木村知
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年9月18日)  「日本のライフサイエンス分野は、次世代産業になりうるか?」 ベイラー研究所  松本慎一
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年9月22日)  「脱官僚が変える医療の現場」 ただともひろ胃腸科肛門科 多田智裕
・第40回(2009年9月23日)  「民主党の医療ガヴァナンス」  東京大学医科学研究所 上昌広
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年9月25日)  「緑虫との闘いー在宅医療車両の駐禁取締への提言」 長尾クリニック(尼崎市)  長尾和宏
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年9月26日)  「民主党に現状認識に立脚した医療政策を期待」 虎ノ門病院泌尿器科部長 小松秀樹
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年9月27日)  「日本のライフサイエンス研究強化の起点にー最先端研究開発支援プログラムの見直しに期待」 ベイラー研究所ディレクター  松本慎一
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年9月28日)  「政府の新型インフルエンザ対策の見直しに関する提言」 新型インフルエンザから国民を守る会共同代表 ・森兼啓太(東北大学感染制御)、森澤雄司(自治医大感染制御)
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年10月6日)  「新型インフルエンザワクチンに思うことー10mlバイアル瓶ってウソでしょう!」  自治医大病院感染科 森澤雄司
・第41回(2009年10月7日)  「新型インフルエンザに対するワクチン接種の基本方針を読む」  東京大学医科学研究所 上昌広
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年10月10日)  「インフルエンザ騒動を前に漢方を活用した日本型医療の創設を」 慶応大学医学部漢方医学センター長 渡辺賢次
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年10月15日)  「今、新型インフルエンザにどう対応すべきか」 神戸大学医学部付属病院感染症内科 岩田健太郎
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年10月16日)  「現場の医師から、新型インフルエンザ対策への提言」 匿名 内科医
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年10月20日)  「アメリカ社会の二つの顔」 細田満和子 ハーバード公衆衛生大学院研究員(社会学)
・第42回(2009年10月21日)  「新型インフルエンザは何回打てばいいのか?」  東京大学医科学研究所 上昌広
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年11月1日)  「ガン治療費の患者負担軽減、早急の解決を」 児玉有子 東京大学医科学研究所 先端医療社会コミュニケーション社会連携部門
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年11月3日)  「新型インフルエンザワクチン導入の意義は何か?」 木村盛世 厚労省医系技官
・第43回(2009年11月4日)  「新型インフルエンザワクチン接種優先順位と接種回数を考える」  東京大学医科学研究所 上昌広
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年11月6日)  「為政者が予想もしなかった新型インフルエンザ用ワクチン接種の問題点」 和田真紀夫 わだ内科クリニック院長
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年11月8日)  「新型インフルエンザワクチン接種は学校と保健所で集団接種として行えないものか」 長尾和宏 長尾クリニック
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年11月8日)  「インフルンザワクチン接種回数と優先順位」 山形大学医学部付属病院検査部 森兼啓太
・第44回(2009年11月18日)  「第4回現場からの医療改革推進協議会シンポジウムよりー患者と医療関係者の共同作業を目指して」  東京大学医科学研究所 上昌広
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年11月20日)  「必要なのは日本版ACIP−日本の予防接種をよくするため」 神戸大学病院感染症内科 岩田健太郎
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年11月21日)  「国家と市民社会そして健康」 細田満和子 ハーバード公衆衛生大学院研究員(社会学)
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年11月22日)  「新型インフルエンザワクチン接種回数論争における科学と政治、そして哲学」 成松宏人 山形大学特任准教授・東京大学医科学研究所 客員研究員
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年11月24日)  「事業仕分け作業の横暴 漢方の保険はずし」 渡辺賢次 慶應義塾大学医学部漢方医学センター長
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年11月26日)  「医師の心が折れる」 小松秀樹 虎ノ門病院泌尿器科
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年11月29日)  「ドラック・ラグ解消 薬価が鍵」 対談 片木美穂 関口康
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年11月30日)  「新型インフルエンザワクチン副作用への対応 厚労省の2枚舌」 高畑紀一 細菌性髄膜炎から子供たちを守る会事務局長
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年12月01日)  「行政刷新会議 スパコン騒動を振り返る」 宮野悟 東京大学医科学研究所教授
・第45回(2009年12月02)  「新型インフルエンザワクチン接種による早期死亡事故を検証する」  東京大学医科学研究所 上昌広
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年12月04日)  「医療配分の見直しについて」 小曾能正博 東京おその整形外科
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年12月13日)  「事業仕分けと医療政策」 中村利仁 北海道大学医学部医療システム楽助教授
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年12月14日)  「川崎協同病院事件判決−1〜この症例が殺人罪なのか?」 臨床医ネット 代表 小林一彦
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年12月15日)  「川崎協同病院事件判決−2〜法の限界と裁判官の苦悩」 臨床医ネット 代表 小林一彦
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年12月20日)  「無過失補償の拡充と免責制度の導入が望まれるワクチン接種」 久住栄二 ナビスタクリニック立川院長 東京大学医科学研究所
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年12月22日)  「川崎共同病院事件最高裁判決を受けてー再び医療界に問う」 大磯義一郎 国立ガンセンター医師・弁護士
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年12月23日)  「新型インフルエンザ難民が街中にあふれる日」 木村知 T&Jメディカルソリューションズ
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年12月25日)  「日米の医療の常識からみる延命措置の理念ータブーから目を離さないで」 村重直子 厚労省改革推進部
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年12月27日)  「医療費増加を叫ぶーもはや限界の医療現場」 多田知祐 ただ胃腸科肛門科 ・第47回(2009年12月30日)「民主党の医療政策を採点する」  東京大学医科学研究所 上昌広 ・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2009年12月31日)  「新型インフルエンザワクチン集団接種 出務記」 長尾和宏 長尾クリニック(尼崎)
2010年
・読者投稿編(2010年1月7日)  「精神病院を捨てたイタリア捨てない日本を読んで」  神津仁 神津内科クリニック院長
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年1月7日)  「喜ぶべきか悲しむべきか 10年ぶりに診療報酬プラス改定」 多田智祐 ただ胃腸科肛門科
・第48回(2010年1月13日)  「特効薬が使えない 肺動脈性肺高血圧症とフローラン」  東京大学医科学研究所 上昌広
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年1月21日ボストン便り)  「アメリカ市場化医療の起源」 細田満和子 ハーバード公衆衛生大学院研究員(社会学)
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年1月24日)  「厚労官僚の火遊びを許すなー佐藤医師への弁明の聴取が先例になれば、医療体制は崩壊」 小松秀樹 虎ノ門病院泌尿器科
・第49回(2010年1月27日)  「国民視点不在の中医協論争を嘆く」  東京大学医科学研究所 上昌広
・医療に関する提言・レポートfrom KUROFUNet(2010年1月28日)  「アメリカのコメディカルはここまでやっている!」 河合達郎 マサチュセッツ総合病院外科・ハーバード大学医学部准教授
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年1月30日)  「再診料を題材に、診療報酬決定への提言 加藤良一 加藤整形外科
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年2月1日)  「もったいないインフルエンザワクチン」 木村知 T&Jメディカルソリューションズ
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年2月9日)  「診療報酬改定議論にもっと病診連携の視点を」 長尾和宏 長尾クリニック院長 (尼崎市)
・第50回(2010年2月10日)  「岐路に立つ薬事行政 PMDAは改革されるのか?」  東京大学医科学研究所 上昌広
・JMMデンマークたより 第86回(2010年2月11日)  「医療体制の一長一短」  高田ケラー有子 造形作家 在デンマーク
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年2月19日 ボストン便り第10回)  「パワーゲームとしてのアメリカ医療」 細田満和子 ハーバード公衆衛生大学院研究員(社会学)
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年3月9日)  「過労死寸前の開業医を襲うー24時間電話対応」 多田知祐 ただ胃腸科肛門科
・第52回(2010年3月10日)  「医療の成長戦略ーオーダーメード医療とスーパーコンピューター」  東京大学医科学研究所 上昌広
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年3月22日)  「医師当直制度の現状と解決策」 時田和彦 京都府立与謝の海病院副院長
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年3月23日)  「医療を成長産業に なんて夢のまた夢」 多田智裕 ただともひろ胃腸科肛門科(武蔵浦和)
・第53回(2010年3月24日)  「新型インフルエンザワクチンはなぜ不足したか?」  東京大学医科学研究所 上昌広
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年3月25日)  「診療報酬の歴史を検証する」 和田真紀夫 わだ内科クリニック院長
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年4月2日)  「解禁してはいけない混合診療」 多田智弘 武蔵浦和ただともはる胃腸科肛門科
・第54回(2010年4月07日)  「日本医師会会長選挙を振り返る」  東京大学医科学研究所 上昌広
・第55回(2010年4月21日)  「独法行政法人の事業分けー医薬品医療機器総合機構と国立病院機構」  東京大学医科学研究所 上昌広
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年4月25日)  「経済格差と医療格差」 久住英二 ナビスタクリニック・立川
・第56回(2010年5月5日)  「新型インフルエンザ対策を科学的に検証しよう」  東京大学医科学研究所 上昌広
・医療に関する提言・レポートfrom KUROFUNet(2010年5月6日)  「躍動するトロント小児病院」 堀越裕歩 トロント小児病院・小児感染症部門・クリニカルフェロー
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年5月14日)  「民間病院における設備投資コスト調達の問題点」 亀田隆明 医療法人鉄薫会理事長
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年5月17日)  「参議院選を間近に医療事故無過失補償制度の創設を第1回」 猪俣治平 聖マリアンナ医科大病院・・「医療事故無過失補償制度を作る会」事務局長
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年5月18日)  「参議院選を間近に医療事故無過失補償制度の創設を第2回」 猪俣治平 聖マリアンナ医科大病院・・・「医療事故無過失保障制度を作る会」事務局長
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年5月19日)  「参議院選を間近に医療事故無過失補償制度の創設を 第3回」 猪俣治平 聖マリアンナ医科大病院・「医療事故無過失保障制度を作る会」事務局長
・第57回(2010年5月19日)  「パーソナルゲノム解析は社会を変えるのか?」  東京大学医科学研究所 上昌広
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年5月24日)  「アンケートー明細書要りますか、要りませんか」 神津仁 神津内科クリニック院長
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年5月30日)  「医師より製薬メーカに優しい日本の医療制度」 多田智弘 武蔵浦和ただともはる胃腸科肛門科
・第58回(2010年6月2日)  「医療問題はマンガではどう描かれているか」  東京大学医科学研究所 上昌広 
・第59回(2010年6月16日)  「子宮頸ガンワクチンを考える 第1回」  東京大学医科学研究所 上昌広
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年6月22日)  「夕張・村上医師:なぜ私は救急患者の受け入れを拒否したか・新聞社へお願いしたいこと」 遠藤香織 北海道大学整形外科医
・第60回(2010年6月30日)  「参議院選挙における医療の争点」  東京大学医科学研究所 上昌広
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年7月6日)  「周産期医療の崩壊を食止める募金活動」 対談;村重直子、松浦有子
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年7月6日)  「学習障害」 田中祐次 東京女子医大先端生命医学研究所
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年7月13日)  「混合診療を巡る世論」 清郷伸人 混合診療裁判原告(患者)
・第61回(2010年7月14日)  「佐藤章 福島医大名誉教授を悼む」  東京大学医科学研究所 上昌広
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年7月16日)  「第2の官製パニックー口蹄疫(1)」 木村盛世 厚生労働省技官
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年7月18日)  「第2の官製パニックー口蹄疫(2) 清浄国のお墨付き?」 木村盛世 厚生労働省技官
・医療に関する提言・レポートfrom KUROFUNet(2010年7月19日)  「ミネソタ州で史上最大の看護師ストライキ」 日比野誠恵 ミネソタ大学病院救急医学部准教授
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年7月27日)  「第2の官製パニックー口蹄疫(3) 殺処分が有効だという根拠?」 木村盛世 厚生労働省技官
・医療に関する提言・レポートfrom KUROFUNet(2010年5月1日)  「ホスピタリストの誕生ー彼らは急性期病院の救世主になれるか」 永松聡一郎 ミネソタ大学病院呼吸器内科フェロー
・医療に関する提言・レポートfrom KUROFUNet(2010年7月27日)  「ホスピタリストの使命ー医療の質の向上」 永松聡一郎 ミネソタ大学病院呼吸器内科フェロー
・「絶望の中の希望ー現場からの医療改革レポート」 第62回(2010年7月29日)  「子宮頸ガンワクチンを考える 第2回」  東京大学医科学研究所 上昌広
  ・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年7月30日)  「第2の官製パニックー口蹄疫(4) 公衆衛生の概念無きFMD対策」 木村盛世 厚生労働省技官
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年8月9日)  「口蹄疫対策改善のために」 山野辺滋晴 共立耳鼻咽喉科院長
・「絶望の中の希望ー現場からの医療改革レポート」 第63回(2010年8月11日)  「団塊世代の退職で、医療はどうなるか」  東京大学医科学研究所 上昌広
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年8月29日)  「後期高齢者医療制度にみる保険の限界」 中沢堅次 済生会宇都宮病院・医療制度研究会
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年9月2日)  「子宮頸ガン予防ワクチン:150億円特別枠は妥当か」 湯地晃一郎 東京大学医科学研究所付属病院内科
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年9月7日)  「帝京大学病院におけるアウトブレイクに警察権力の介入を許すな」 森澤雄司 自治医大大学病院感染制御部長
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年9月8日)  「医療安全の三方一両得に向けた保険会社のコンサルタントプログラム」 一ツ橋二の禄 エッセイスト
・「絶望の中の希望ー現場からの医療改革レポート」 第65回(2010年9月8日)  「ホメオパシー問題と緩和医療・ガンワクチン開発」  東京大学医科学研究所 上昌広
  ・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年9月9日)  「耐性菌が生まれるのは病院の責任ではないー報道機関は病院叩きをやめよ」 木村盛世 厚生労働省医系技官
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年9月10 日)  「帝京大学病院内菌感染問題を事件にしたてる厚生労働省の黒い噂」 小松秀樹 虎ノ門病院泌尿器科
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年9月9 日)  「多剤耐性アシネトバクター集団検出事例について」 森兼啓太 山形大学医学部付属病院
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年9月12日)  「多剤耐性菌感染症の集団発生に関する全国医師連盟の見解」 黒川 衛 全国医師連盟 代表
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年9月12日)  「帝京大学病院事例を巡るメディアの横暴」 森兼啓太 山形大学医学部付属病院
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年9月17日)  「院内感染は犯罪捜査の対象ではない」 井上清成 井上法律事務所 弁護士
・「絶望の中の希望ー現場からの医療改革レポート」 第66回(2010年9月22日)  「どうしたら院内感染を減らすことが出来るか」  東京大学医科学研究所 上昌広
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年9月23日)  「院内感染対策」 森兼啓太 山形大学医学部付属病院
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年10月06日)  「医療保険制度に求められる公共性」 清郷伸人 混合診療裁判原告
・「絶望の中の希望ー現場からの医療改革レポート」 第67回(2010年10月6日)  「内閣改造で医療行政はどうなるか」  東京大学医科学研究所 上昌広
・医療に関する提言・レポートfrom MRIC(2010年10月07日)  「パンデミックウイルス対策:日本版CDCの設立を」 和田真紀夫 和田内科クリニック院長

ここまでで195件の発言があった。著者村重直子氏も2009年9月3日「インフルンザワクチン副作用の補償と訴訟の選択を考える」、12月25日「日米の医療の常識からみる延命措置の理念ータブーから目を離さないで」、2010年7月6日「周産期医療の崩壊を食止める募金活動」の3回にわたりJMM「現場からの医療改革レポート」ネットに投稿している。
JMM「現場からの医療改革レポート」の話題を拾ってゆくと、2008年3月から夏にかけて医療崩壊の原因を医療費抑制政策から来る医師不足とみて、福島県立大野病院産科の事故裁判を危惧する発言が多い。官製「医療事故調査委員会」の危険な本質を懸念する論があった。11月から妊婦たらい回し事件(都立墨東病院事件が槍玉に上がったが)の発言が多くなる。産科崩壊という視点で問題点がほりおこされた。医療費削減政策による病院の赤字体質、医師の雇用問題、コメディカルの絶対不足などが論じられた。2009年5月より「新型インフルエンザ騒動」に関する議論が沸騰した。空港検疫から始まり、インフルンザワクチン輸入をめぐる混乱、インフルエンザ簡易検査キットとPCR検査キットの絶対不足、新型インフルエンザワクチン接種の優先順位、ワクチンの不足とインフルンザワクチン接種回数、タミフル耐性菌、学級閉鎖、WHO勧告問題、10mlバイアル瓶騒動、新型インフルエンザワクチンの効果と副作用への対応など年内はインフルエンザで持ちっきりの状態だったが、インフルエンザの被害はそれほど広がらず、毒性も強くなかったことから年を越すと騒動は急速に鎮火した。2009年12月は延命治療問題である川崎共同病院判決に関する意見が出された。2010年より診療報酬改定議論が起こり、民主党政権下で30年ぶりに診療費が僅かながらアップした。民主党政権の事業分けー医薬品医療機器総合機構と国立病院機構が議論された。5月に医療事故無過失補償制度の創設を願う強いメッセージが出された。レセプト発行義務化と医療側情報公開も話題となった。7月より宮崎県の口蹄疫病問題(農水省のどたばたであるが)に話題移った。医療問題とは直結しないが、やはり官製騒動のお粗末さが見せ付けられたという。9月には団塊世代の高齢化による後期高齢者医療制度問題が取り上げられ、子宮頸ガン予防ワクチン特別枠の賛否と制度に関する議論が起きた。帝京大学病院内菌感染問題(多剤耐性アシネトバクタ)に警察が捜査に入ることに危惧した反対運動が巻き起こり警察介入は防げたが、厚労省は伝染病並みの届け出を義務化しようとする動きもある。そしていつものことながら官僚のリークに頼るメディアの取材に対する医療側の批判は強い。本書の内容である1:新型インフルエンザ対策、2:インフルエンザワクチン騒動、3:米国型医療と日本医療 4:事故調査委員会、5:医療再生の道筋はこの医療問題ネットワークで議論されてきた事柄であり、かつ著者のスタンスは厚労省改革であるのでネットワークの論点と近似している。したがって詳細に内容を吟味することはやめる。


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