さびの歌詞(曲のキーワード) |
捨てただろう 捨てただろう 枯れてしまったから |
詩の構造 |
1:a-b-a' 2:a'-b-a"-a" |
曲の調子 |
典型的な恨み節 ↓ |
曲の感想 |
笑顔をなくした追憶を赤いバラの花に託した |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
遠い 故郷へ 舟を運べよ |
詩の構造 |
1:a-b-a' 2:c-d-a"-a" |
曲の調子 |
典型的な恨み節 ↓ |
曲の感想 |
挫折と過去への追憶がうまく表現されている |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
そしてあたしは いつも夜咲くアザミ |
詩の構造 |
1:a-b-c-b 2:d-e-c-e 3:c-a-b |
曲の調子 |
典型的な恨み節 ↓ |
曲の感想 |
みゆきは自分の呼び方をわたし、あたし、あたいと使い分けている。夜咲くアザミとは自虐表現 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
あたし一人 ここに残して あの人が 逃げてゆく |
詩の構造 |
1:a-b-a 2:c-b-d 3:b-d |
曲の調子 |
aはアップテンポな、bは恨み節 ↓ |
曲の感想 |
やけくそ気味のアップテンポなうらみ節曲。これもみゆき節の魅力 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
もう長いこと あたしは ひとり遊び |
詩の構造 |
1:a-b-c 2:a'-b'-c きわめて分かりやすい構造 |
曲の調子 |
典型的な恨み節 ↓ |
曲の感想 |
一人よがりなからまわりの人生を悲しくも美しく表現した曲。実像かどうかは関係ない。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
だれも 悪くはないのに
悲しい事は いつもある |
詩の構造 |
a-b-a'-b-a' |
曲の調子 |
典型的な恨み節 ↓ |
曲の感想 |
ちぐはぐな人生の悲しみを簡潔に表現 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
歌おう 謳おう 心の限り 愛をこめて あなたのために |
詩の構造 |
1:a-b-c-d 2:e-b'-f-d-d |
曲の調子 |
典型的な恨み節 ↓ |
曲の感想 |
孤高の歌い人の心意気 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
悲しいはずの 思い出も やさしい出来事に 見えてくる |
詩の構造 |
1:a-b-c 2:d-e-c-c |
曲の調子 |
典型的な恨み節 ↓ |
曲の感想 |
歌は単調だが、この歌のすばらしく聞こえるのは声の美しさにある。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
今日は倒れた旅人たちも 生まれ変って歩きだすよ |
詩の構造 |
a-b-c-d-b'-c'-d'-d'-d' |
曲の調子 |
典型的な恨み節 ↓ |
曲の感想 |
倒れても倒れても歩き続ける意思の歌。ロマンチックな中島みゆき節の名曲のひとつ。 |
アルバム2) 「みんな去ってしまった」より
アルバム1と同じ1976年のリリース。「雨が空を捨てる日は」、「冬を待つ季節」、「うそつきが好きよ」に中島みゆきの若く高い美しい声が出ていた。どすの利いた声ではなくメロディに乗って美しい声が聞こえる。
さびの歌詞(曲のキーワード) |
空は風色 ため息模様 |
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b-b |
曲の調子 |
→ 歌謡曲のような流れるメロディ |
曲の感想 |
美しいメロディに乗って高い声が歌う。いかにも少女の歌 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
彼女の人生 いつでも晴れ(反語) |
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b' 3:b" 4:d-c せりふ中心の歌で定型構造はない |
曲の調子 |
↓ 典型的な恨み節 どすの利いたせりふにしびれる |
曲の感想 |
「酒と くすりで 体はズタズタ」、「おかみさんたちよ あんたらの方が あこぎな真似を してるじゃないか」というせりふにはドッキ。中島みゆきの毒舌が冴える。
|
さびの歌詞(曲のキーワード) |
どこか 曲がる所を 探して はやく 角を、曲がってしまおうよ
|
詩の構造 |
1:a-b-c-a 2:d-c-e-a |
曲の調子 |
↓ リズミカルに調子のいい歌 |
曲の感想 |
放浪賛歌 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
東の風が吹く頃 長距離バスが乗せて来た
|
詩の構造 |
1:a-b-c 2:d 3:e-c 4:a-c-f-f 曲の区切りは意味をもたない。詩の定型も持たない |
曲の調子 |
↑ 調子のいい曲 |
曲の感想 |
放浪賛歌 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
真直な線なんて 引けやしないよ |
詩の構造 |
a-a-b-a'-b-b 極めて単純な構造(a-b) aと対句をなすa'のつながり不明 |
曲の調子 |
→ かったるいだらだらメロディ |
曲の感想 |
直線という観念の勝った曲 比喩あそび |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
思い出してごらん 五才の頃を |
詩の構造 |
1:a-a'-a 2:b 3:a aという内容ひとつで構成されている |
曲の調子 |
→ 流れるようなメロディが幼児の思い出のまわりに |
曲の感想 |
「泣き出そうとしても 泣き顔がない」という言葉にはっとさせられる。何も覚えていない。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
春夏秋は 冬を待つ季節 |
詩の構造 |
1:a-b 2:a'-b 3:c-d-b |
曲の調子 |
→ 美しいメロディ |
曲の感想 |
実にアイロニーな見方 別れのために出会いがあるという逆説 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
浮気でやくざな 女が今夜どこで どうしていようと 知ったことじゃないが
|
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b 3:d-b ストーリは a-c-dで展開される |
曲の調子 |
↓ いやな女の一人芝居 |
曲の感想 |
面白いストーリ展開だ |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
あんたの涙と あたいの涙 夜汽車は 03時に すれ違う |
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b 3:d-b 典型的な歌構造 |
曲の調子 |
↓ 放浪癖の女 |
曲の感想 |
典型的なすれ違いの歌 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
好きよ 好きよ 嘘つきは 牙の折れた 手負い熊
|
詩の構造 |
1:a-b-c-d 2:e-f-a-d 定型的な構造はない |
曲の調子 |
↑ 高い声だ |
曲の感想 |
「自慢話は嫌い 約束事は恐い」にははっとさせられたが、詞が実にうまい |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
誰かあたしを おさえていてよ 少しのあいだ
|
詩の構造 |
1:a-a' 2:b-b'-a" 詞の中心はaのみで単純 |
曲の調子 |
→ かったるい流れの曲 |
曲の感想 |
わがままな娘心 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
遠く遠く遠く遠く 忘れられるものならば |
詩の構造 |
1:a-b-c 2:a'-d-c |
曲の調子 |
→ 単純なメロディ |
曲の感想 |
「忘れられるものならば もう 旅になど出ない」 |
アルバム3) 「あ・り・が・と・う」より
1977年リリース、アルバム3枚目である。美しいメロディーで歌う「まつりばやし」、「朝焼け」、「ホームにて」や、はっとさせられるストーリ展開が面白い「遍路」、「店の名はライフ」、「時は流れて」など、中島みゆきならではの世界が歌われている。若いのにどうしてこんなセルフが吐けるのか?
さびの歌詞(曲のキーワード) |
もう幾つ目の 遠回り道 行き止まり道 |
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b 3:d-b |
曲の調子 |
→ 激しい感情の起伏は少ない |
曲の感想 |
悲劇的というよりむしろコミカルな落とし文句にはっとさせられた |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
店の名はライフ 自転車屋のとなり どんなに酔っても たどりつける |
詩の構造 |
1:a-a-b-a 2:3:4も同じ構造 |
曲の調子 |
↑ |
曲の感想 |
ストーリー展開が楽しい(自転車の隣ーおかみさんと娘ー3階は屋根裏ーいまや純喫茶) |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
もう 紅い花が 揺れても |
詩の構造 |
1:a 2:b 3:c ほとんど繰り返し構造を持たない |
曲の調子 |
→ 美しいメロディーが流れる |
曲の感想 |
1:起 2:転 3:結の構造。まったく意外な悲劇的転回 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
笑ってごらんなんて なぐさめを あたし これから 信じないわ
|
詩の構造 |
1:a-b 2:c-a' 3:a |
曲の調子 |
↓ ドラマチックな旋律 |
曲の感想 |
ひどい男への恨み言 女の痴話 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
|
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b 3:b' |
曲の調子 |
↓ いいメロディだ |
曲の感想 |
ひどい男への恨み言 女の痴話 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
ネオンライトでは 燃やせない ふるさと行きの乗車券
|
詩の構造 |
構造はない |
曲の調子 |
→ 美しく悲しいメロディー |
曲の感想 |
望郷の念止み難し このアルバムで一番印象に残る曲 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
あたしはあたし おもちゃじゃない どうしようと勝手
|
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b' 3:b |
曲の調子 |
↓ |
曲の感想 |
まったくやけくその歌 女の痴話 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
きっと暗くて探せないだけよ |
詩の構造 |
構造はない |
曲の調子 |
↑ 調子はいい |
曲の感想 |
自分中心の世界 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
時は流れて 時は流れて そして あたしは 変わってしまった |
詩の構造 |
構造はない |
曲の調子 |
↓ メロディーというより語りの世界、悲痛な叫び |
曲の感想 |
「明日などないと 酒をあおれば なお褪めて 今日も まだ生きていた 人生は そんなもの」なんていう科白なの
|
アルバム4) 「愛していると云ってくれ」より
1978年リリースアルバム。独白調セリフのみの歌?「元気ですか」、「お前の家」というみゆき独特の世界が現れた。そうかと思うと「玲子」、「海鳴り」という美しいメロディと高い声の歌もあり、また「世情」という社会風刺のきいた歌、さらにコミカルなストーリ展開が楽しい「ミルク32」、「あほう鳥」といった多彩なみゆき像を見せてくれるアルバムだ。
さびの歌詞(曲のキーワード) |
……ウソ ばっかり……誘いをかけてるだけよ |
詩の構造 |
定型構造はない |
曲の調子 |
→ せりふのみで歌ではない |
曲の感想 |
メロディのない失恋の独白 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
怜子 いい女になったね |
詩の構造 |
1:a-b 2:a'-b |
曲の調子 |
↑ 高く美しい声 |
曲の感想 |
恋がうまくいっている稀な例 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
わかれはいつもついて来る 幸せの後ろをついて来る |
詩の構造 |
1:a-b-c-d 2:e-f-c-d |
曲の調子 |
↓ 強い調子の歌 |
曲の感想 |
「恋の終わりは いつもいつも 立ち去る者だけが 美しい」というのが中島みゆきの美学なのか。 みゆきの名曲のひとつ
|
さびの歌詞(曲のキーワード) |
海鳴りよ 海鳴りよ 今日も また お前と 私が 残ったね
|
詩の構造 |
1:
a-b-c 2:d-e-c |
曲の調子 |
→ 最も美しい曲のひとつ |
曲の感想 |
孤独な女心を歌った名曲 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
流れるな 涙 心でとまれ. |
詩の構造 |
1:a-b-c 2:a'-c |
曲の調子 |
↓ 典型的な恨み節調 |
曲の感想 |
後悔と恨みで泣き叫ぶ女心 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
ねえ ミルク 聞いてるの. |
詩の構造 |
1:a1-a2-b 2:a3-a4-c 3:a5-d |
曲の調子 |
→ コミックなセリフの流れ |
曲の感想 |
32歳になっても平行線の男女 ミルクはマスターのこと |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
二人並べて よくよく 見れば どちらも 泣かない あほう鳥 |
詩の構造 |
1:a-b-c 2:a'-b-c |
曲の調子 |
↑ 最高のコミックソング「女:あたしは いつもねぐらを探す 男:あんたは いつも 出口を探す」
|
曲の感想 |
言葉にメリハリのある対句(おつむーこころ)(ねぐらー出口)を使い、コミカルに展開。機微をついた歌 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
ギターは やめたんだ 食って いけないもんな |
詩の構造 |
構造はない |
曲の調子 |
→ せりふの静かに流れる歌 |
曲の感想 |
物語の展開がやさしく、人生の機微をつかんでいる。青春の挫折 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
時の流れを止めて 変わらない夢を 見たがる者たちと 戦うため |
詩の構造 |
a-b-c-b-b-b |
曲の調子 |
↓ テレビ「金八先生」の挿入歌 |
曲の感想 |
変えようとする力、変われないものの哀れさとうそへの同情にあふれた歌 社会派歌謡曲の名曲 |
アルバム5) 「親愛なる者へ」より
1979年リリースアルバム。ドラマチックな「裸足で走れ」、美しいメロディーの「根雪」、お涙なしでは聞けない「ダイヤル117」 、社会風俗観察のすぐれた「狼になりたい」 などが傑作ではなかろうか。
さびの歌詞(曲のキーワード) |
裸足で 裸足で ガラスの荒れ地を 裸足で 突っ走れ |
詩の構造 |
a-b-c-d-e-c |
曲の調子 |
↓ ドラマチックなメロディー、歌詞 |
曲の感想 |
「命があるなら 闘うべきだと おびえた声がする」と急所を突くような鋭い歌詞。背後から傷つける世の非情さを突っ走れ
|
さびの歌詞(曲のキーワード) |
タクシー・ドライバー 苦労人とみえて あたしの泣き顔 見て見ぬふり |
詩の構造 |
a-b-c-d-c-e-f-c-c |
曲の調子 |
→ コミカルな流れ |
曲の感想 |
から元気と落ち込みの落差、付き合わないタクシー運転手 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
くり返す その前に 明日は少し ましになれ |
詩の構造 |
a-a-b-a-a'-c-a'-a'-a' ほとんどが繰り返し |
曲の調子 |
↓ 泥海とは大げさだ |
曲の感想 |
悔い、許しよりも「明日は少し ましになれ」と前向きな歌 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
信じ難いもの:愛の言葉 誘い言葉 |
詩の構造 |
a-b-c-b' 単純な構造 |
曲の調子 |
↓ 分かりやすいが深みがない |
曲の感想 |
「信じてはいけない、大人になりなさい」悟の歌 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
いつか時が経てば 忘れられる あんたなんか
|
詩の構造 |
a-b-c-d-e-c |
曲の調子 |
↓ 美しいメロディー、最後のオーケストレーションも聞かせる |
曲の感想 |
やさしい女の慰めの歌 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
手を放せ 早く すがる袖から うかれているのはおまえだけ |
詩の構造 |
a-b-a'-b |
曲の調子 |
↓ ハイテンション |
曲の感想 |
どすの聞いた内容 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
張りつめすぎた ギターの糸が 夜更けに ひとりで そっと切れる |
詩の構造 |
a-a'-b-c-d-b'-b' |
曲の調子 |
↓ 引きつるような悲痛な叫びの歌 |
曲の感想 |
美しい緊張と張り詰めた気持ちの名曲。お涙チョチョ切れ |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
おまえ おまえ 海まで百里 坐り込むにはまだ早い |
詩の構造 |
|
曲の調子 |
a-b-c-d-c'-c' |
曲の感想 |
長い人生、自分を励ます歌 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
狼になりたい 狼になりたい ただ一度 |
詩の構造 |
構造はない |
曲の調子 |
↓ やり場のない若者の鬱積 |
曲の感想 |
牛丼の吉野家での社会風俗観察が利いている |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
風は北向き 心の中じゃ 朝も夜中も いつだって吹雪< |
詩の構造 |
a-b-c-d-e-a |
曲の調子 |
↑ 元気を出してゆこうやという曲 |
曲の感想 |
自転車操業のような人生の励ましの歌 |
アルバム6) 「おかえりなさい」より
1979年リリース。「あ ば よ」、「髪」、「サヨナラを伝えて」、「しあわせ芝居」、「雨」、「この空を飛べたら」、「世迷い言」、「 ルージュ」、「追いかけてヨコハマ」、「強がりはよせョ」このアルバムでは全曲が中島みゆきの若いときの最高のできと言える名曲ぞろい。この一枚で中島みゆき像を不動のものとした感がある。どうしてこれほどの傑作が集中したのか不思議だ。
さびの歌詞(曲のキーワード) |
笑ってあばよと気取ってみるさ 泣かないで 泣かないで 私の恋心 |
詩の構造 |
a-b-a'-b-b |
曲の調子 |
↓ 静かに歌われる女の意地 |
曲の感想 |
「忘れないで冷たく答えて欲しい」という捨てぜりふ |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
切ってしまいます あなたに似せて 切ってしまいます この髪を |
詩の構造 |
a-b-c-a'-d-c |
曲の調子 |
美しいメロディー |
曲の感想 |
髪は女の命 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
黄色いローズマリー 伝えてさようなら |
詩の構造 |
a-b-c-b'-b' |
曲の調子 |
↑ コミカルな展開 |
曲の感想 |
花言葉に託されたさよなら |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
恋人がいます 恋人がいます 心のページに綴りたい |
詩の構造 |
a-b-c-a'-b-c |
曲の調子 |
↑ ひと時の幸せな歌 |
曲の感想 |
起、承、転のめりはりの利いた展開 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
冷たい雨、雨、雨、雨、いまさら あなたが こんなに愛しい
|
詩の構造 |
a-b-a'-b-a"-b |
曲の調子 |
↓ 美しい泣ける曲 典型的なうらみ節 |
曲の感想 |
明確な構造を持ち、覚えやすい名曲 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
ああ人は 昔々鳥だったのかもしれないね こんなにも こんなにも 空が恋しい
|
詩の構造 |
a-b-c-a'-d-c |
曲の調子 |
→ 美しいメロディーとストーリー |
曲の感想 |
加藤登紀子も歌っていた名曲、くたばらない女 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
ヨノナカバカナノヨ |
詩の構造 |
a-b-c-b'-b |
曲の調子 |
→ コミカルな展開 |
曲の感想 |
言葉遊び |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
口をきくのが 上手くなりました ルージュ ひくたびにわかります |
詩の構造 |
a-b-a-a'-c-a-c |
曲の調子 |
↓ 悲しい女の心の変化が静かに歌われる |
曲の感想 |
口紅の色がうす桜から次第に濃くなってゆく悲しさを描いた名曲 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
追いかけてヨコハマ あの人が逃げる 残した捨てゼリフに誰か見覚えはありませんか |
詩の構造 |
a-b-c-a-a'-b'-d-a-c-a |
曲の調子 |
↑ ツービートのリズミカルな曲、インベーダーゲームの効果音もうまい |
曲の感想 |
実にテンポのいい名曲 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
強がりはよせよと笑われて 淋しいと答えて泣きたいの
|
詩の構造 |
a-b-a'-b-b |
曲の調子 |
↓ 静かな悲しい曲 |
曲の感想 |
強がりな女の歌では中島みゆきは天下一品 |
アルバム7) 「生きていていいですか」より
1980年リリース。「うらみます」、「キツネ狩りの歌」、「蕎麦屋」、「船を出すなら九月」、「エレーン」、「異 国」の7曲と少ない曲数である。アルバムの名からして暗い。生きる価値のない人はいないはず。全編これ暗い、恨みに貫かれている。「エレーン」がアルバムの主題歌で一番できがいいと思う。ふつうのアイドル歌手では暗い曲はタブーだ。これだけ暗い曲を歌う中島みゆきは芝居上手?ひねくれ者?マゾイスト?やはり役者だね。
さびの歌詞(曲のキーワード) |
ふられたての女くらいだましやすいものはないんだってね |
詩の構造 |
a-b-c-b'-b' |
曲の調子 |
↓ 高い声で暗い歌を歌うと悲痛な叫び声になる。また尺八の音とオーケストレーションもドラマチック |
曲の感想 |
恨みに徹した歌、恐ろしい女には近づきたくないね |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
泣きたい夜に一人はいけない あたしのそばにおいで |
詩の構造 |
a-b-c-b-b |
曲の調子 |
↓ なんて暗い流れが続くのか |
曲の感想 |
こちらまで泣きたくなるね |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
キツネ狩りにゆくなら気をつけておゆきよ |
詩の構造 |
特に構造はないがaが繰り返されている |
曲の調子 |
↑ アルバム中で唯一アップな曲 |
曲の感想 |
コミカルな歌、狐とはなんだろうか女のことか |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
風はのれんをばたばたなかせてラジオは知ったかぶりの大相撲中継 |
詩の構造 |
構造はない。物語がある |
曲の調子 |
→ かったるい歌、物語が静かに展開される |
曲の感想 |
自信のなくなる時の心はからっぽ |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
あなたがいなくても 愛は愛は愛は愛は まるで星のようにある |
詩の構造 |
a-b-a'-c-a' |
曲の調子 |
↓ 高い声と高い楽器の音 |
曲の感想 |
古い恋は捨ててまた新しい恋に向かって前進、懲りない女 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
エレーン 生きていてもいいですかと誰も問いたい エレーン その答えをだ誰もが知ってるから誰も問えない |
詩の構造 |
構造はないがaが繰り返される |
曲の調子 |
↓ 静かな追憶の歌、声が高い分だけ悲痛に聞こえる |
曲の感想 |
悲しい娼婦の追憶 お涙なしでは聞けない哀歌 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
百年してもあたしは死ねない.. |
詩の構造 |
a-b-c-d-e-f-c-c-c-c cの繰り返しがなければ構造はないといっていい |
曲の調子 |
↓ 悲痛な疎外された人の叫び |
曲の感想 |
高い声で緊張と思いつめと悲痛さが倍増される |
アルバム8) 「臨 月」より
1981年リリースのアルバム。「あした天気になれ 」、「あなたが海を見ているうちに」、「あわせ鏡」、「ひとり上手」、「雪」、「バス通り」、「友 情」、「成人世代」、「夜 曲」の9曲からなる。なんとこのアルバムは歌詞の熟練度が桁違いに高く、歌の内容が人生の本質に迫るものがある。美しい歌には「あなたが海を見ているうちに」、「雪」、アップテンポの歌には「あした天気になれ 」、「ひとり上手」、人生に鋭く切り込んだ短調の歌には「あわせ鏡」、「友 情」の名曲がずらりと並んだ傑作アルバムである。
さびの歌詞(曲のキーワード) |
雨が好きです 雨が好きです あした天気になれ |
詩の構造 |
a-b-c-d-b |
曲の調子 |
↑ ノー天気なほど明るい曲 |
曲の感想 |
人並みに夢をもち結末はいつもずズッコケルのが恐い臆病な心、矛盾した屈折した気持ちを風刺気味に表現 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
忘れないでね 忘れたいんだ 言えない言葉 背中から背中へ |
詩の構造 |
構造はないがメロディは繰り返す |
曲の調子 |
→ たとえようもなく美しいメロディー |
曲の感想 |
絵に描いたような別れの曲、舞台におあつらえ向きの海岸、国道 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
明るい顔ができるまでには クスリたくさん必要よ 大丈夫よって言えるまでには お酒 必要よ |
詩の構造 |
a-b-c-b'-b' |
曲の調子 |
↓ 暗い曲 |
曲の感想 |
歌詞の構造・対句がよく練られている。ドキとする言葉がちりばめられている。血、クスリ、酒 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
心だけ連れてゆかないで 私を置いてゆかないで |
詩の構造 |
a-a'-b-c-d-b-b |
曲の調子 |
↑ 明るい高い声でテンポのはっきりした曲 |
曲の感想 |
ふられるのはみゆきの常套句。分かりやすい言葉で女心をテンポよく流している。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
いま あの人の命が 永い別れ 私に告げました |
詩の構造 |
a-b-a-c-d-c-d-a |
曲の調子 |
→ 美しいピアノに沿って哀歌が静かに流れる |
曲の感想 |
涙チョチョ切れ、抵抗の仕様もなく美しい歌だ。はかない命との出会い、淡雪のように消える命、人生の悲しみを静かに歌う名曲 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
バスは雨で遅れてる 店は歌が 止まってる |
詩の構造 |
a-b-c-d-b'-e ほとんど構造を持たない |
曲の調子 |
→ 高く張りのある声でメロディが流れる |
曲の感想 |
つまらない間違いから男女関係が壊れる、かわいそうな女 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
救われない魂は 傷つけ返そうとしている自分だ |
詩の構造 |
a-b-c-d-c-f-c |
曲の調子 |
↓ 恐ろしくドラマチックな恨み節 |
曲の感想 |
すばらしい歌詞であふれている。深い人生観察がきいた傑作。「この目をつぶすナイフがほしい、心の荷物は軽くない、 時代と言う名の諦めが、 背中にかくした ナイフの意味を」 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
夢やぶれ いずこへ還る |
詩の構造 |
a-b-c-b' |
曲の調子 |
↑ 夢破れた割に元気な歌 |
曲の感想 |
大人になることが夢破れることなら、世の中が間違っている |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
街に流れる歌を聴いたら どこかで少しだけ私を思い出して |
詩の構造 |
a-b-c-b'-a'-b |
曲の調子 |
→ 静かな女心 |
曲の感想 |
歌手はいつも聞く人の気持ちを代弁するものだ |
アルバム9) 「寒水魚」より
1982年リリース。「悪」、「女」、「傾 斜」、「鳥になって」、「捨てるほどの愛でいいから」、「BGM」、「家 出」、「時刻表」、「砂の舟」、「歌 姫」の9曲よりなる。このアルバムの特徴は優しい声である。やさしいといっても気を引こうとする猫なで声、哀れみを請う声、本当に女らしい声など色々だ。中でもやさしくて美しい歌は「鳥になって」、「砂の舟」、「歌 姫」の3曲がいい。面白い内容では老女を歌った「傾 斜」がいい。
さびの歌詞(曲のキーワード) |
悪女になるなら月夜はおよしよ 素直になりすぎる |
詩の構造 |
a-b-c-d-e-c |
曲の調子 |
↓ テンポのいい曲 |
曲の感想 |
深夜の風俗観察ができている。悪女になりきれぬ女が分かりやすく歌われる。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
としをとるのはステキなことです そうじゃないですか 忘れっぽいのはステキなことです そうじゃないですか |
詩の構造 |
a-b-c-b'-b |
曲の調子 |
↓ 語りの世界 |
曲の感想 |
物語が面白い。老婆を歌う稀有な歌。女が年を取ることを決して馬鹿にしていない。都合の悪いことは忘れてしまえ |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
眠り薬をください 私にも 子供の国へ 帰れるくらい |
詩の構造 |
a-b-c-b'-b |
曲の調子 |
→ 静かな美しい曲 |
曲の感想 |
cに書かれたずっこけ失恋劇から、恥ずかしくて逃げ去りたい乙女心 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
夢でもいいから 嘘でもいいから どうぞふりむいて どうぞ気がついて |
詩の構造 |
a-b-a-c-a-a |
曲の調子 |
→ 優しい声で泣き出しそうな流れ |
曲の感想 |
優しくされてほれる女の失恋物語。哀れみを請うこんな姿はほんとかね。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
B.G.M.は 二人だけのとっておきのメロディー |
詩の構造 |
a-b-c-d-d |
曲の調子 |
→ 優しい声、淡々と流れるボサノバ風 |
曲の感想 |
またしても最初から部外者だった失恋劇 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
夜は浅く 逃げる者には 足跡だらけの 月あかり |
詩の構造 |
a-b-c-d-b' |
曲の調子 |
↓ 張りのある声 |
曲の感想 |
家出より姑との戦いを望む、みゆきならではの歌 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
今夜じゅうに行ってこれる海はどこだろう 人の流れの中で そっと時刻表を見上げる |
詩の構造 |
a-b-c-d-e-c' |
曲の調子 |
→ 優しい声で話しが主、メロディは従 |
曲の感想 |
世相(インタビュー、アリバイ、サラリーマン、評論家)観察に優れている。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
いま 誰もいない夜の海を 砂の船がゆく |
詩の構造 |
a-b-c-b'-b' |
曲の調子 |
↑ 美しいメロディー |
曲の感想 |
逃げる愛を静かに歌った。砂の船は遅いだけで、進むのだろうか? |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
歌姫 スカートの裾を 歌姫 潮風になげて 夢も哀しみ欲望も 歌い流してくれ |
詩の構造 |
a-b-c-b'-e-b"-b' |
曲の調子 |
→ 優しい声で静かに美しいメロディーを歌いだす |
曲の感想 |
嘘と歌をかけて、歌で洗い流してくれ |
アルバム 10)「予 感」より
1983年リリース。「この世に二人だけ」、「夏土産」、「髪を洗う女」、「ばいばいどくおぶざべい」、「誰のせいでもない雨が」、「縁テキーラを飲みほして」、「金 魚」、「ファイト」の9曲よりなる。このアルバムで中島みゆきの歌に何か変化が起きている。これまでの高くて張りのある声から声変わりしてきた。また歌詞が漢文調の言葉になり美辞麗句が多用されている。また極端に短い曲がある。「髪を洗う女」が典型的なみゆき節の名曲である。「誰のせいでもない雨が」、「金 魚」、「ファイト」が同一の妙にかわいい声になって私は好きでない。大阪弁の「ファイト」の女の子は誰。予感というアルバム名は変化の兆しか?
さびの歌詞(曲のキーワード) |
心ならずも願ってしまうけど それでもあなたは 私を選ばない |
詩の構造 |
a-b-c-d-e-c-c |
曲の調子 |
→ 淡々と歌われる
|
曲の感想 |
こんな片思いにどうしてこだわるのか |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
あなたと同じ場所からの貝殻と 恋人たちの写真< |
詩の構造 |
a-b-c-b-b' |
曲の調子 |
↑ かわいい声でトリック仕立ての歌 |
曲の感想 |
嘘をつく男それに気づく女、それでも好きな女懲りないね |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
いつまでいつまで 飽きもせず 女が髪を洗います |
詩の構造 |
a-b-c-b'-b' |
曲の調子 |
→ 美しいメロディー |
曲の感想 |
洗い流そうとして洗い流せない男の匂い、未練な女。「元結ほどけば 崩れるように 髪の毛だけが 泣くのです」の言葉が美しい。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
幕を引かないでくれ 明かりを消さないでくれ みんなわかってるから 誰も何も言わないでくれ |
詩の構造 |
a-b-c-d-b |
曲の調子 |
→ かったるい語りが主の歌 |
曲の感想 |
体の故障で引退するミュージシャンの孤独・忘れられる疎外感 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
月日すべての悲しみを癒せ |
詩の構造 |
a-b-c-b-d-b |
曲の調子 |
↓ 「ファイト」とおなじ妙にかわいい声 |
曲の感想 |
美辞麗句がちりばめられた硬い曲、日々の暮らしが雨のように悲しみを洗う。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
この縁は ありやなしや |
詩の構造 |
a-b-b 極端に単純な構造 |
曲の調子 |
↓ ドラマチックに仕立てられた |
曲の感想 |
漢文調の言葉があって曲が作られた。だから展開がないのだ。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
短かった幻の日々に こちらから Say Good Bye |
詩の構造 |
a-b-c-d-b-c-c |
曲の調子 |
↑ うらみ調にならずアップな曲。テキーラのせいか。 |
曲の感想 |
6年待った女のやけ酒。地獄へ落ちたがっている女。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
きらりひらりきらりひらり 人生が身をかわす |
詩の構造 |
詞の構造はない |
曲の調子 |
↓ 変にかわいい声、しかし張りがない。 |
曲の感想 |
長い長いイントロ、極端に短い歌。これまでにたいする反動期なのか。疲れたのか。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
ファイト! 闘う君の唄を 闘わない奴等が笑うだろう |
詩の構造 |
a-b-c-b-d-b-f-b-b |
曲の調子 |
↓ 暗い語りがすべての曲 |
曲の感想 |
これはみゆきを代表する名曲であるが、誰も歌わないし好きになれないだろう。理不尽な世間に対する若い人への応援歌。しかし暗すぎる。 |
アルバム11) 「はじめまして」より
1984年リリース。「僕は青い鳥」、「幸福論」、「ひとり生まれた時から」、「彼女によろしく」、「不良」、「シニカル・ムーン」、「春までなんぼ」、「僕たちの将来」、「はじめまして」の10曲からなる。全曲激しいロックのビートに酔い痴れてください。少し音量を下げて聞くこと。このアルバムはうるさいわりに名曲がないように感じる。
さびの歌詞(曲のキーワード) |
幸せを追いかけて 狩人に変わってく 青い鳥 青い鳥 今夜も迷子 |
詩の構造 |
a-b-c-b |
曲の調子 |
→ ドラマチックに分かりやすい曲 |
曲の感想 |
青い鳥は自分なのに、追いかけては迷い子になる。人が変わってしまう。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
プラスマイナス他人の悲しみをそっと喜んでいないか |
詩の構造 |
詞の構造はないがメロディーの反復はある。 |
曲の調子 |
↑ テンポの速い曲 |
曲の感想 |
人に会うことは孤独を思い知ること。「鳴咽を拾い集めてふくらんでふくらんで堕落してゆくよ」にドキ。
|
さびの歌詞(曲のキーワード) |
Good-bye Good-bye 明日からひとり |
詩の構造 |
a-b-c-b-b |
曲の調子 |
→ 行進曲のように明るいリズム |
曲の感想 |
別れの曲が明るく進行する。「心配なんかしないで 幸せをまわしてよ」には立ち直りの早い女のしぶとさか。
|
さびの歌詞(曲のキーワード) |
飲んででもいなければ 悲しみは眠らない |
詩の構造 |
a-b-c-b-b |
曲の調子 |
↓ テンポの速い曲、迫力のある声 |
曲の感想 |
荒れていた飲んだくれ男、やさしくされた女の片思い |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
明日が見えなくて良かったわ だからあなた信じられたもの |
詩の構造 |
a-b-c-b-d-b-e-b 単純な繰り返し |
曲の調子 |
↓ |
曲の感想 |
明日が見えないからいいのだ。だから生きてゆける。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
あたしにも 幸せをまわしてよ 少しだけ 幸せをまわしてよ |
詩の構造 |
a-b-c-b-b |
曲の調子 |
↑ 楽しいビートのリズム |
曲の感想 |
つまらない不良にも幸せをまわしてよ |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
シニカル・ムーン シニカル・ムーン わかったような月が心をのぞく春 |
詩の構造 |
a-b-c-b-b |
曲の調子 |
↓ シニカルムーンのさびのメロディーが抜群にいい |
曲の感想 |
月には分かっていたのか、この不安 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
私の身体であとまだいくつ 春までなんぼ |
詩の構造 |
a-b-c-b-d-b |
曲の調子 |
↓ ドラマチックなオケの出だし |
曲の感想 |
春が来るまで待てるのか、幸せ薄い女の喚き声がする |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
危いことばをビールで飲み込んだら.. |
詩の構造 |
a-b-c-b'-e-b |
曲の調子 |
→ 速いテンポ、最後の不気味な音は何、不安? |
曲の感想 |
壊れそうな危うい仲、良くなるわけないじゃん |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
はじめまして 明日 あんたと一度 つきあわせてよ< |
詩の構造 |
a-b-c-b-b-b |
曲の調子 |
↑ ハイテンポ、最後のドキという不気味な音は何、心臓の音? |
曲の感想 |
悲しいことは忘れ新しい人と付き合いたいとは本当に恋多き女。 |
アルバム12) 「御色なおし」より
1985年リリース。「ひとりぽっちで踊らせて」、「すずめ」、「最 愛」、「さよならの鐘」、「海と宝石」、「カム・フラージュ」、「煙 草」、「美貌の都」、「かもめはかもめ」の9曲が収められている。全曲みゆき節全開。しかも美しい曲が多い。「すずめ」、「最 愛」、「さよならの鐘」、「カム・フラージュ」、「美貌の都」、「かもめはかもめ」が名曲の殿堂入り。
さびの歌詞(曲のキーワード) |
だからひとり 今はひとり 踊りたいの あの人を恨みながら |
詩の構造 |
a-b-c-b |
曲の調子 |
↓ 張りのある声で孤独の歌を歌う |
曲の感想 |
美しい声だ、みゆき健在だ。うらみ節の割りに楽しそう。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
雀 雀 私の心 あなたのそばを 離れたくない |
詩の構造 |
a-b-c-d-e-c-c |
曲の調子 |
→ 冒頭の風きり音が効果的、別れの歌がたとえようもなく美しい。 |
曲の感想 |
けだしみゆきの代表作の一つに入る。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
わたし誰にも言わないけど 死ぬまで貴方 |
詩の構造 |
a-b-c-b-b- |
曲の調子 |
→ 淡々と強がりが歌われる |
曲の感想 |
変な数字の屁理屈で自分を納得させようとする、せめての強がり。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
生きる夢も 愛の意味も あなたが全て |
詩の構造 |
a-b-c-b-b' |
曲の調子 |
→ 悲しいまでの美しい別れの曲が淡々と歌われる。 |
曲の感想 |
「いかないで、いかないで」まるで映画のラストシーン |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
だから 愛してくれますか 私の頬が 染まるまで |
詩の構造 |
a-b-c-b'-b |
曲の調子 |
→ かわいい女の声 |
曲の感想 |
こんな女いると思いますか |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
カム・フラージュ カム・フラージュ あなたの心のどこかには |
詩の構造 |
a-b-c-b'-b |
曲の調子 |
↓ ハイテンポのいい曲だけど、ストーリ展開が主役 |
曲の感想 |
男に突きつけられたナイフ「みつめ合ったふりで 急に言いましょうか 「本気よ」」 あなたならどうする? |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
だれか 私の目を閉じて 何も見ないことにして |
詩の構造 |
a-b-c-b'-b' |
曲の調子 |
→ ドラマチックに展開する曲 |
曲の感想 |
人の幸せは見たくないときに隠してくれるタバコのスクリーン |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
振り向いてみれば 人はみな 泣き笑顔 |
詩の構造 |
a-b-c-b'-b |
曲の調子 |
↑ ハイテンポで力強い歌唱力 |
曲の感想 |
今の虚構の世界を明るく笑おう |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
かもめはかもめ ひとりで空を ゆくのがお似合い |
詩の構造 |
a-b-c-a'-b-c' |
曲の調子 |
↓ オルガン演奏曲 |
曲の感想 |
研ナオコの歌でヒットしたが、みゆきの代表作。自分カモメのように一人旅 |
アルバム13) 「miss M.」より
1985年リリース。「極楽通りへいらっしゃい」、「あしたバーボンハウスで」、「熱 病」、「それ以上言わないで」、「孤独の肖像」、「月の赤ん坊」、「忘れてはいけない」、「ショウタイム」、「ノスタルジア」、「肩に降る雨」の10曲よりなる。強いビートにのせて張りのある声で駆け抜ける中島みゆきの姿が印象的。「熱 病」、「孤独の肖像」、「ショウタイム」、の早いテンポの曲に乾杯!
さびの歌詞(曲のキーワード) |
寒い心のうなじに手をかけて 幸せ不幸せどうでもよくしてあげる |
詩の構造 |
a-b-c-b |
曲の調子 |
↓ 張りのある声 |
曲の感想 |
ヤケにならないでここだけは楽しくやろうよ |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
誰に会いたいですか 手品使いが訊く |
詩の構造 |
a-b-c-b |
曲の調子 |
↑ ビートのリズム |
曲の感想 |
疲れた人は居酒屋で幻と待ち合わせ |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
教えて教えて 秘密を教えて いっそ熱病 |
詩の構造 |
a-b-c-b-b |
曲の調子 |
↑ 迫力ある声で上機嫌なリズム |
曲の感想 |
若い人の熱気が狂いだしそう。「ずるくなって腐りきるより阿呆のままで昇天したかった」のセリフがいい。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
波に洗われて足跡が消えてゆく 貴方の中から私が消えてゆく |
詩の構造 |
a-b-c-b-d-b |
曲の調子 |
→ 静かな別れの曲 |
曲の感想 |
別れにおあつらえ向きの、しずかな海になぜ来たの |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
どうせみんなひとりぽっち 海の底にいるみたい だからだれか どうぞ上手な嘘をついて |
詩の構造 |
a-b-a-b'-a-a'-c-d-d-d 多少複雑な構造で、a'で転調する。 |
曲の調子 |
↑ 張りのある高い声と早いリズム これぞみゆき節 |
曲の感想 |
みゆき節全開 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
夜になるたび月は子供に帰り ひとりを恐がる |
詩の構造 |
a-b-c-d-b' |
曲の調子 |
↓ 妙にかわいい声 |
曲の感想 |
子供が大人になるとき孤独になる |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
忘れてはいけないことが必ずある 口に出すことができない人生でも |
詩の構造 |
a-b-a-c-a |
曲の調子 |
↓ 張りのある高い声、迫力満点 |
曲の感想 |
疑問・怒りを忘れるな |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
たまに虚像の世界を翔びたいだけ |
詩の構造 |
a-b-c-b |
曲の調子 |
↑ 速いテンポで最高の上機嫌 |
曲の感想 |
メディア、ニュースショーは虚像の世界、君も誤まればスーパスター |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
ノスタルジア ノスタルジア思い出に帰れない |
詩の構造 |
a-b-c-b-d-b |
曲の調子 |
↓ 張りのある声でビートに乗せて |
曲の感想 |
弁解だらけの過去には戻れない、思い出だけのノスタルジア |
アルバム14) 「36.5℃」より
1986年リリース。「あたいの夏休み」、「最 悪」、「F O」、「毒おんな」、「シーサイドコーポラス」、「やまねこ」、「HALF」、「見返り美人」、「白鳥の歌が聴こえる」の9曲よりなる。セリフのどぎつくてかつ風刺の効いた面白い歌には「毒おんな」、「やまねこ」、言葉の言い換えが楽しい「見返り美人」、小品だがこっけいな「シーサイドコーポラス」が注目される曲である。
さびの歌詞(曲のキーワード) |
サマーヴァケイション あたいのために サマーヴァケイション 夏ひるがえれ |
詩の構造 |
a-b-c-b-d-b |
曲の調子 |
↑ 楽しくやろうや |
曲の感想 |
つつましい普通の若者の夏休。だから輝け、翻れ。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
Brandy night 踊るあいつのヒールは無邪気 Brandy night 今夜僕の酔った顔は最悪だ
|
詩の構造 |
a-b-c-d-b'-c'-c'-c' |
曲の調子 |
↓ テンションの高い声で引きつるように歌う。 |
曲の感想 |
ジョークの影で本音を吐く歌、酔った顔は最悪でも、酔いたくなる時がある。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
男はロマンチスト 憧れを追いかける生き物 女は夢のないことばかり無理に言わせる魔物 |
詩の構造 |
a-b-c-b-b |
曲の調子 |
↓ リズムよく話が進む |
曲の感想 |
ますます冷める 恋心。いつも逃げ口を設け傷つきたくない男女関係。こじれるのはごめん。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
この人間たちの吹きだまりには 蓮の花も咲きはせぬ |
詩の構造 |
a-b-c-b-d-b |
曲の調子 |
↓ 強い張りのある声でよく歌っている |
曲の感想 |
救いのない境遇に落ちた女の物語。「子犬のしっぽが見抜いている」、「踏みつけられたら足をすくうよ」、「金を払って帰っておくれ」のセリフにドキ。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
シーサイド・コーポラス 小ねずみ駆け抜ける 港はいつも魚の脂の匂い |
詩の構造 |
a-b-c-b |
曲の調子 |
→ あっという間に終わる小品 |
曲の感想 |
小品ながら風刺が利いている。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
傷つけるための爪だけが 抜けない棘のように光る |
詩の構造 |
a-b-c-d-e-b-d |
曲の調子 |
↓ ドラマチックに展開 |
曲の感想 |
いまどき女衒などという言葉を知っている人がいるだろうか。山猫=薄情な女(傷つけるだけが能の)。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
次に生まれて来る時は めぐり会おうと誓ったね 次に生まれて来る時は 離れないよと誓ったね |
詩の構造 |
a-b-c-b-b |
曲の調子 |
→ 高い声で引っ張ってゆく 多少オケがうるさい。 |
曲の感想 |
誓いを忘れてすれ違いばかりの人生。直らないね。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
だって さみしくて 見返りの美人 泣き濡れて 八方美人 |
詩の構造 |
a-b-c-d-b'-c-c |
曲の調子 |
↓ ツービートが規則正しく引っ張る |
曲の感想 |
自由で冷たい女、女はいくらでも替われる。見返り美人、八方美人、薄情美人 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
白鳥たちの歌が聴こえて来る YOSORO YOSORO たぶん笑っているよ |
詩の構造 |
a-b-c-b-d-b |
曲の調子 |
→ 覚えやすいメロディー |
曲の感想 |
女は優しさをあげる天国か。 |
アルバム 15)「中島みゆき」より
1988年リリース。「湾岸24時」、「ご機嫌如何」、「土用波」、「泥は降りしきる」、「ミュージシャン」、「黄色い犬」、「仮 面」、「クレンジングクリーム」、「ローリング」の9曲よりなる。迫力のある「湾岸24時」、「泥は降りしきる」、独特のリズムが奏でる「土用波」、上機嫌な「ご機嫌如何」、語りが特徴の「ミュージシャン」、「クレンジングクリーム」が優れている。
さびの歌詞(曲のキーワード) |
もう一度戻るなら 時の流れを停めて こんな筈じゃない時の流れに変えて |
詩の構造 |
a-b-c-d-b-c-e-c-c |
曲の調子 |
↓ いいメロディだ |
曲の感想 |
Bay Aria 24 いい言葉だ。裏切りが潮時。ジェラシーもおきない冷めた女 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
私は あいかわらずです 泣いてる日もあります 笑う日だってあります |
詩の構造 |
a-b-c-b-b' |
曲の調子 |
↑ アップな曲 |
曲の感想 |
氷の女発の 手紙、立ち直りの早い女。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
愛の重さを疑いながら 愛に全てをさらわれてゆく |
詩の構造 |
a-b-c-b'-d-b |
曲の調子 |
↓ 独特のメロディー |
曲の感想 |
忘れたいことは土用波が根こそぎ洗い流してくれ。みゆき独特の名曲 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
泥は降りしきる泥は降りしきる みぞれまじり GOOD-BYE |
詩の構造 |
a-b-c-b |
曲の調子 |
→ 語りが主の曲 みゆき節最高 |
曲の感想 |
最初は照れ隠し、最後は涙交じりのGood-Bye。心の中には泥流が。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
「ミュージシャン さみしいことを言わないで」 「ミュージシャン 長生きは辛いことじゃないはずよ」 |
詩の構造 |
a-b-c-d-b'-c'-e-b"-c-c' |
曲の調子 |
↑ テンポよく流している |
曲の感想 |
もう若くないミュージシャンを励まして、淋しいことはいわないで。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
素っ裸で I Love You 素っ裸で I Need You 何ンにもない女でも 愛してくれますか |
詩の構造 |
a-b-c-d-e-f-a'-e-a' |
曲の調子 |
→ かったるい内容をリズムが支える |
曲の感想 |
コミックソング。化粧落とせば素顔は黄色い女 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
あたし あんたが文無しだった頃から 近くにいたのにさ |
詩の構造 |
a-b-c-d-e-c-e-c |
曲の調子 |
↓ 暗いストーリーを淡々と歌う |
曲の感想 |
男がぼろぼろになって、女は邪険に抱きとめる。昔から好きだった男を。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
いらない女現われる |
詩の構造 |
言い換えによる繰り返し展開構造 |
曲の調子 |
→ 単調なメロディーの繰り返し |
曲の感想 |
いやな女、ずるい女、嘘つき女、醜い女、汚れた女、卑しい女、老いた女、しつこい女、馬鹿な女、安い女、邪魔な女、退屈な女、寂しい女、捨てられた女、いらない女 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
Rollin' Age 笑いながら Rollin' Age 荒野にいる |
詩の構造 |
a-b-c-b-d-b |
曲の調子 |
→ 単調なメロディー |
曲の感想 |
青春の思い出、男へのいたずら電話。荒れ野のような孤独な人生。寂しい女。 |
アルバム16) 「グッバイガール」より
1988年リリース。「野ウサギのように」、「ふらふら」、「MEGAMI」、「気にしないで」、「十二月」、「たとえ世界が空から落ちても」、「愛よりも」、「涙ーMaid in teas-」、「吹雪」の9曲よりなる。メロディの美しさからは「MEGAMI」、「涙ーMaid in teas-」、ドラマチックなみゆき節曲なら「十二月」、「愛よりも」が出来がいいと思う。
さびの歌詞(曲のキーワード) |
野ウサギのように 髪の色まで変わり みんな あんたのせいだからね |
詩の構造 |
a-b-c-b-d-b' |
曲の調子 |
↑ 少しやめ気味に上機嫌 |
曲の感想 |
一人が嫌いなの、相手次第で変わるわ |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
ふらふら ふらふら あいつにふらふら のんだくれ |
詩の構造 |
a-b-c-b-d-b |
曲の調子 |
↑ 酔っ払いの歌なので面白い |
曲の感想 |
コミック仕立ての筋、皆が嫌がる酔っ払い女しつこく彼の居場所をさぐっている。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
どのみち短い 眠りなら 夢かと紛う 夢をみようよ |
詩の構造 |
a-b-c-c'-d-b-c-c' |
曲の調子 |
→ 流れるように進行する |
曲の感想 |
女の性の本質に迫る。そうありたいのか。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
特にさびなし |
詩の構造 |
延々と続く繰り返し構造 |
曲の調子 |
→ 淡々と進行するストーリー、最後はお幸せにという捨て台詞 |
曲の感想 |
執拗な言葉の畳み込みで気分が滅入るなー |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
何万人の女たちが あたしはちがうと思いながら 何万人の女たちと 同じと気がついてしまう月 |
詩の構造 |
a-b-d-b-e-b-c |
曲の調子 |
↓ ドラマチック、正調みゆき節健在 |
曲の感想 |
12月には男は正気に戻って家族へ帰る。女は恋しがって自殺が増えるというお話。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
やさしい男(ひと)は だれだって好き |
詩の構造 |
a-b-c-b 単純で短い曲 |
曲の調子 |
↓ 短い曲ながらドラマチックに仕立てられる |
曲の感想 |
やさしい男(ひと)は だれだって好き |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
愛よりも夢よりも 人恋しさに誘われて 愛さえも夢さえも 粉々になるよ |
詩の構造 |
a-b-c-d-b-b |
曲の調子 |
↓ 叩きつける様な迫力あるどすの利いた声 |
曲の感想 |
反社会的なずいぶん刺激的な言葉をつかっているが、 要は裏切らぬものだけを信じろ。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
男運は 悪くなかった あんないい人 いやしないもの |
詩の構造 |
a-b-c-b-d-b |
曲の調子 |
→ 「今ごろ どうしておいでだろうか」のあたりのメロディーは美しい |
曲の感想 |
男運は悪くなかった雨宿りの女のため息ひとつ |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
どこから来たかと訊くのは 年老いた者たち |
詩の構造 |
a-b-c-b-d-b-e-b' |
曲の調子 |
→ 淡々と語りが続く |
曲の感想 |
恐ろしいもの、疑い、反抗を過ぎると雪が降る。静かに覆い隠してくれる。 |
アルバム17) 「回帰熱」より
1989年リリースアルバム。「黄砂に吹かれて」、「肩幅の未来」、「あ・り・か」、「群集」、「ロンリーカナリア」、「くらやみ乙女」、「儀式(セレモニー)」、「未完成」、「春なのに」の9曲よりなる。1,2曲を除いてすべてが優しい曲である。アルバム名「回帰熱」とはどういう意味かよく分からない。熱っぽい歌はないと思うのだが。「儀式(セレモニー)」、「未完成」、「春なのに」が代表曲か。
さびの歌詞(曲のキーワード) |
あなたより やさしい男も 砂の数より いるのにね 旅人 |
詩の構造 |
a-a'-b-c-a"-d-c-e-c' |
曲の調子 |
→ メロディアスに始まる優しい曲 |
曲の感想 |
砂の数より男は多いのに |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
肩幅の未来 いちずにあなたの背中しか 肩幅の未来 見ない自分が怖かった |
詩の構造 |
a-b-c-d-e-c-c |
曲の調子 |
→ かわいい女の物語。優しいね |
曲の感想 |
らちもないかわいいい女。静かに優しいサックスの音 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
てめえもグルかと Trap Beat 夜が回る |
詩の構造 |
a-b-c-b |
曲の調子 |
↓ 生き生きとしたリズム |
曲の感想 |
恐ろしい暴力バーの風俗、さびの部分は楽しいリズム。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
はかない 時代だね せめて君だけは 私をみつけて 叫び声 紛れ 群衆 |
詩の構造 |
a-b-c-b-b' |
曲の調子 |
→ ピアノに乗せた優しい曲 |
曲の感想 |
私たちも平均的群集、人生は束の間のはかないドラマ。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
にがい蜜 かじってみた小鳥みたい ふるえてるロンリー・カナリー |
詩の構造 |
a-b 繰り返しは「ふるえてるロンリー・カナリー」のみ |
曲の調子 |
→ かったるいメロディーで優しい声 |
曲の感想 |
ボサノバ調の静かな曲、恋する乙女はカナリアのよう。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
血のように紅い服で あなたに会いにゆくよ せめてひとつ教えて 少しだけは本気もあったよね |
詩の構造 |
a-b-c-d-e-c'-c' |
曲の調子 |
↓ 張りのある声で強い調子の歌 |
曲の感想 |
少しは本気なところもあったのよねと確認する未練な女。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
セレモニー 涙の海へ投げて セレモニー 単車の背中から 見つめた夕陽に さよなら |
詩の構造 |
a-b-a-c-a |
曲の調子 |
→ 美しいメロディーから始まる曲 |
曲の感想 |
青春よサヨナラ、結婚というセレモニー |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
歌い方を教えてくださらないから 短い歌なのに いつまでも終わらない 貴方の目のなかで 私が消える. |
詩の構造 |
a-b-c-b-d-b-d-b-d |
曲の調子 |
→ 美しいメロディー、後半の高と低の歌いわけが面白い。 |
曲の感想 |
終結しない恋、うまく往かない恋。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
春なのに お別れですか 春なのに 涙がこぼれます |
詩の構造 |
a-b-c-b |
曲の調子 |
→ 文句なしに優しい曲、春の卒業式での別れ |
曲の感想 |
アイドル歌手が歌ってヒットした曲で、中島みゆきの曲だとは知らなかった。 |
アルバム18) 「夜を往け」より
1990年リリース。「夜を往け」、「二つの炎」、「3分後に捨ててもいい」、「あした」、「新曽根崎心中」、「君の昔を」、「遠 雷」、「ふたりは」、「北の国の習い」、「with」の10曲よりなる。すべてがドラマチックな短調な曲からなるアルバム。中島みゆきのひとつの頂点となるアルバムだと思う。多少ハスキーに枯れた高音がまた面白い。語りが面白い歌手にはさだまさし、金八先生などがいるが、中島みゆきははるかにドラマチックで幅が広い。
さびの歌詞(曲のキーワード) |
走らずにいられない 行方も知れず 夜を往け 夜を往け 夜を往け 夜を往け |
詩の構造 |
a-b-c-b'-d-b"-e-b |
曲の調子 |
↓ 強いツービートの曲 |
曲の感想 |
遠ざかる記憶、走らずにはいられない。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
ふたつの炎が同じ速さで燃えはしない いつまでひとつが哀しく燃え続けていても |
詩の構造 |
a-b-c-b-b |
曲の調子 |
↓ 説得力のある歌唱力でドラマチックに進行する。 |
曲の感想 |
女だけがいつまでも燃えているのに、男はさめて愛は終わるというみゆきお決まりのパターン。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
あぁ 流れてゆく人の心も天の川 3分後に捨ててもいいから いまだけ傍にいて |
詩の構造 |
a-b-c-b'-d-b-b |
曲の調子 |
↓ リズムとメロディが繰り返す |
曲の感想 |
人の心は変わるもの。今は今の愛に生きよう。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
もしも明日 私たちが何もかもを失くして ただの心しか持たない やせた猫になっても |
詩の構造 |
a-b-c-a-b'-c-b'-c |
曲の調子 |
↓ メロディが印象的、しかも枯れたいい声だ。 |
曲の感想 |
傷ついた愛、破局を迎えた恋 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
親しんで楽しんでいとしんで愛(かな)しんで苦しんで ただ愛のもくずね |
詩の構造 |
a-b-c-d-b'-c-b'-c-c |
曲の調子 |
↓ おどろおどろしい物語 |
曲の感想 |
近松門左衛門の人形浄瑠璃「曽根崎心中」の平成版。落ちてゆく男女の情念が迫力あるみゆき節で歌われる、みゆきの真骨頂。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
妬んでいる 君を愛し君を去った古い女を 妬んでいる |
詩の構造 |
a-b-c-b-b |
曲の調子 |
↓ うらみをだらだら並べて |
曲の感想 |
自分中心で夢ばかり見ていた私にさよなら、悪くはなかったよ。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
あぁ今夜もほだされて舞い戻る腕の中 せつなく乱されて遠ざかる雨の音 |
詩の構造 |
a-b-c-d-e-c-f-c-c |
曲の調子 |
↓ |
曲の感想 |
答えを求める女、かわす男 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
緑為す春の夜に ふたりは 凍えきってめぐりあった |
詩の構造 |
a-b-a'-c-d-e-c-c' |
曲の調子 |
↓ ストーリ中心の歌 |
曲の感想 |
夢破れたごろつき男とバイタ女、後ろ指を指される男女の愛。世良公則とのヂュエット版のほうが迫力あるので推薦する。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
待っても春など来るもんか< 見捨てて歩き出すのが習わしさ |
詩の構造 |
a-b-c-b-b |
曲の調子 |
↓ セリフが中心の曲 |
曲の感想 |
北の国ではなく自分が耐えない女と言いたいのか。すぐに別の愛を求めて歩き出す。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
with…そのあとへ君の名を綴っていいか with…淋しさと虚しさと疑いとのかわりに |
詩の構造 |
a-b-c-d-e-c-a-c-c |
曲の調子 |
↑ 旅立ち賛歌 |
曲の感想 |
自分の言葉は意味を成さないが、君の名を綴りたい。みゆきの代表歌 |
アルバム19) 「歌でしか言えない」より
1991年リリース。「おだやかな時代」、「トーキョー迷子」、「Maybe」、「渚 へ」、「永久欠番」、「笑ってよエンジェル」、「た・わ・わ」、「サッポロSNOWY」、「南三条」、「炎と水」の11曲よりなる。美しいメロディーでは「サッポロSNOWY」、迫力なら「南三条」、機嫌のいい曲では「トーキョー迷子」、「Maybe」を選びたい。
さびの歌詞(曲のキーワード) |
だれかいますか だれかいますか だれかいますか どこかには |
詩の構造 |
a-b-a-c-b-d-a' |
曲の調子 |
→ かわいい声で淡々と呼びかけが続く |
曲の感想 |
都会人の孤独、ハム無線で些細なことを話したい。パソコンのメールより、チャットよりもっと不確実な世界。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
まだ眠っている町を抜け出して駈け出すスニーカー おだやかでなけりゃ残れない時代少し抜け出して |
詩の構造 |
a-a-b-c-d-e-d- |
曲の調子 |
↓ 弱く次第に強く、黒人霊歌ゴスペルの手拍子 |
曲の感想 |
ニュースステーションコーナーテーマ曲。少しずつ時代は変わるが、走り出す人は傷つきやすい |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
1年2年は夢のうち まさかと笑って待てば 3年4年は洒落のうち 数えて待てば 5年かければ 人は貌だちも変わる |
詩の構造 |
a-b-c-b-d-b |
曲の調子 |
↑ 上機嫌な2拍子 |
曲の感想 |
東京にいる地方出身者への応援歌。みんな他人、自分も変わって行く。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
なんでもないわ私は大丈夫なんでもないわ私は傷つかない |
詩の構造 |
a-b-c-a-d-c'-a-a |
曲の調子 |
↑ 高い美声、強い意志力を感じる |
曲の感想 |
キャリアーレディーの情熱と孤独、人生はつらいが自信と夢にあふれる強い人。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
追いかけて手練手管は裏目のダイス 海よ教えてよ大人しくしてりゃ戻ったの |
詩の構造 |
a-b-c-b'-b' |
曲の調子 |
↓ 強いビートに乗って迫力ある歌 |
曲の感想 |
騙された訳ではない、謝られて憎めないやつよ。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
宇宙の掌の中 人は 永久欠番 |
詩の構造 |
a-b-c-b-d-e |
曲の調子 |
→ 高い声で静かに自問自答の歌が始まる、最後に力強く歌いあげる。 |
曲の感想 |
最後のeフレーズに回答がでる。人の存在理由はオンリーワン(スマップにもあった)。多少理屈先行の硬い曲。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
さよなら三角また来て四角 こんど会う時は なおさら深く |
詩の構造 |
a-b-c-d-b'-c-d' |
曲の調子 |
↑ リズムがよく調子のいい歌 |
曲の感想 |
あなたの笑顔が救いさ |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
た・わ・わ おまえを殺したい た・わ・わ あいつをとらないで |
詩の構造 |
a-b-c-b-d-b |
曲の調子 |
↑ 文句なしに愉快な曲 |
曲の感想 |
セックスシンボルモンロー美人賛歌 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
サッポロSNOWY まだ SNOWY 帰れない 今日も天気予報 長距離で聞く |
詩の構造 |
a-b-c-b-b'-b |
曲の調子 |
→ 高い声で美しい曲である。 |
曲の感想 |
なかなか成就しない恋。「吹雪の海で迷っている漁船から無線は強気な駄洒落」のセリフが面白い。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
南三条泣きながら走った 胸の中であの雨はやまない |
詩の構造 |
a-b-c-b-d-b |
曲の調子 |
↓ 強いビートにのってすごい迫力で歌う歌唱力に乾杯 |
曲の感想 |
ストーリーのどんでん返し(悲劇でコミカルな)が2回あってびっくり。憎しみが無駄でしたね。迫力だけで十分、ストーリーはなくても。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
Flame & Aqua なんて遠い者たち 私たちは互いに誰より遠い |
詩の構造 |
a-a'-b-c-b-b'-d-b" |
曲の調子 |
↓ |
曲の感想 |
対極にある水と炎のように近づけない私たち。なんて観念的な曲。 |
アルバム 20)「EAST ASIA」より
1992年リリース。「EAST・ASIA」、「やばい恋」、「浅い眠り」、「荻野原」、「誕生」、「此処じゃない何処かへ」、「妹じゃあるまいし」、「二隻の船」、「糸」の9曲よりなる。張りのある「浅い眠り」、人間賛歌でもある「誕生」、すばらしい歌詞にあふれた「二隻の船」、メロディーの美しい「糸」の4曲が名曲の殿堂入り。
さびの歌詞(曲のキーワード) |
くにの名はEAST ASIA 黒い瞳のくに むずかしくは知らない ただEAST ASIA |
詩の構造 |
a-b-c-b-d-b |
曲の調子 |
→ 理屈先行の歌 |
曲の感想 |
大きい国の力でも心は縛れない。どこでも生きてゆけるわよという捨て台詞 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
ふられる前にふりたかった 盗られる前に捨てたかった |
詩の構造 |
a-b-c-d-d |
曲の調子 |
→ 単調なリズム でもセリフは強くうたわれる。 |
曲の感想 |
サヨナラも出来ずなんとなく終わる、いつものやり方ではやばい恋 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
恋しさはこわれもの せつなさはこわれもの 他人じゃないなら なおさら なおさら |
詩の構造 |
a-b-c-d-b'-c |
曲の調子 |
↓ 張りにある声で壊れやすいl恋を歌う |
曲の感想 |
失ったものが一番大切なもの、恋はなぜ壊れやすいのか |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
目をさますと 暗い部屋で泣いています 知らぬ人の腕の中で泣いています |
詩の構造 |
a-b-c-d-e-d |
曲の調子 |
→ かわいい声と少女の歌 |
曲の感想 |
静かに思い出が語られる、何もかも少女の時代でとまっている。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
めぐり逢う命をかぞえながら 畏れながら憎みながら いつか愛を知ってゆく |
詩の構造 |
a-b-c-c'-d-b'-c-c"-c' |
曲の調子 |
↓ 力強く思想が語られる |
曲の感想 |
歌詞がよく考えられて歌われる世界が広い。生まれくる人は歓迎される人間賛歌 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
此処じゃない何処かへ 此処じゃない何処かへ |
詩の構造 |
a-b-c-b-b |
曲の調子 |
↑ ハイテンポで舞い上がる曲 |
曲の感想 |
やけになって当てもなく飛び出してゆく自分 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
妹じゃあるまいし ケンカなんかしない でも その代わり二人には サヨナラだけだった |
詩の構造 |
a-b-c-b'-b-b |
曲の調子 |
↓ フォークソングのよう |
曲の感想 |
傷つけて別れたら他人に戻る |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
難しいこと望んじゃいない 有り得ないこと望んじゃいない 時よ 最後に残してくれるなら 寂しさの分だけ 愚かさをください |
詩の構造 |
詞に構造はない |
曲の調子 |
↓ 静かに歌っているが、あふればかりの構成 |
曲の感想 |
心を打つ言葉が多く、すべてがサビと言っていい。人は別々の船だが心の叫びがこだまする。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
縦の糸はあなた 横の糸は私 織りなす布は いつか誰かを 暖めうるかもしれない |
詩の構造 |
a-b-c-d-e-c-c' |
曲の調子 |
↓ 美しいメロディー |
曲の感想 |
すばらしい歌詞にあふれている。2人の織りなす布は暖め傷をかばい仕合せになるもの。これまた人間賛歌 |
アルバム 21)「時代ーTime Goes Around-」より
1993年リリース。「時代」、「風の姿」、「ローリング」、「あじけない話」、「夢見る勇気(ちから)」、「あたしときどき思うの」、「流浪(さすらい)の詩(うた)」、「雨月の使者」、「慟哭」、「孤独の肖像1st」、「かもめの歌」の12曲からなるが、「時代」、「ローリング」、「流浪(さすらい)の詩(うた)」はすでにリリースされたもので重複するのでコメントは省いた。したがって正味9曲を紹介する。なんといっても「慟哭」が激しい痛みの歌で文句なしの傑作である。本アルバムでは唯一の名曲としたい。
アルバム1「私の声が聞こえますか」に既出。
さびの歌詞(曲のキーワード) |
|
詩の構造 |
|
曲の調子 |
|
曲の感想 |
|
さびの歌詞(曲のキーワード) |
だから 風の姿を誰か教えて 愛の姿を誰か教えて |
詩の構造 |
1:a-b-c 2:d-b'-c-c |
曲の調子 |
→ 美しいメロディー |
曲の感想 |
少女らしい問いかけ、愛とは何か |
アルバム15「中島みゆき」に既出
さびの歌詞(曲のキーワード) |
|
詩の構造 |
|
曲の調子 |
|
曲の感想 |
|
さびの歌詞(曲のキーワード) |
船に乗り風に乗り どこまでもどこまでも 私たち旅をゆく |
詩の構造 |
歌詞に構造はない |
曲の調子 |
↓ 力強いリズムとかわいい歌 |
曲の感想 |
おとぎ話はありえないこと、夢の話も終わりがない |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
夢見る勇気(ちから)がある限り恋は消えない 夢見る勇気(ちから) それだけがあたしの取り柄なの |
詩の構造 |
1:a-b-c 2:d-c-c' |
曲の調子 |
↑ 力強くツービートが駆動する |
曲の感想 |
女から追うのはタブー、夢見る勇気があればやり直しが利く |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
若くなくなったあたしたちは いったいどんな顔をして 行きかえばいいの |
詩の構造 |
a-b-b-c-c |
曲の調子 |
→ 高く張りのある声で理屈っぽい歌 |
曲の感想 |
人の命は短い。それ以上の進展がない歌。 |
アルバム2「みんな去ってしまった」に既出
さびの歌詞(曲のキーワード) |
|
詩の構造 |
|
曲の調子 |
|
曲の感想 |
|
さびの歌詞(曲のキーワード) |
行かなくては 行かなくちゃ ちぎれ雲より早く飛び |
詩の構造 |
1:a-b-c 2:d-b-c-c-c |
曲の調子 |
↑ 上機嫌なメロディー |
曲の感想 |
上田秋成「雨月物語」のドラマテーマ曲、作詞は唐十郎。荒唐無稽な芝居用の動画風の歌。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
ひと晩じゅう泣いて泣いて泣いて 気がついたの ともだちなんかじゃないという想い |
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b'-d-b |
曲の調子 |
↓ 文句なしに悲痛な歌になっている。叩きつける様なリズムと激しい言葉。 |
曲の感想 |
工藤静香が歌って大ヒット。中島みゆきと工藤静香はお互いを認め合う仲。片思いの女の悪あがき、叫び散し。しかしすごい迫力表現はみゆきならではのもの。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
いつも僕が側にいる、と 夢でいいから囁いて それで少しだけ眠れる |
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b-d-d |
曲の調子 |
↓ 高く悲痛な声 |
曲の感想 |
誰も信じられないくらいの淋しさ、悲しみ、想い |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
生まれつきのかもめはいない あれは其処で笑ってる女 |
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b 3:d-b-b |
曲の調子 |
↓ 加藤登紀子のような太い低い声のシャンソン風 |
曲の感想 |
吐息の数だけ、涙の数だけ女は強くなれる。そしてカモメのように空に飛べる。 |
アルバム 22)「LOVE OR NOTHING」より
1994年リリース。「空と君のあいだに」、「もう桟橋に灯りは点らない」、「バラ色の未来」、「ひまわりSUNWARD」、「アンテナの街」、「てんびん秤」、「流星」、「夢だったんだね」、「風にならないか」、「YOU NEVER NEED ME」、「眠らないで」の11曲よりなる。歌詞のいい「空と君のあいだに」、きれいな曲「もう桟橋に灯りは点らない」、長距離トラック賛歌「流星」、優しい「眠らないで」の4曲が名曲ではないか。
さびの歌詞(曲のキーワード) |
空と君とのあいだには今日も冷たい雨が降る 君が笑ってくれるなら僕は悪にでもなる |
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b |
曲の調子 |
↓ この版の曲は音楽がふやけたようで編曲の失敗。 |
曲の感想 |
「君のためなら悪にもなる」という思いやりにあふれた歌詞がよく出来ている。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
だれも覚えていないあの桟橋に もう灯りは点らない |
詩の構造 |
1:a-b-c 2:d-b'-c'-c |
曲の調子 |
↓ 妙に生き生きした裏声が面白い。きれいな曲 |
曲の感想 |
若いときの思い出は美しく残る |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
僕は僕は手紙を書く 僕にあてて手紙を書く |
詩の構造 |
1:a-b-c 2:d-c' |
曲の調子 |
↑ きわめて高い声で軽快に |
曲の感想 |
そんな先の夢の様な未来を誰も信じていない。だけど夢は夢 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
たとえ どんな名前で呼ばれるときも 花は香り続けるだろう |
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b 3:d-b-b |
曲の調子 |
↓ 3段階に弱から強、最強と強まってゆく歌。迫力を感じる。 |
曲の感想 |
戦争の落とし子の姓のことか?どちらの姓でも子供は育つ。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
はるかに流れる永遠の流れ 似てない子供を愛してください |
詩の構造 |
1:a-b-c 2:d-b-e-b |
曲の調子 |
↓ ぴんと張るような高い裏声が面白い。 |
曲の感想 |
後ろ指差す口性のない世間(村社会)への風刺、「昭和枯れススキ」のような設定。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
純情と人情は彼女のため 色情と薄情はあたしのため |
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b'-b-b' |
曲の調子 |
↓ かったるいメロディーとすねた歌 |
曲の感想 |
bとb'は対句をなす、自虐のセリフが多い |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
香川 新潟 大阪 宮城 姫路 山口 袖ヶ浦 流れる星よ いつか最後にどこへたどりつこうというのだろうか |
詩の構造 |
1:a-b-c 2:d-e-c 3:f-c |
曲の調子 |
↑ リズムよく淡々と話が進む |
曲の感想 |
深夜の長距離トラックの運転手への賛歌、よく現実を観察している。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
夢はいつでも あたしの味方 あたしに都合のいいことばかりよ |
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b 3:d-b |
曲の調子 |
↑ ハイテンポでビートに乗った高い声 |
曲の感想 |
夢はいつでも味方、特に思想はない |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
もう風にならないか ねぇ風にならないか
|
詩の構造 |
1:a-b 2:c-d-b-d-b |
曲の調子 |
→ 淡々と理屈を展開する歌 |
曲の感想 |
対句をちりばめた歌。何も当てにならないとすれば風のように自由になろうか。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
風に耳をすまして私は願っていた いつか風のように愛が戻ってくること |
詩の構造 |
1:a-b-c-b'-d 2:e-f-b'-d-d |
曲の調子 |
↓ アップダウンの激しい曲、強い声で恐ろしい予感、最後は強い叫び。 |
曲の感想 |
強弱の波の中でしつこくなじる女、あきらめの悪い女。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
眠らないで眠らないで ずっとずっとずっと このままふたりいつまでも歩きましょう |
詩の構造 |
短い曲で詞の構造はない |
曲の調子 |
→ 美しい歌 |
曲の感想 |
みんな夢だったのはいつものみゆきの恋のパターン、眠るように優しい歌。 |
アルバム23)「10 WINGS」より
1995年リリース。「2隻の舟」、「思い出させてあげる」、「泣かないでアマテラス」、「Maybe」、「ふたりは」、「DIAMONDGAGE」、「I love him」、「子守歌」、「生きてゆくおまえ」、「人待ち歌」の10曲よりなるが、「2隻の舟」、「Maybe」、「ふたりは」の3曲は既出のアルバムで紹介済み。「泣かないでアマテラス」、「子守歌」、「人待ち歌」が比較的出来がいい。ほかの曲は平凡か理屈に走って面白くない。
アルバム20「EAST ASIA]に既出
さびの歌詞(曲のキーワード) |
|
詩の構造 |
|
曲の調子 |
|
曲の感想 |
|
さびの歌詞(曲のキーワード) |
思い出させてあげよう忘れ捨てたあの日のこと 思い出させてあげよう忘れ捨てた誰かのこと |
詩の構造 |
1:a-b-c 2:b-c |
曲の調子 |
↓ 不気味にドラマチックに展開、cで急に高い声に変わる |
曲の感想 |
記憶の底にあるものは深層心理で、幻ではない。幼少体験に基づくいやなことなど。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
アマテラス アマテラス アマテラス 泣かないで 私には何もない 与えうる何もない |
詩の構造 |
1:a-b-a' 2:c-d-d |
曲の調子 |
↓ 不気味に静かに始まる、強い調子と迫力ある歌唱。 |
曲の感想 |
人生への応援歌だが、アマテラスの意味が分からない。弱い人では、神話上のアマテラスにそぐわない。 |
アルバム19「歌でしか言えない」に既出
さびの歌詞(曲のキーワード) |
|
詩の構造 |
|
曲の調子 |
|
曲の感想 |
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アルバム18「夜を往け」に既出
さびの歌詞(曲のキーワード) |
|
詩の構造 |
|
曲の調子 |
|
曲の感想 |
|
さびの歌詞(曲のキーワード) |
なのに何故WOMAN 愛し始めたら なのに何故WOMAN 恐いもの知らずなの |
詩の構造 |
a-a-b-a'-c-a"-a"-d-a-d-a" 繰り返しの多い構造 |
曲の調子 |
↓ ドラマチックな音楽とリズム |
曲の感想 |
檻で囲って保護する必要がある弱いものでも、愛があれば強くなれる。愛の賛歌 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
でも誰も愛したことがない それで生きたことになるの? |
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b |
曲の調子 |
→ 変にかわいい声 |
曲の感想 |
観念の勝った曲で理屈っぽい。つまらない曲 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
眠りなさい娘 恐い夢を見ずに 眠りなさい何も思い出さずに |
詩の構造 |
1:a-b-a 2:c-b-c |
曲の調子 |
→ 美しいメロディー |
曲の感想 |
つらいことは夢で忘れて、慰めの子守唄。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
きっと愛をみつけてよ 本当の愛をみつけてよ 生きてゆくおまえ |
詩の構造 |
歌詞に構造はない |
曲の調子 |
→ 愛らしくて美しいメロディー |
曲の感想 |
蝶々婦人の中国版、中国の香港あたりの貧しい少女が幸せを掴んだと思ったら現地妻。この曲の中で「私」とは母親、友人? |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
来る、来ない、来る、来ない、 待つ、待たない、待つ、待たない |
詩の構造 |
a-a'-b-a ほとんどが繰り返しの小曲 |
曲の調子 |
→ 単純なメロディーに前半弱く後半強くで変化をもたせた。 |
曲の感想 |
か弱い少女が急に戦いを越えて変身する唐突なストーリー。歌詞を急にドラマチックに持ってゆくには無理がある。 |
アルバム24) 「パラダイスカフェ」より
1996年リリース。「旅人のうた」、「伝説」、「永遠の嘘をついてくれ」、「ALONE PLEASE」、「それは愛ではない」、「なつかない猫」、「SINGLE BAR」、「蒼い時代」、「たかが愛」、「阿檀の木の下で」、「パラダイスカフェ」の11曲よりなる。このアルバムはみゆき節健在を高らかに歌っているようだ。力強い人間賛歌の「旅人のうた」、美しいメロディーの「伝説」、歌詞とストーリ展開が巧みな「永遠の嘘をついてくれ」、強がりのみゆき全開の「それは愛ではない」、淋しさを奏でる「SINGLE BAR」、話のうまい「蒼い時代」、愛の賛歌「たかが愛」、戦争批評の「阿檀の木の下で」など名曲が目白押し。
さびの歌詞(曲のキーワード) |
あの日々は消えてもまだ夢は消えない 君よ歌ってくれ僕に歌ってくれ |
詩の構造 |
1:a-b-c 2:d-e-c-c' |
曲の調子 |
↓ みゆき節復活、力強い愛の賛歌 |
曲の感想 |
忘れない夢もある、忘れない愛もある。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
記された文だけがこの世に残ってゆく 形ある物だけがすべてを語ってゆく |
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b' |
曲の調子 |
→ 美しいメロディー |
曲の感想 |
手紙だけが私の真実、知ってほしい。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
君よ永遠の嘘をついてくれ いつまでもたねあかしをしないでくれ 永遠の嘘をついてくれ 一度は夢を見せてくれた君じゃないか |
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b' 3:d-b" |
曲の調子 |
↓ ハイテンポで力強いリズム |
曲の感想 |
歌詞の出来が最高。やりきれない事実に嘘でしか救われない人。強がりのみゆきのならではの歌。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
醒めた女だとあなたには見えたのね 知らなくていい 知らなくていい 泣いてること知らないで |
詩の構造 |
1:a-a'-b 2:a"-c-c |
曲の調子 |
→ 妙なかわいい声で静かに歌う |
曲の感想 |
私にかまわないでいい、みゆき失恋歌のワンパターン。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
たとえばこんな満天の星の夜 たとえばだれかに従ってしまいたい |
詩の構造 |
1:a-b-c 2:d-b'-c |
曲の調子 |
↑ 強いビート、強い声 |
曲の感想 |
強がりのみゆき全開、弱い頼るような愛は愛でない。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
なつかない猫をおびき寄せたならコイン1枚 好きだったものにはもう手を出さない 罠と見抜いてる |
詩の構造 |
1:a-b 2:a'-c |
曲の調子 |
→ 妙な裏声で強いビートに乗って強く歌う |
曲の感想 |
犬のように尻尾を振らない誇り高く賢い猫、妙になつかない猫はみゆき自身のこと。誇り高く賢い猫。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
夜の入口はさみしくて 眠りにつくまでさみしくて 人の気配のする暗がりに身を寄せたくなります |
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b 3:d-b-b |
曲の調子 |
→ 美しいピアノに乗せて、優しい淋しい歌が流れる |
曲の感想 |
淋しさ人間をうまく表現、暗いバーに吸い込まれる女 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
正しくても間違いでもかまわなかった あなたといることだけしか思わなかった |
詩の構造 |
1:a-b-a' 2:c-b-a" |
曲の調子 |
↓ サビの部分がいいメロディー |
曲の感想 |
みゆき節絶好調、青春ものではよくあるストーリーだが立ち直りの早い女で救われる。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
何故にたかが愛に迷いそしてたかが愛に立ちどまらされても 捨ててしまえないものがまだあるの |
詩の構造 |
1:a-b-c 2:d-b'-c |
曲の調子 |
↑ 強いリズムと張りのある声 |
曲の感想 |
強い愛の賛歌、捨てられないものそれはたかが愛 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
遠い昔にこの島は戦軍に負けて貢がれた だれもだれも知らない日に決まった |
詩の構造 |
1:a-b 2:c-d-c-e |
曲の調子 |
→ ドラマチックに歴史が語られる |
曲の感想 |
太平洋戦争後沖縄が米国に占領・統治されたことをさす。歴史・戦争批評歌。飛行機の爆音が印象的。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
ここはパラダイス・カフェ 夜明けまで悩みのない客が みんなパラダイス・カフェ テーブルの向こうに見る甘い夢 |
詩の構造 |
1:a-b-c 2:d-b-c |
曲の調子 |
↑ 調子のいい歌、リズムに乗って夜が更ける。 |
曲の感想 |
人の痛みを癒す甘い夢、成り行きまかせの都会人の哀愁 |
アルバム25)「私の子供になりなさい」
より
1998年リリース。「私の子供になりなさい」、「下町の上、山の手の下」、「命の別名」、「清流」、「私たちは春の中で」、「愛情物語」、「You don't know」、「木曜の夜」、「紅灯の海」、「4.2.3」の10曲よりなる。私の好みによるだろうが、なぜか中島みゆきの歌は強い調子の歌に名曲が多い。本アルバムでも「命の別名」、「私たちは春の中で」、「愛情物語」、「紅灯の海」がそうだ。また社会時評曲として「4.2.3」が誰も試みたことがない曲として名曲として残るだろう。
さびの歌詞(曲のキーワード) |
もう愛だとか恋だとかむずかしく言わないで わたしの子供になりなさい |
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b-b |
曲の調子 |
→ 静かなメロディー |
曲の感想 |
やさしく男を慰める歌(マドンナたちのララバイという曲もあった) |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
下町の上、山の手の下 下町の上、山の手の下 |
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b 3:d-b |
曲の調子 |
↑ 軽やかなリズム |
曲の感想 |
理屈っぽい歌で、自分と相手の位置関係を示し次にその向かう方向が交差することを歌う。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
命に付く名前を「心」と呼ぶ 名もなき君にも 名もなき僕にも |
詩の構造 |
1:a-b-c 2:d-c</td> |
曲の調子 |
↓ 力強いリズムと絶唱 |
曲の感想 |
何にもなれず、過ちを繰り返すのが人間の存在 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
流れよ清き流れよ はじめの気持ちを忘れても 流れよどちらからともなくまじわり合って流れてゆけ |
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b |
曲の調子 |
→ 優しく語りかける歌 |
曲の感想 |
男と女は交わって流れればいい |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
春はあやまちの源 私たちは春の中で 遅れることに怯えていた |
詩の構造 |
1:a-b-c 2:a'-b-c' 3:b-c" |
曲の調子 |
↓ 強いリズム |
曲の感想 |
淋しさ、孤独、虚ろから自由になろうとしてひとは過ちを冒す |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
たとえ離れても心は変わらない せつなさに疲れて息がとまっても |
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b-c' |
曲の調子 |
↓ 強いビート |
曲の感想 |
強い女 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
You don't know はるかに You don't know どんなに 見つめてみてもあなたは気づきもしない |
詩の構造 |
1:a-b-b' 2:c-b-b' |
曲の調子 |
→ 美しい声、美しいメロディー |
曲の感想 |
関心のない、振り向かない男への恋慕、みゆきお決まりのパターン |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
こんなにこんなに人はいるのに どこにもどこにもあなたはいない |
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b 3:b'-b |
曲の調子 |
↑ 2拍子のハイテンポな歌 |
曲の感想 |
人恋しい夜の歌、みゆきお決まりのパターン |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
紅灯の海は優しい 海と名の付くものは優しい |
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b'-b' |
曲の調子 |
↓ 力強い歌唱力、投げつけるような歌い方 |
曲の感想 |
紅灯=ネオンサインの都会に抱かれるように街にさまよう。名文調で詞がよく考えれれている。多少硬いかな。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
この国は危ない 何度でも同じあやまちを繰り返すだろう 平和を望むと言いながらも |
詩の構造 |
詞の構造はない。 |
曲の調子 |
→ 淡々と物語が進行する。 |
曲の感想 |
社会批評歌。ペルー日本大使館ハイジャック事件で、日本のメディア・政府は自国民の救出しか念頭になかった。その国の人への配慮がない日本人批判。 |
アルバム26)「日―WINGS」
より
1999年のリリース。「竹の歌」、「NEVER CRY OVER SPRIT MILK」、「いつか夢の中へ」、「羊の言葉」、「異国の女」、「あなたの言葉がわからない」、「難破船」、「知人・友人・愛人・家人」、「Good Morninng,Ms.Castaway」、「明日なき我等」の10曲よりなる。美しい情感にあふれるデュエット曲「いつか夢の中へ」、美しいメロディーの「あなたの言葉がわからない」、暗い思想をロック調で歌った「難破船」、暗い思想を軽快なリズムで歌った「明日なき我等」が名曲といえる。
さびの歌詞(曲のキーワード) |
私がなりたいものはといえば 地下に根を張る あの竹林 |
詩の構造 |
1:a-b-c-b' 2:d-b"-c-b"-c-b |
曲の調子 |
→ 軽やかに弾むメロディーで単純な節の繰り返し |
曲の感想 |
言葉の内容も簡単明瞭で「地下に根を張る竹」にあこがれる。 |
NEVER CRY OVER SPILT MILK 歌詞はこちら
さびの歌詞(曲のキーワード) |
あばいてもあばいても心は晴れない 比べても比べても答は出ない |
詩の構造 |
1:a-b-c 2:d-b'-c' |
曲の調子 |
↓ メランコリックな演奏とロック調のリズム、ピアノに乗せて豊かな声が聞こえる |
曲の感想 |
過ち多い人生で後悔しても始まらないという暗い内容 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
いつか夢の中へ 失った道標いつの日か見えるまで |
詩の構造 |
a1-a2-a3-a4-b-a5 何回も「いつか夢の中へ」と変奏が続く |
曲の調子 |
↓ 美しい情感あふれる名曲、男と女のデュエット曲 |
曲の感想 |
失ったものが見えるまで夢の中へさ迷うという美しい情念の世界 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
そのうち暇なとき 思い出して 貴方に言った人 思い出して それがあたしの今の彼よ |
詩の構造 |
1:a-b 2:a'-b'-a' 1番と2番の曲は同じ構造 |
曲の調子 |
↑ 自分の普通の声と高い声をミックスした合成曲、ミディアムスローロック |
曲の感想 |
自分は愛に迷える羊、落ちが滑稽仕立て。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
遥かな国まで風は流れてゆく どこまでも どこまでも |
詩の構造 |
1:a-b- 2:c-b' 3:b'-d-d' |
曲の調子 |
↓ 幻想的なサウンドでみゆきの変な声が不気味な感じを出している、前半静かに歌い後半は強い声へ変身 |
曲の感想 |
私は他人で遠い存在という疎外感に打たれた淋しい曲 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
あなたの言葉がなんにもわからない あなたに心がないのかと間違える |
詩の構造 |
1:a-b 2:a'-b-a" |
曲の調子 |
→ クラシックな弦の響きと美しいメロディーにみゆきのかわいい声が重なって |
曲の感想 |
心が通じない嘆きを綺麗に歌うなんて |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
何処までもさまよって 何処までも振り返って 先へ行きたくないんじゃないのか |
詩の構造 |
1:a-b-c-b 2:d-a'-c'-b |
曲の調子 |
↓ 太い強い声としっかりしたツービートサウンド |
曲の感想 |
難破船が風に流されてどこにも行けない、行きたくないという先の見えない暗い名曲 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
知人・友人・愛人・家人 私は何処にも席がない |
詩の構造 |
a-a'-b-b 詞の構造が実に単純 |
曲の調子 |
→ センチメンタルメロディーに詞が丁寧に歌われる |
曲の感想 |
「私はあんたの何なのさ」を悲しく歌う |
Good Morning, Ms. Castaway 歌詞はこちら
さびの歌詞(曲のキーワード) |
変わりもせず忘れもせず 戻ることもできず ただ明日に耳を澄まし 未来を聞いている |
詩の構造 |
1:a-b 2:a'-c-a' |
曲の調子 |
↑ 弦楽四重奏で優美なイントロがあり軽快なワルツで楽しい曲なっている |
曲の感想 |
詩の内容が分り難いが、「今は時間が止まっているが前進あるのみ」ということか |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
憐れ我等さすらう者 渦巻く時の波間に |
詩の構造 |
1:a-b 2:a'-b 単純な詞の構造 |
曲の調子 |
↓ 軽快なリズムに乗せて明るい声で暗い詞を歌う |
曲の感想 |
思想的に重い内容をさらりと歌う、歌詞は名文調よく練れた文章だ。「我等ただようばかり、明日を占って生きている」 |
アルバム27 「月―WINGS」
より
1999年リリース。「一人で生まれてきたのだから」、「紅い河」、「LAST SCENE」、「女という商売」、「SMILE,SMILE」、「PAIN」、「白菊」、「時効」、「愛から遠く離れて」の9曲からなる。このアルバムはかったるい曲が特徴であり、音楽的にはみゆきの新しい試みになるだろうが、私には感心する曲が少ない。だがドラマチックな「PAIN」、象徴的な詞の「白菊」、情感の豊かな「愛から遠く離れて」が名曲に入るだろう。
さびの歌詞(曲のキーワード) |
ジャスミン もう帰りましょう もとの1人に すべて諦めて ジャスミン もう帰りましょう もとの1人に すべて諦めて |
詩の構造 |
1:a-b-a 2:c-a' 3:d-a" 4:c'-a" |
曲の調子 |
→ 優しい声でシャックルビートの流れる曲 |
曲の感想 |
人は一人というシリアスな孤独感、それでいいじゃないというみゆきの生涯独身宣言 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
どこへゆく どこへゆく 紅い河 ただ流れゆく流れゆく時のままに |
詩の構造 |
1:a-a-b-c 2:a-b-c 2番は1番と同じ |
曲の調子 |
→ ドラマチックなオーケストラの演奏に始まり、淡々と流れるメロディー、5拍子 |
曲の感想 |
漂う船の孤独感、「心の河はあなたに流れてゆけ」 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
誰にも出会わない鳥たちが眠りにつく |
詩の構造 |
詞の構造はない |
曲の調子 |
→ 長いイントロと思ったら、最初に曲ありきで歌は後付、しかもごく短い歌。 |
曲の感想 |
かったるいウイスパーボーカルの流れに、都会の灯がともる。悲しくも孤独な人。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
SWEET POISON, SWEET POISON, 夢を見せてあげる. |
詩の構造 |
1:a-b-c-a 2:d-c'-a-a |
曲の調子 |
→ 諭すような静かな曲 |
曲の感想 |
だらしのない態度とコケテッシュな態度の交雑、「女は嘘の夢を売る商売」 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
ねぇ、SMILE, SMILE 試してみて僕に笑ってみせて SMILE, SMILE 笑ってみて ほら僕も笑いだす |
詩の構造 |
1:a-a-b-c-b 2:b-c'-a-b' |
曲の調子 |
↑ ドラマチックな演奏の中に変に高い声 |
曲の感想 |
「君がすべてさ」、あまり現実感はないが |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
歌え雨よ 笑え雨よ 救いのない人の 愚かさを |
詩の構造 |
1:a-b-c-b 2:a'-b-b |
曲の調子 |
↓ 弱と強の交代で、静かに人の愚かさを歌い クラシック風の演奏の中で傷つける日々を歌う |
曲の感想 |
救いのない愚かさと限りない人の哀しさが絶唱される名曲 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
月の降る夜は 水面に白菊が咲く 涙溜まる掌 ひとつ白菊が咲く |
詩の構造 |
1:a-b-a 2:a'-b'-a' 同じ構造の繰り返し |
曲の調子 |
→ 美しい白菊の詞と美しいメロディーが、鋭いエッジを持つ演奏で歌われる |
曲の感想 |
インパクトの強い不思議な表現、また対句にあふれた詞は白菊をうまく象徴的に表現できている名作 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
誰もいない荒野を 一人近づいてゆけ 海鳴りの音が指し示すもの 辿ってゆけ |
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b |
曲の調子 |
↓ ドラマチックな演奏に始まりミディアムビートのポップロック調で畳み掛けるように歌が進行する |
曲の感想 |
「風化する記憶は時を味方にする」、強い言葉が印象的 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
愛から遥か遠く離れて生きる時は 時計を海に捨てに行こう 永遠のリフレインに |
詩の構造 |
1:a-b-c 2:a'-b'-c-c |
曲の調子 |
↓ 美しいメロディーに乗って落ち着いた説得性のある声で、情感あふれた歌 |
曲の感想 |
歌詞が実によく出来ている、「愛を捨てた人は海の波のように永遠の繰り返し」 |
アルバム28)「短編集」より
2000年のリリース。「地上の星」、「帰省」、「夢の通り道を僕は歩いている」、「後悔」、「MERRY-GO-ROUND」、「天使の階段」、「過ぎ行く夏」、「結婚」、「粉雪は忘れ薬」、「Tell Me Sister」、「ヘッドライト・テールライト」の11曲よりなる。このアルバムにはNHKの「プロジェクトX]のテーマ曲が2曲入っていて「地上の星」、「ヘッドライト・テールライト」は文句なしの名曲である。美しい曲として「後悔」、「過ぎ行く夏」、強いロックリズムの「過ぎ行く夏」も出来が極めていい。
さびの歌詞(曲のキーワード) |
風の中のすばる 砂の中の銀河 みんな何処へ行った 見送られることもなく |
詩の構造 |
1:a---a'-b 2:a"-b'-b"-a-b' 複雑な構造 |
曲の調子 |
↑ 強くしっかりしたリズムで、身近な人間の賛美を歌い上げる |
曲の感想 |
遠くの星を見ている間に、身近にいるすばらしい人々が失われてゆく。「プロジェクトX」のオープニングテーマ曲 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
束の間 人を信じたら もう半年がんばれる |
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b'-b' |
曲の調子 |
→ かわいい声で淡々と語る日本人の風俗 |
曲の感想 |
わかりやすく常識的な内容、お盆と正月には優しい人に戻れる。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
夢の通り道を僕は追ってゆく |
詩の構造 |
1:a-b 2:c-d-d |
曲の調子 |
→ しっかりしたリズムに美しい歌 |
曲の感想 |
歌詞の内容は抽象的で単純だが、美しいメロディーが主役の曲 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
どうしてどうして素直に 貴方に心を伝えなかったか 後悔してる |
詩の構造 |
1:a-b-c 2:d-e-c-c' |
曲の調子 |
→ ピアノ演奏とオーケストラに乗って美しく歌われる |
曲の感想 |
弱ー強ー最強と強まる情念、国際恋愛の別れの話 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
それと同じことをあの人嘆いては誰かを想う きれいな矛盾だね はたから見れば |
詩の構造 |
1:a-b-a 2:a-c-a-a-a |
曲の調子 |
↑ 3拍子のワルツ調の楽しい曲 |
曲の感想 |
恋人の人間相関がタンデムになっているのでメリーゴーランドに喩えたようだ。理屈先行にしては楽しい曲だ。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
眺めに行かないか 天使の階段. |
詩の構造 |
1:a-b 2a'-b' 単純な構造 |
曲の調子 |
↑ 高くかわいい声で、4拍子のリズムに乗って天子階段を上る足音 |
曲の感想 |
鐘の効果音も印象的にきれいな曲 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
過ぎゆく夏のはかなさに 君を惜しんでしまおうか |
詩の構造 |
1:a 2:b 3:c 4:d これは構造ではないが、詞の言い替えのリズムがある。 |
曲の調子 |
↑ ロックのリズムと言葉のリズムが一致 |
曲の感想 |
すべて夏のせいにするノー天気なハイな歌 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
結婚と決闘 |
詩の構造 |
1:a 2:b 3:c 構造はない |
曲の調子 |
→ 3拍子の軽やかな曲 |
曲の感想 |
親父ギャグがあってできた曲、結婚は男と女の決闘か |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
粉雪は忘れ薬 寂しい心の上に積もるよ |
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b'-b-b |
曲の調子 |
→ かったるい歌、静かに泣き言が流れてゆく。 |
曲の感想 |
忘れたい、忘れられない、みゆきの煩悶にはつきあってられないねー |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
Tell Me, Sister 何を真似ればいい? 「そのままでいいのに」と微笑みだけが残った |
詩の構造 |
1:a-b-c 2:d-b'-c'-c' |
曲の調子 |
↓ みゆきの強い声と分厚いコーラスがいい関係 |
曲の感想 |
完全な女が自殺、普通の女はそのままのほうが幸せなのさ。理屈先行のパラドックス |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
ヘッドライト・テールライト 旅はまだ終わらない |
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b 3:d-b-b |
曲の調子 |
→ 美しいメロディーに強いみゆきの声が柔らかいコーラスにつつまれていいなー |
曲の感想 |
文句なしの美しい曲、プロジェクトXのエンディングテーマ曲、美しい情感の中で夢は続く |
アルバム29)「心守歌」より
2001年リリース。「囁く雨」、「相席」、「樹高千丈 落葉帰根」、「あのバスに」、「心守歌」、「六花」、「カーニバルだったね」、「ツンドラ・バード」、「夜行」、「月迎え」、「LOVERS ONLY」の11曲からなる。このアルバムの特徴はアルバム名から分かるように優しい歌が多いことである。また歌詞の構造が 1:a-b 2:c-bという形式がほとんどである。理由は分からない。したがって優しい曲を選ぶと「相席」、「樹高千丈 落葉帰根」、「心守歌」、「六花」、「月迎え」がすべて美しい良い曲になっている。
さびの歌詞(曲のキーワード) |
囁く雨に身じろぎもせず ただ さよならを全身で聴いている |
詩の構造 |
1:a-b-a 2c-a-a |
曲の調子 |
↑ 雨の効果音で始まり、リズムがきっちりメロディーを刻む、スチールギターもいい。 |
曲の感想 |
いやな女の嘘、あまり未練はなさそう、これもみゆき特有の強がりですかね |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
あいかわらずね この店のマスター 客をちゃんと見ていない. |
詩の構造 |
1:a-b-c 2:a-d-c 3;a-e-c |
曲の調子 |
→ 雨音のようなピアノに乗って3段階のストーリが展開される。 |
曲の感想 |
出会い−恋愛ー別れというお決まりの3段論法だが、ストーリが優しく情感を物語る。みゆき独特のシリアス性や恨みつらみはない。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
いいえ どこでもない 枝よりもっと遥かまで 木の根はゆりかごを差し伸べて きっと抱きとめる |
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b |
曲の調子 |
→ 4拍子のリズムに乗って優しくかわいい声 |
曲の感想 |
漢文詞「樹高千丈 落葉帰根」からできた曲。男女のことか自然(木)の事か。東洋思想につながる自然の輪廻。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
押しのけたあの傘の中に自分がいた気がした あのバスに乗らなけりゃならないと急いでた |
詩の構造 |
1:a-b 2:a'-c 3:b |
曲の調子 |
↓ ギター伴奏がいい、みゆきの2つの声色を合成 |
曲の感想 |
人生を忙しく生きる中で大切な自分を失った |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
遥かな愛しいあの人に 悩みのない寝息があればいい |
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b |
曲の調子 |
→ 優しく流れる歌 |
曲の感想 |
ストーリーが直球、心折れる夜は大人のための子守唄 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
六花の雪よ 降り積もれよ 白く白く ただ降り積もれよ |
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b |
曲の調子 |
→ 静かに優しい歌 |
曲の感想 |
六花とは六角形の結晶構造を持つ雪の事、雪はすべてを包んでくれる。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
愚かな望み 愚かな暮らし 愚かな悔いの繰返し |
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b' 3:b |
曲の調子 |
↓ 静かなリズムに乗って懺悔の歌 |
曲の感想 |
自分の愚かさに恥じ入る暗い曲だ、罪と哀しさだけが人生だ。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
ツンドラの鳥は見抜いているよ 遠い彼方まで見抜いているよ |
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b 3:d-b' 4:e-b' |
曲の調子 |
↓ ドラマチックな歌、ほとんどメロディーはなく語りが中心。 |
曲の感想 |
オジロワシの鋭い目のための曲、そこから見る、見抜くという連想が生まれた。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
夜行の駅で泣いているのは みんなそんな奴ばかり 夜行の町を生きてゆくのは みんなそんな奴ばかり |
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b' 3:b' |
曲の調子 |
↓ 早い8拍子のリズム、叩きつける歌い方 |
曲の感想 |
みゆき本来のパンチのある曲、都会の深夜族には心優しいやつもいる。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
月を迎えに出かけませんか 身体抜けておいでなさい |
詩の構造 |
1:a-b-a 2:a'-c-a' |
曲の調子 |
→ 優しい月見の曲、2つの声を合成 |
曲の感想 |
歌詞が見事に作られ構造も特異、不思議に優しい幻想世界 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
Merry Xmas,Merry Xmas 恋人たちだけのために Merry Xmas,Merry Xmas すべての傷は癒される |
詩の構造 |
1:a-b-a' 2:c-b'-a'-b |
曲の調子 |
↑ 早いリズムが歌を刻む、明るくしようとする気持ち |
曲の感想 |
ホワイトクリスマス、恋人たちへの賛歌 |
アルバム30)「おとぎばなし−Fairy Ring―」より
2002年のリリース。「陽紡ぎ歌」、「シャングリラ」、「おとぎばなし」、「雪・月・花」、「匂いガラス」、「安寿子の靴」、「あの人に似ている」、「みにくいアヒルの子」、「愛される花愛されない花」、「裸爪のライオン」、「紫の桜」、「海よ」の11曲よりなる。「海よ」はアルバム1)にある曲の再収録。アルバム名からして大人のためのかわいい童話が主体になるが、私は女のおとぎ話は好きになれない。静かなファンタスティックな曲「安寿子の靴」、「紫の桜」、そしてみゆき節全開の「裸爪のライオン」を名曲に入れよう。
さびの歌詞(曲のキーワード) |
Ding Dong Ding Dong 何かが Ding Dong Ding Dong 呼んだよ |
詩の構造 |
1:a-b-c-a 2:a'-d-c-d |
曲の調子 |
↑ かわいい曲 |
曲の感想 |
糸紡ぎから陽紡ぎへの発展、きらきらとした陽は小人が操るよう。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
シャングリラから シャングリラから いつか迎えの馬車が来る |
詩の構造 |
1:a-b-a 2:c-d-a |
曲の調子 |
↑ パーカッションとトライアングルに始まり中国風のメロディーがかわいい、2つの音質のみゆきの声が合成されている。 |
曲の感想 |
貧しい乙女の夢、シンデレラ物語 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
おとぎばなしを 聞かせてよ 恋はかなうと 聞かせてよ |
詩の構造 |
1:a-b-c 2:d-e-c 3:f-c-c-c |
曲の調子 |
→ 静かな曲 |
曲の感想 |
詩の内容はつまらないおとぎ話。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
雪・月・花 移ろわないのが恋心 雪・月・花 ひたすらつのるばかり |
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b-b-b |
曲の調子 |
→ 早いリズムに恋ごころもはやり |
曲の感想 |
雪月花という風月は移ろいやすいが恋心は変わらないという対比が面白い |
匂いガラス
さびの歌詞(曲のキーワード) |
リンゴのような 匂いガラスの さわりをね |
詩の構造 |
a-b-c |
曲の調子 |
→ ファンタスチックな世界、a,cは変な声で歌いbはドラマチックに歌う |
曲の感想 |
唐十郎の歌詞、カイとゲルダの芝居の世界 |
安寿子の靴
さびの歌詞(曲のキーワード) |
流れのおきてにさからう子だって 波はきっと好きだというよ |
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b |
曲の調子 |
→ 琴の音の様なギターが、静かな水辺の世界をかもし出す。 |
曲の感想 |
唐十郎の歌詞、ファンタスチックな世界 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
あの人に似ている 涼し気な横顔から 時折 淋し気な 眼差しまで |
詩の構造 |
1:a-bc 2.d-b'-c'-c |
曲の調子 |
→ 美しいメロディー、面白いデュエット法 |
曲の感想 |
さだまさしとの語り好きの2人が、楽しく掛け合い物語 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
あゝ 今夜も私は おどけていうしかない 愛してます 愛してます なお人は笑う |
詩の構造 |
1:a-b-c 2:d-c-c-c |
曲の調子 |
↑ わざとらしいアップな曲、やけくそ元気 |
曲の感想 |
冗談かおどけて言うしかない愛の告白 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
愛される花も 愛されぬ花も 咲いて散る ひと春に変わりないのに |
詩の構造 |
1:a-b 2:a'-b-b |
曲の調子 |
→ 妙に高い声で感情を抑制して淡々と愚痴を続ける |
曲の感想 |
「花に変わりがないものを、どうして私は愛されないの」みゆきお決まりのパターン |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
裸爪のライオン 飛べないカモメ まだ あきらめを覚えていない |
詩の構造 |
1:a-b-c 2:d-c-a'-a-a |
曲の調子 |
↑ 妙に調子のいい曲でみゆきの声がいい、パンチが効いたハイテンポな曲、みゆき絶好調 |
曲の感想 |
走れないライオン、飛べないカモメの対句は能力を欠いた人間の意味、だけどさー元気を出してスタートだ! |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
抱きしめて 眠らせて 彼岸へ帰せ |
詩の構造 |
1:a-b-c-c 2:d-b-c-c-c' |
曲の調子 |
→ 高い声で静かに失われた者を追憶する美しい世界 |
曲の感想 |
桜はファンタスチックワールドにふさわしい。下敷きに西行法師の「3月弥生の頃、桜の花の下にて我死なん」 |
海よ
アルバム1)「私の声が聞こえますか」に既出。このアルバムでは声の質が全く変わってしまったことに気がつく。どっちがいいかと問われれば残酷だけれども若いときの声のほうがいいと答える。とすれば昔の曲を歌いなおして再収録するのは避けたほうが賢明。
さびの歌詞(曲のキーワード) |
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詩の構造 |
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曲の調子 |
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曲の感想 |
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アルバム31)「恋文」より
2003年のリリース。「銀の龍の背に乗って」、「恋とはかぎらない」、「川風」、「ミラージュ・ホテル」、「寄り添う風」、「情婦の証言」、「ナイトキャップ・スペシャル」、「月夜同船」、「恋文」、「思い出だけではつらすぎる」の10曲よりなる。ハイテンポでアップな曲では「銀の龍の背に乗って」、ドラマチックな「ミラージュ・ホテル」、静かな曲「寄り添う風」、映画音楽のように美しい「恋文」が名曲の仲間入り。
さびの歌詞(曲のキーワード) |
銀の龍の背に乗って 届けに行こう 命の砂漠へ
銀の龍の背に乗って 運んで行こう 雨雲の渦を |
詩の構造 |
1:a-b-v-d 2:a'-b-c'-d-d |
曲の調子 |
↑ 8拍子のハイテンポなリズムで張りのあるいいl声だ |
曲の感想 |
非力な自分にも上昇できるチャンスがある |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
恋とはかぎらない 情とはかぎらない.. |
詩の構造 |
1:a-b-c 2:d-b-c |
曲の調子 |
↑ ハイテンポでアップな曲、男性ボーカルといい響き |
曲の感想 |
恋と情の違いが分からない。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
川風よ伝えて あの人に伝えて あやまりたいのと. |
詩の構造 |
1:a-b-c 2:d-e-c |
曲の調子 |
↓ 6拍子のゆっくりしたテンポ |
曲の感想 |
独りよがりー人を大切に思わないー逃げられたというみゆきお決まりのパターン。少し反省したら。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
ミラージュ・ホテル その鍵はありえない部屋の番号... |
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b 3:d-b |
曲の調子 |
↓ 4拍子のミディアムスローロックのゆったりした曲、そして曲の調子は最高 |
曲の感想 |
ドラマチックな手法で空想の世界を出現 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
寄り添う風 それだけでいい あなたの袖を揺らして |
詩の構造 |
1:a-b-c 2:d-b-e-c |
曲の調子 |
→ 静かな美しい曲 |
曲の感想 |
寄り沿うだけの関係とはみゆきにしてはうそ臭いセリフだが |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
けれど情婦の証言は法廷では 無いのに等しい.. |
詩の構造 |
1:a-b-c 2:d-e-c-a |
曲の調子 |
→ 言葉が先行する他愛もないストーリー、スローロック調。 |
曲の感想 |
ドキュメンタリー仕立ての言葉のお遊び |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
ナイトキャップ特別製の寝酒になってあげるわ お互いさまでしょう |
詩の構造 |
1:a-b-c 2:d-c-b-c |
曲の調子 |
↓ 4拍子のロック調、元気にやけくそ |
曲の感想 |
そういうものかね、女じゃないから分からないけど |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
降りやまぬ月明り くぐってゆくひと粒舟ゆらら |
詩の構造 |
1:a-b 2:b-a' |
曲の調子 |
→ ゆっくりしたリズムで幻想世界を現出 |
曲の感想 |
情感あふれるメロディーに幻想的な歌詞がよく出来ている。さびの部分の歌詞が特にいい。 |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
「アリガトウ」っていう意味が 「これきり」っていう意味だと 最後まで気がつかなかった |
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b-b-b |
曲の調子 |
→ 美しいメロディー、ピアノに乗ってリズミカルに恋心が流されて |
曲の感想 |
映画音楽のようなオーケストラ演奏、ラストシーンにような粋な別れ |
さびの歌詞(曲のキーワード) |
思い出だけではつらすぎる 今すぐに抱きしめていて 本当の鍵はただひとつ 永遠にあなたが持ってる |
詩の構造 |
1:a-b 2:c-b 3:d-b |
曲の調子 |
↓ 間奏オーケストラのストリングスが美しい、張りのあるみゆき独特の高い声 |
曲の感想 |
自分からは踏み出せなくて、他力にすがるかわいい女風・・・・しかしこれはみゆきではないな |
中島みゆきリンクサイト
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