キース・ジャレット 「ラ・スカラ」 

ジャズともクラッシックともいえないピアノ独演会



ECM  ポリドールKK 1995

この録音は1995年2月13日 ミラノ/スカラ座にてライヴ録音されたものです。コレをジャズの範疇にするのか、クラシックの範疇にするのか迷いましたが、キース・ジャレットが唸り声を上げる事とピアノの胴体を叩く音がすることから、ジャズと扱う事にしました。その2点がなければ、音楽のフランス印象派ドピッシーのピアノと大差ないように思えます。ところでキース・ジャレットはマイルス・デービスのジャズのところでも述べた気がしますが、マイルスが発掘した才能です。このバンドに何年か在席しています。本来はジャズマンなのですが、クラシック分野にも才能を発揮して、ミカラ・ペトリとリーコダーソナタを演奏したりしています。

キース・ジャレットのプロフィールを紹介する。1960年代にアート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズに参加して注目され、1970年にマイルス・デイヴィス・グループに参加。初期はチック・コリアとのツイン・キーボード制のなかで、主にオルガンを演奏した。チック・コリアが同バンド退団後はひとりでオルガンとエレクトリック・ピアノを担当し、バンド・サウンド決定の重要な担い手となった。「ライブ・イビル」、「マイルス・アット・フィルモア」が有名。1971年には同グループ在籍中のヨーロッパ・ツアーで当時新興レーベルだったECMのオーナー、マンフレット・アイヒャーと出会う。その後、完全即興によるピアノ・ソロ・コンサートを数多く行い、ECMより一連のピアノ・ソロ作品をリリース。その高い完成度から名声を確立した。ソロ作品の多くはコンサート・ホールでの実況録音が多く、プログラムの一切無い完全即興によるテンションの高い神がかり的な演奏には定評がある。代表的なソロ作品に、「ザ・ケルン・コンサート」、「ステアケイス」、「サンベア・コンサート」、「パリ・コンサート」、「プレゲンツ・コンサート」、「ラ・スカラ」等がある。1983年にゲイリー・ピーコック、ジャック・ディジョネットらと結成したトリオは、20年以上にわたって活動を続けているジャズ史上でも稀有なユニット。1990年代後半から2000年頃は、病気のためにその活動を中断していた。2000年より少しずつ活動を開始し、ソロや前述のトリオでの活動を継続しているが、ベース・ドラムとのコラボレーションに重きを置いた演奏となっている。クラシック演奏に関しては、1980年代後半から1990年代にかけてバッハやヘンデルといったバロック期の作品や、モーツァルト、ショスタコーヴィチの作品を演奏した。

このCDは全78分の長いライブ録音で、ラ・スカラ パート1 (45分)  ラ・スカラ パート2 (27分)と、アンコール曲としてオーバーザレインボー(6分)からなる。録音状態は極めて良好で、澄んだピアノ音が静かに流れ出す。主題の延々たる繰り返しであるが何処でとめたらいいものか。



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