モーツアルト ピアノ協奏曲第20番 K.466 二短調 

魔性の調べ


聖ロカ国際病院理事長の日野原重明博士の音楽療法なかんずく「モーツアルト効果」が最近とみに話題になっている。(「モーツアルトで癒す」ドン・キャンベル著、日野原重明監修 日本文芸社1999年)空間処理能力が高まるとか、右脳の活性化等が取りざたされているがその真偽のほどは確かではない。私も早くモーツアルトの洗礼を受けておけば少しは人生が変ったのだろうか。モーツアルトはいうまでもなく古典派の天才である。音楽家の三聖としてバッハ、モーツアルト、ベートーベンを挙げることは私一人の独断ではなかろう。これからこのコーナーでモーツアルトの作品を取上げる事が多くなると思う。そして1番バッターとして、モーツアルトの短調を取上げたい。この作品は1785年29歳彼の最初の短調協奏曲である。それまでのピアノ協奏曲は艶麗優美ないわば貴族趣味に徹していたが(生活のためであろう)ここでモーツアルトは大変身をとげることになるが、それと同時に生活は苦しくなる。こんな曲を貴族が好むわけがない。モーツアルトは俄然自我に目覚めて自分の言葉で話始めた。モーツアルトの意図は確信に満ち二短調という悪魔的な調性を展開して徹底して娯楽を斥けた。18世紀末の革命の時代と貴族の没落は留めようも無く、このニ短調ピアノ協奏曲は情熱と劇的葛藤の原形として市民層への支持を獲得した。そしてその流れはナポレオン時代の幕開けとなり、ベートーベンの人間の意志力への無限の信頼へ受け継がれる。劇的な動きを予感させる低音の第1楽章の主題にすべては集約される。この作品のCDでは私は以下の4枚を持っているが、なかでもピアノ:ルドルフ・ゼルキン、クラウディオ・アバド指揮ロンドン交響楽団が最もロマン派的な緩やかな不気味な動きが感じられ愛聴の1枚である。

  1. ピアノ:ルドルフ・ゼルキン、クラウディオ・アバド指揮ロンドン交響楽団 1981年録音 ドイツグラモフォン 
  2. ピアノ:ベネデッティ・ミケランジェリ、コード・ガーベン指揮北ドイツ放送交響楽団 1989年録音 ドイツグラモフォン
  3. ピアノ」内田光子、ジェフリー・テイト指揮イギリス室内管弦楽団 1985年録音 フィリップス
  4. ルドルフ・フルクスキー、エルネスト・ボーア指揮SWF交響楽団 1992年録音 INT 


モーツアルト ピアノ協奏曲第20番 演奏CDより
 
モーツアルト 「ピアノ協奏曲第20番 K.466 二短調」 ピアノ ルドルフ・ゼルキン アバド指揮ロンドン交響楽団(1989) モーツアルト 「ピアノ協奏曲第20番 K.466 二短調」 ピアノ 内田光子 テイト指揮イギリス室内管弦楽団(1985) 
モーツアルト 「ピアノ協奏曲第20番  K.466 二短調」 ピアノ ルドルフ・ゼルキン アバド指揮ロンドン交響楽団 モーツアルト 「ピアノ協奏曲第20番  K.466 二短調」 ピアノ 内田光子 テイト指揮イギリス室内管弦楽団
モーツアルト 「ピアノ協奏曲第20番 K.466 二短調」 ピアノ ベネデッチ・ミケランジェリ カーベン指揮北ドイツ放送交響楽団(1989) モーツアルト 「ピアノ協奏曲第20番 K.466 二短調」 ピアノ フルコフスキー ボーア指揮SWF-S交響楽団(1992)
モーツアルト 「ピアノ協奏曲第20番  K.466 二短調」 ピアノ ベネデッチ・ミケランジェリ カーベン指揮北ドイツ放送交響楽団 モーツアルト 「ピアノ協奏曲第20番  K.466 二短調」 ピアノ フルコフスキー ボーア指揮SWF-S交響楽団



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